表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 綿垣キョウゴ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

161/375

第3章 若竹色の草木(綿垣キョウゴ編)後編

私たちは綿垣さんのいるところへ着いた。


真瀬志奈

「この部屋ね。凪野先生が言っていた部屋は…………。」


真瀬莉緒

「そうだよ。ここがキョウゴのいる部屋だ。鍵は先生からもらっているよ。開けるならノックしてから開けてね。」


真瀬志奈

「ええ…………。」


私はノックをする。


真瀬志奈

「綿垣さん。私です。真瀬志奈です。」


綿垣キョウゴ

「……………………真瀬?」


真瀬莉緒

「僕もいるよ。アケミもいる。」


綿垣キョウゴ

「みんな…………。」


真瀬志奈

「ドア…………開けますね。」


私は鍵を使ってドアを開ける。


部屋に入ると綿垣さんがいる。こうして綿垣さんと会うのは久しぶりになる。


真瀬志奈

「綿垣さん…………ストーカーは逮捕されました。もう大丈夫です。」


綿垣キョウゴ

「……………………。」


真瀬志奈

「これで綿垣さんの悪い噂は無くなると思います。」


綿垣キョウゴ

「…………わかった。」


綿垣さんはゆっくりと頷く…………。


綿垣キョウゴ

「錦戸…………。」


錦戸アケミ

「……………………。」


綿垣さんは頭を下げた。


綿垣キョウゴ

「すまなかった…………。ストーカーがいると知っていて何もできなかった…………。俺はもう…………逃げない。」


錦戸アケミ

「キョウゴ…………その言葉を待っていたの。」


綿垣キョウゴ

「錦戸…………。」


錦戸アケミ

「うん…………まだわからないけれど、今のあなたなら信じれる。これからも…………よろしく。」


綿垣キョウゴ

「ああ。よろしく。」


真瀬莉緒

「良かった…………。」


どうやら2人の問題も解決できたようだ。


しかし…………わりかし綺麗な部屋にいたみたい。私たちの部屋よりも広い。


窓の近くには楽器が置かれていた。その近くには楽譜があった。


真瀬志奈

「あれ…………?この譜面って…………。」


綿垣キョウゴ

「ああ、1人でいる間に、声優さんに提供する曲を演奏していた。アレンジも色々している。少し聞いてもらえるだろうか?」


真瀬志奈

「もちろんです。聞かせてください。」


綿垣キョウゴ

「ああ…………。」


真瀬莉緒

「それじゃあ、僕たちはお暇させてもらうよ。演奏はあとの楽しみにしているから。」


そう言い、莉緒と錦戸さんは部屋から寮の方へ戻った。


綿垣キョウゴ

「じゃあ…………聞いてくれ。」


私は綿垣さんの演奏をじっくりと聞く…………私には思いつかなかったアレンジだ。このアレンジは今までの曲を超えれる…………!


綿垣キョウゴ

「真瀬…………どうだ?」


真瀬志奈

「完璧です!…………私に演奏できるかはわかりませんが…………。」


綿垣キョウゴ

「そんなことはない。演奏してみろ。俺がレクチャーすれば良い。」


真瀬志奈

「…………わかりました。では…………お願いいたします。」


私は綿垣さんのアドバイスを受けながら演奏をしてみる…………



演奏が終わった…………すごい…………!


真瀬志奈

「弾けました…………!なんでも弾けるとは言ったものの、この技術は取得していなかったので…………。」


綿垣キョウゴ

「そうだったのか。…………それなら良かった。」


真瀬志奈

「ありがとうございます。おかげで自分の限界も知りました。」


綿垣キョウゴ

「礼を言うのはこっちだ。…………ありがとう。」


真瀬志奈

「綿垣さん…………。」


…………あたりを見ると楽譜以外にも何かを書いてある様子があった。


真瀬志奈

「これは…………楽曲の歌詞ですか?」


綿垣キョウゴ

「ああ、この楽曲の歌詞を書いていた。ベランダから見える景色と真瀬のことを考えたら、色々と思いついてな。」


真瀬志奈

「ベランダ…………?」


私はベランダを見るとそこには若竹色の草木が生えており、その向こうにはネオンの光る街並みが見える。


真瀬志奈

「綺麗…………。」


綿垣キョウゴ

「まだ未完成ではあるが、俺は絶対にこの曲の歌詞を作る。そう決めたんだ。」


真瀬志奈

「綿垣さん…………。…………わかりました。歌詞はお任せします。」


綿垣キョウゴ

「ああ、任せてくれ。きっと良い曲になると思う…………。真瀬。」


真瀬志奈

「………………?」


綿垣キョウゴ

「俺でよければ…………これからもよろしく頼む。」


真瀬志奈

「……………………はい!」


こうして綿垣さんを悩ませた、ストーカー事件は無事に解決した。


あとは…………みんなが迎え入れてくれるかどうか…………。


その答えは明日わかるはず…………。



六郭星学園 Bクラス教室



翌日…………私は誰よりも早く教室にいた。雪谷さんと土原さんと一緒に。


雪谷マコト

「大丈夫ですかね…………?」


真瀬志奈

「大丈夫です。…………多分。」


クラスの女子生徒たちが、次々とやってきた。綿垣さんはまだ来ていない。


土原ガク

「やっぱり来ないのかな…………?」


いつになく土原さんも落ち込み気味になっている。


結局チャイムが鳴り、凪野先生が教室に入ってきた。


諦めたとき…………


凪野雪緒

「入って良いぞ!」


凪野先生がそう言うと、綿垣さんが教室に入ってきた。


綿垣キョウゴ

「失礼します…………。」


真瀬志奈

「綿垣さん…………!」


私は女子生徒の反応を見る。



…………1人の女子生徒が拍手する。すると次第にクラスメイトのみんなが拍手する。


綿垣キョウゴ

「みんな…………。」


真瀬志奈

「良かった…………。」


クラスのみんなは受け入れてくれた。本当に嬉しい。こっちまで嬉しくなる。


凪野雪緒

「良かったな!」


綿垣キョウゴ

「はい…………。」


これで綿垣さんも楽しく学生生活を送れる…………。


あと数か月の学生生活を満喫する…………!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ