表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 綿垣キョウゴ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

164/375

第4章 水色のハンカチ(綿垣キョウゴ編)後編

六郭星学園 大講堂



いよいよ、課題発表当日になった。課題はKクラスから1ペアずつ発表していき、そこからJクラス、Iクラスといき、Sクラスと回っていく。1ペアずつなので3日間に分けて発表をしていく。


そして今日はBクラスが発表していく。


Bクラスのトップを飾ったのは雪谷さんのペアだ。

雪谷さんのペアは戦国武将の甲冑を再現した模型を作った。


秋葉サヤ

「こんな作品を作るなんて……!さすがねマコトくん。」


秋葉さんから驚いた様子が見れた。


中盤に入ると次は土原さんのペアが発表の時間になった。


土原さんのペアはマジックショーを披露した。


水崎アサヒ

「なかなかやるじゃないか。さすがだ。」


水崎さんが認めるほどと言うことはなかなかの実力なのだろう。


そして終盤に入る……そしてBクラスのトリを飾ったのは私たちだ。


真瀬志奈

「いよいよですね。綿垣さん。準備はできていますか?」


綿垣キョウゴ

「ああ、もちろんだ。これで…………みんなに認めてもらうんだ。」


真瀬志奈

「良い感じですね。じゃあ…………行きましょう!」


私たちはステージの上に立つ。


真瀬志奈

「行きますよ…………。」


私は合図を出して、演奏を開始する…………!



演奏を終える、他の人の反応は…………?


男子生徒A

「…………良い曲を聴いたよ!ありがとう!」


女子生徒B

「とても良かった……!すごいです!」


私たちは拍手喝采に包まれる。そうか……やったんだ……!


凪野雪緒

「……………………。」


矢次由佳里

「良かったわね。」


凪野雪緒

「ああ…………良かった。本当に良かった。」


ステージから降り、私たちは喜びを分かち合った。


真瀬志奈

「やりましたね!綿垣さん!」


綿垣キョウゴ

「ああ、真瀬のおかげだ。何ていえば良いのか…………。」


真瀬志奈

「何も言わなくて良いんですよ!本当に…………ありがとうございました。」


綿垣キョウゴ

「ああ、これからも…………よろしくな!」


真瀬志奈

「はい!」


そして…………数日後。



会議室



私たちは都内某所の会議室にいた。いよいよ声優さんと対面して、楽曲を聴いてもらう日になった。綿垣さんはいつになくドキドキしている。


真瀬志奈

「綿垣さん。緊張してますか?」


綿垣キョウゴ

「ああ。…………少しだけな。」


そんな話をしていると、ドアからノック音が鳴る。


真瀬志奈

「開けますね。」


ドアを開けると、声優さんと声優さんのマネージャーらしき人物がいた。


真瀬志奈

「お久しぶりです。今日はよろしくお願いします。こちらは今回の楽曲に携わっていただけた、綿垣キョウゴさんです。」


私が紹介をすると、綿垣さんも立ち上がり、自己紹介を始める。


綿垣キョウゴ

「はじめまして。綿垣キョウゴと言います。今回はよろしくお願いいたします。」


綿垣さんは冷静に自己紹介をした。すると、声優さんは綿垣さんの手を握り、固い握手をしてくれた。


綿垣キョウゴ

「あ、ありがとうございます。」


綿垣さんはすごく嬉しそうに握手をしながら、頭を下げた。


そのあと、私たちは席に座り、さっそく本題に入った。


真瀬志奈

「では早速ですが、音源を聴いてください。」


綿垣キョウゴ

「その前に…………歌詞を見てから、音源を聴いてください。」


綿垣さんは声優さんに歌詞の書いた紙を渡す。


声優さんは綿垣さんから渡された歌詞の書いた紙を真剣な様子で見る。


真瀬志奈

「では音源を聴いてください。」


私は音源を聴いてもらう。会議室には聞き馴染みのある音源が流れ、私の中ではここまで来たんだと達成感が増す。


声優さんは真剣な表情で音源と歌詞を確認をする。


音源が終わる。声優さんの反応は…………笑顔で拍手をしてくれた。


真瀬志奈

「ということは…………!!」


声優さんはこの曲を歌うことになった。


真瀬志奈

「ありがとうございます。」


綿垣キョウゴ

「ありがとうございます。」


綿垣さんはお礼を言うと声優さんは再び、握手を求めてくれた。


綿垣キョウゴ

「ありがとうございます…………ありがとうございます!」


綿垣さんはとても嬉しそうだ。


そして、本題が終わると、その日は解散となった。



六郭星学園 Bクラス教室



真瀬志奈

「乾杯。」


私たちはノルマを達成したお祝いにコーラとモンブランで乾杯をする。


真瀬志奈

「頑張りましたね。」


綿垣キョウゴ

「ああ。…………モンブランが口についているぞ。」


真瀬志奈

「あ、またですね。」


綿垣キョウゴ

「ほら。ハンカチ。拭いてやる。」


私は綿垣さんの水色のハンカチで口を拭いてもらった。


真瀬志奈

「これで何回目でしょうかね?」


綿垣キョウゴ

「そうだな…………。」


真瀬志奈

「でも…………いつもありがとうございます。」


綿垣キョウゴ

「ああ。これからも…………な。」


真瀬志奈

「はい!これからもよろしくお願いします。」


そして、かれこれ数週間が経ち、大事な行事が始まる。



六郭星学園 大講堂



SクラスからKクラスまで全クラスの生徒がずらりと並ぶ。


凪野雪緒

「ただいまより、六郭星学園卒業式を行います。」


卒業式が始まる。1年間ではあるが、このクラスに出会えてよかったと実感する。


1人1人名前が呼ばれていく。


凪野雪緒

「土原ガク。」


土原ガク

「はーい!!」


凪野雪緒

「雪谷マコト。」


雪谷マコト

「はい。」


凪野雪緒

「綿垣キョウゴ。」


綿垣キョウゴ

「はい。」


仲の良かったみんなが呼ばれていく。

そして私も呼ばれる。


凪野雪緒

「真瀬志奈。」


真瀬志奈

「はい。」


そうか……卒業するんだ……。そう思うと悲しみに溢れていく……






凪野雪緒

「以上で卒業式を終了いたします。」


そして、あっという間に卒業式が終わる。

本当にあっという間だった。卒業式も学校生活も。


ただ……唯一の救いは……。


綿垣キョウゴ

「みんな同じ大学に進学するのか…………。」


土原ガク

「まさかだよねー!!」


雪谷マコト

「しかも期末テストの上位50人が同じ大学とは…………。不思議なものですね。…………でも、よろしくお願いします。」


土原ガク

「そういえば今日だよねー!!キョウゴの曲が歌われるのは。」


真瀬志奈

「はい。今からワクワクです。」


雪谷マコト

「2人で聞くんですよね。邪魔をするわけにはいきませんからね。」


綿垣キョウゴ

「ああ。2人ともすまないな。真瀬。屋上で聞くぞ。」


真瀬志奈

「屋上ですか?…………構いませんが。」


綿垣キョウゴ

「ありがとう。…………じゃあ、屋上で。」


真瀬志奈

「はい。」


私はその前に寮に一旦戻る。



六郭星学園寮 志奈・アケミの部屋



真瀬志奈

「屋上へ行きますか…………。」


錦戸アケミ

「行ってらっしゃい。」


真瀬志奈

「錦戸さん。はい。行ってきます。」


錦戸アケミ

「しかし…………キョウゴのやつ、まさか…………。」


真瀬志奈

「………………?」


錦戸アケミ

「ううん。何でもない。改めて行ってらっしゃい!」


真瀬志奈

「はい!」


私は錦戸さんの後押しで、屋上へ向かった。



六郭星学園 屋上



真瀬志奈

「綿垣さん!」


綿垣キョウゴ

「しっ…………。もうすぐ始まる。ほら…………。スマホから音源が流れる。」


私はスマホの音をじっくりと聞く。


男性声優

「では…………この思い。あなたに届け!!」


声優さんはそう言うと聞き馴染みの音楽が流れる。



曲が終わる。ああ…………綿垣さん。もしかして…………。


綿垣キョウゴ

「聞いたか?歌詞を…………。」


真瀬志奈

「はい。じっくり聞きました。」


そう言うと綿垣さんは私の前に跪く。


綿垣キョウゴ

「志奈。」


真瀬志奈

「綿垣さん…………?」


綿垣キョウゴ

「俺は…………まだ完全に悪い噂が消えたわけでもない。けれど、そんな俺に守りたいものができた。…………志奈。君だよ。俺は君の笑顔を守りたい。…………俺と…………付き合ってくれませんか?」


真瀬志奈

「綿垣さん…………。」


私は迷うことはなかった。


真瀬志奈

「私で良いんですね。」


綿垣キョウゴ

「志奈!」


真瀬志奈

「よろしく…………キョウゴ。」


綿垣キョウゴ

「ああ…………ああ。」





虹谷サイ

「くそ…………彼も違うのか。他の誰かか…………他を探すか。」


綿垣キョウゴ編 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ