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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 水崎アサヒ編
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第2章 シーグリーンライト(水崎アサヒ編)中編

六郭星学園 Hクラス教室



翌日のことだった。僕が教室に入ると、水崎さんがいた。臙脂色のヘッドフォンを付けて…………


水崎さんは何かを聴いていた。とても楽しそうに。


僕は声をかけようかと思うものの、楽しそうにしているところを邪魔するわけにもいかない。


どうしようか…………


秋葉サヤ

「あ、おはよう。」


真瀬莉緒

「秋葉さん。おはようございます。」


秋葉サヤ

「あら…………アサヒったら、珍しく音楽を聴いているのね。」


真瀬莉緒

「はい。邪魔するわけにもいかないので…………。」


すると、僕たちに気づいたのか、水崎さんがヘッドフォンを外した。


水崎アサヒ

「やや、おはよう!元気か?」


真瀬莉緒

「おはようございます。…………やけに真剣に何かを聞いてましたね。…………ヘッドフォンで。」


水崎アサヒ

「ああ、これは…………声優さんの歌を聴いていたんだ。」


真瀬莉緒

「声優さんの?それって今度、僕がオーディションに曲を出す声優さんの曲ですか?」


水崎アサヒ

「ああ。せっかく莉緒がオーディションを受けるんだ。この曲が参考になるかどうか聞いていたんだ。」


真瀬莉緒

「と言うことは、水崎さんも協力をしてくれるんですか!」


水崎アサヒ

「…………いや、協力はできない。すまないな。」


真瀬莉緒

「そうですか…………。わかりました。」


水崎アサヒ

「ま、まあ…………参考になるかどうかはわからないが、莉緒にこのCDをあげよう。」


真瀬莉緒

「…………ありがとうございます。では、お借りします。」


水崎アサヒ

「頑張ってくれ。応援しているぞ。」


そう言うと、錦戸さんが教室に入って来る。


真瀬莉緒

「あ、錦戸さん…………おはよう…………ござい……ます…………」


水崎アサヒ

「アケミ!?」


そこにはボロボロになっていた錦戸さんがいた。


秋葉サヤ

「大変!急いで、保健室に!」


僕たちは先生を呼んで、保健室に急行する。



六郭星学園 保健室



保健室には愛森宇蘭(まなもり うらん)先生が駆けつけてくれた。愛森先生は錦戸さんに応急処置をしてくれた。


愛森宇蘭

「これで…………きっと大丈夫ね。今日は安静にしていた方が良いわ。」


錦戸アケミ

「すみません…………。そうします。」


秋葉サヤ

「大丈夫…………?」


錦戸アケミ

「大丈夫よ。今日はゆっくり休むわ。」


真瀬莉緒

「そうですか。…………ゆっくり休んでください。」


錦戸アケミ

「ええ、莉緒。ありがとう。…………アサヒのことをよろしくね。」


真瀬莉緒

「……………………?」


僕は何を言っているのかがわからなかったが、ひとまずは教室に戻ることにした。



六郭星学園 Hクラス教室



教室に入ると矢次先生が、心配そうに話しかけてきた。


矢次由佳里

「みんな、アケミの様子は大丈夫?」


真瀬莉緒

「は、はい。なんとか…………。」


矢次由佳里

「そ、そう…………なら良いんだけど…………。でもやっぱり…………。」


真瀬莉緒

「……………………?何かあったんですか?」


矢次由佳里

「えっ…………いや、なんでもないわ。とりあえず授業しましょう。」


真瀬莉緒

「……………………はい。」


僕たちは授業を受けて、放課後を待つことにした。


そして、放課後。僕はいつものように音楽室で作曲の練習をしようと音楽室に向かおうとしたとき、土原さんたちがやって来た。


土原ガク

「こーんにーちはー!!元気にしてる!?」


雪谷マコト

「ガク。みなさんを驚かせないでください。」


雪谷さんがそう言うと、水崎さんが口を開く。


水崎アサヒ

「で…………何の用だ?」


土原ガク

「ふっふっふっ…………みんなでプールのお誘いに来たのだー!!」


真瀬莉緒

「プ…………プール?」


土原ガク

「そのとーり!!」


自信満々に土原さんが言うと、雪谷さんが説明をする。


雪谷マコト

「ガクがリゾートホテルの旅行券を福引きで当てたんです。みなさんも良ければ行きませんかというお誘いでした。先生方には引率をしてもらえることになりましたので、校則関係は問題はありません。…………いかかでしょうか?」


教室にいた秋葉さんと水崎さんは反対することはなかったが、気になる点があるらしく…………。


秋葉サヤ

「アケミのことはどうするの…………?綿垣さんとあまり仲は良くなさそうだし…………。マコトくん。」


雪谷マコト

「それなら大丈夫。キョウゴは来ないから。でも、錦戸さんが行かないなら、キョウゴを誘おうとは思うけど…………。」


秋葉サヤ

「そう…………じゃあ、アケミに聞いてみましょう。」


水崎アサヒ

「そうだな。…………アケミは部屋か?部屋なら私が聞いて来るが…………。」


秋葉サヤ

「そうね。私も行くわ…………。みんなはここで待っていて。」


真瀬莉緒

「はい。わかりました。」


僕が頷くと、2人は錦戸さんのところへ向かった。


教室には僕と土原さんと雪谷さんの3人で待つことになった。水崎さんたちは来る前に軽い雑談を始める。


しばらくすると土原さんからこんな話が飛んできた。


土原ガク

「ねえ、アサヒとは順調かい?作曲の方は?」


真瀬莉緒

「そうですね…………まあ、順調と思います。協力はまだですが…………。」


雪谷マコト

「水崎さんと真瀬さんは作曲ですか。頑張ってください。」


真瀬莉緒

「ああ、ありがとうございます。」


土原ガク

「まあ、頑張っているみたいだねー!もしアサヒが協力をしてくれないなら、僕が手伝ってあげるよ!」


真瀬莉緒

「本当ですか!ありがとうございます。」


雪谷マコト

「ガク。良いんですか?志奈さんとも作曲でしたよね。…………大変じゃないですか?」


土原ガク

「大丈夫だよ!…………それに、アサヒの非協力も悪いからさ。」


雪谷マコト

「そうですか?…………まあ、頑張ってください。」


土原ガク

「ありがとねー!!」


そう言うと、水崎さんたちが帰ってきた。


真瀬莉緒

「水崎さん、どうでしたか?」


水崎アサヒ

「ああ、アケミか。アケミも行きたいと言っていた。」


土原ガク

「決まりだねー!!よし、行こうじゃないか!!」


雪谷マコト

「はい。この日に行くことになっていますので、準備の方をよろしくお願いします。」


真瀬莉緒

「わかりました。では…………。」


こうして僕たちは、リゾートホテルに行くことになった。


数日後…………。

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