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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 水崎アサヒ編

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第1章 ランプブラックミュージック(水崎アサヒ編)後編

六郭星学園寮



真瀬莉緒

「ここが、僕の部屋か…………!」


パンフレットによると、部屋は広くリビングとベッドルームが2部屋あり、両方防音になっているらしいのでベッドルームからもう一つのベッドルームからは何も聞こえない。この部屋に2人1組というのがこの寮のルールらしい。


僕は自分の部屋を見つけ、その部屋のドアを開ける。


部屋のパートナーの人は…………まだ来てない。


真瀬莉緒

「まだいないのかな…………?」


そう思っていると、部屋のパートナーらしき人が入って来た。


真瀬莉緒

「あっ…………はじめまして…………。」


僕が挨拶をしようとすると…………。


??

「はじめましてー!!君が部屋のパートナーなんだね!よろしくー!!」


真瀬莉緒

「えっ…………はい。よろしくお願いします…………。」


??

「もー!!部屋のパートナーなんだから、もっとフランクに!」


真瀬莉緒

「えっ…………あっ…………。」


なんだろうこのハイテンションな人は…………。


真瀬莉緒

「あの…………あなたは?」


土原ガク

「自己紹介がまだだったねー!僕は土原ガク(つちはら がく)って言うんだー!!よろしくねー!」


真瀬莉緒

「僕は真瀬莉緒です。よろしく…………。」


土原ガク

「もう、つれないなー!まあ良いけど。」


真瀬莉緒

「は、はあ…………。」


うう…………この人と1年一緒か…………。


土原ガク

「ところで…………君は誰と課題のペアなの!?」


真瀬莉緒

「は、はい。水崎アサヒっていう人と課題のペアです。」


土原ガク

「アサヒ…………?」


真瀬莉緒

「………………?」


今、少しだけ目の色が変わったような気がする…………。水崎さんのことを知っているのだろうか?


真瀬莉緒

「水崎さんのこと知っているんですか?」


土原ガク

「ああ、うん!知っているよ。知り合いだもん!」


真瀬莉緒

「へえ、そうなんですね。」


土原ガク

「うん!じゃあ、僕はまだ荷物があるから、莉緒はゆっくりしていてね!!」


そう言うと、土原さんは部屋から出てった。


真瀬莉緒

「ふう…………土原さんがルームメイトか。」


どんな1年になるか少しドキドキする。


…………メルマでも見るか。


メルマとは、Vtuberのことである。つまり、Vtuberの動画鑑賞だ。


名前は綺羅星メルマ(きらぼし めるま)。ここ最近で登録者数が60万人を超えた、今1番勢いのある女性Vtuberだ。


綺羅星メルマ

「星々のみんな〜!みんなのアース。綺羅星メルマで〜す!」


いつものかけ声にいつもの挨拶。最近の心の拠り所だ。


綺羅星メルマ……癒されるな……。


メルマの動画をひと通り見終わると僕はすぐに寝床についた……。


翌日…………僕は再び音楽室にいた。秋葉さんに言われたオーディションの楽曲作成のためにだ。


真瀬莉緒

「さてと…………まずは基本のベースを…………。」


僕は早速取り掛かる。あの声優さんにぴったりの曲を作るんだ。


真瀬莉緒

「ここはこうして…………この辺は…………こうだな。」


僕は熱中して、作曲に取り掛かる…………。


??

「なあ…………。」


真瀬莉緒

「……………………。」


??

「莉緒…………?」


真瀬莉緒

「ん?…………ああ!水崎さん!」


いつの間にか、かなり熱中をしていたようだ。


真瀬莉緒

「すみません。…………で、今日は何の御用ですか?」


水崎アサヒ

「ああ、今日は莉緒。君とデートをするために来たんだ。」


真瀬莉緒

「デートですか!?」


水崎アサヒ

「冗談だ冗談。いやな、矢次先生からクラシックコンサートのチケットを貰ってな。莉緒も作曲の何か参考になればと思い誘ってみたんだ。」


真瀬莉緒

「クラシックコンサートか…………確かに息抜きも大切ですし、クラシックは色々と参考になりますからね。行きましょう。」


水崎アサヒ

「そう来なくてはな!じゃあ、早速行こうではないか。開演まであと1時間だ。急いでいかなくてはな。」


真瀬莉緒

「そうですね。急ぎましょうか。」


僕たちはコンサート会場に向かうことにした。



コンサート会場



クラシックコンサートの開場にギリギリ間に合った。僕たちはチケットをの座席番号を確認する。


僕たちの席は…………あった。早速座り、開演を待つ。


水崎アサヒ

「いよいよだな。」


真瀬莉緒

「そうですね。…………あ、始まりますよ。」


開演のブザーが鳴り、照明が暗くなる。


ステージには金管楽器や打楽器などの演奏する人たちが準備をしている、そこに指揮者が真ん中に立つ。


そして、指揮者が合図を出すと、聞き馴染みの音楽が演奏される。


真瀬莉緒

「おお…………さすが、プロの演奏家の人たちだ。」


水崎アサヒ

「うむ。なかなかだな。」


演奏は2時間ほど続く。すると隣の席にいる水崎さんはウトウトし始める。


真瀬莉緒

「水崎さん…………?疲れているのかな?」


水崎アサヒ

「ん…………。」


いつの間にか肩に頭の感触がある、どうやら眠りについたようだ。


真瀬莉緒

「全く…………水崎さんときたら…………。」


でもなんだろう。この感じは嫌ではない。


僕は黒い暗闇の中、演奏を聴き、とても心地よい時間を過ごせた。



帰り道



水崎アサヒ

「途中まで眠っていたが…………参考にはなったのか?」


真瀬莉緒

「はい。参考になりました。ありがとうございます。」


水崎アサヒ

「それは良かった。…………ハクション!!…………すまない。」


水崎さんは思い切りのくしゃみをし、ポケットからティッシュを出す。そのティッシュは臙脂色だった。


真瀬莉緒

「珍しい、ティッシュですね。特注かなんかですか?」


水崎アサヒ

「ああ、これは偶然市販で売っていたものなんだ。私は臙脂色が好きでな。基本は濃い赤のもので統一をしているんだ。ガクも臙脂色が好きらしくてな。そこは共通点だな。」


真瀬莉緒

「ガクって、土原ガクさんのことですか?僕、ルームメイトなんですよ。」


水崎アサヒ

「おお、そうか。あんな奴だから色々大変だと思うけれど、頑張るんだな。」


真瀬莉緒

「はい。何とか1年頑張ってみます。」


水崎アサヒ

「ああ、応援しているぞ。…………さあ、そろそろ戻るか。」


真瀬莉緒

「はい。門限も近いですしね。」


僕たちは急いで六郭星学園に戻った。



六郭星学園寮 莉緒・ガクの部屋



寝る前に、僕は今回のクラシックコンサートを参考に基本ベースを作り上げた。


真瀬莉緒

「よし…………これを誰かに聞いてもらいたいな。」


けれどもう時間が遅い、僕は土原さんに聴いてもらうことにした。


真瀬莉緒

「土原さん聞いてください。お願いします。」


土原ガク

「良いよー!」


僕はその言葉を聞いて、土原さんに基本のベースを聴いてもらう。



基本ベースが聴き終わり、土原さんは拍手をしてくれた。


土原ガク

「すごい!!これはすごいよ!!」


真瀬莉緒

「あ、ありがとうございます。」


すると土原さんが思いもよらない言葉を言う。


土原ガク

「でもこれなら、アサヒの音楽性も必要だねー。」


真瀬莉緒

「水崎さんですか?」


土原ガク

「うん!ああ見えて楽器の演奏もプロ並みなんだ!だからさ…………ぜひアサヒに演奏してもらいたいな!」


真瀬莉緒

「水崎さんか…………。」


1度断られた反面、再度頼むのは申し訳ない。


土原ガク

「無理知恵はさすがにしないけどね!頑張ってね!」


真瀬莉緒

「は、はい…………。」


僕は悩みこむ…………果たして協力してくれるのだろうか。


…………ダメだ切り替えよう。僕は自分の布団に入った。

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