第3章 若竹色の草木(綿垣キョウゴ編)前編
秋。綿垣さんの謹慎から数日が経とうとしている。私はある決意をしようと考えていた。
雪谷マコト
「本当にやるんですか?」
真瀬志奈
「はい。私は綿垣さんのイメージや悪い噂を払拭します。」
土原ガク
「志奈ちゃん!頑張っているね!僕も応援しているよー!!」
雪谷マコト
「ガク。まずは落ち着きなさい。」
土原ガク
「はーい!」
雪谷マコト
「真瀬さん。やるからには僕も協力をさせていただきますが、まず何に手をつければ良いのか…………。」
真瀬志奈
「あっ…………。」
そういえば悪い噂になっている原因はまだ何もわからない。要因となっているものを見つけないと…………。
雪谷マコト
「……………………やはり、難しいですかね。ああ、でもキョウゴに聞いてみれば何かわかるかもしれないですね…………。」
真瀬志奈
「でも、先生方の許可が必要になっていますし…………。」
土原ガク
「難しいね……………………。」
土原さんのテンションもだいぶ低くなっている。
何か…………策はないの…………?
私は悩み苦しみ始めたときに、水崎さんたちが教室に入ってきた。
水崎アサヒ
「悩んでいるようだな。志奈。」
真瀬志奈
「水崎さん…………はい。少し悩んでいます。綿垣さんのことが心配で…………。」
水崎アサヒ
「確かにキョウゴのことは私も心配だ。だからこうして協力しようと思ってきたが…………。難しいようだな。」
秋葉サヤ
「そうね…………あっ。」
秋葉さんは何か思いついたようだ、私は秋葉さんに勢いよく聞きだした。
真瀬志奈
「秋葉さん!何か策があるんですか!?」
秋葉サヤ
「えっ…………まあ…………アケミなら何か知っているかもしれないって思ってね…………。」
真瀬志奈
「錦戸さんですか…………?」
水崎アサヒ
「確かにアケミなら何か知っているんじゃないだろうか?聞いてみたらどうだ?…………望みは薄いだろうが…………。」
真瀬志奈
「錦戸さんか…………協力してくれるのかな…………?」
綿垣さんを色々憎んでいるんだ。協力をしてくれるようなことはあるのだろうか?
雪谷マコト
「とりあえず、錦戸さんのところに行きましょう。…………全員で行きますか?」
秋葉サヤ
「マコトくん。さすがにみんなでは…………。」
水崎アサヒ
「そうだな。ここは代表して…………志奈に行ってもらおう。」
真瀬志奈
「わ…………私ですか?」
水崎アサヒ
「志奈はルームメイトだろう?この中で1番距離が近いのは志奈だ。…………頼む。」
真瀬志奈
「…………わかりました。では行ってきます。」
雪谷マコト
「お願いいたします。どうかご無事で…………。」
真瀬志奈
「……………………はい。」
私は色々な期待を任せられ、自分の部屋に向かった。
六郭星学園寮 志奈・アケミの部屋
部屋に入る…………錦戸さんは…………いた。
真瀬志奈
「錦戸さん。」
錦戸アケミ
「…………どうしたの?」
真瀬志奈
「今日は折り入って話があります。」
錦戸アケミ
「……………………。」
真瀬志奈
「綿垣さんのことです。綿垣さんの悪い噂…………何か知っているんじゃないですか?」
錦戸アケミ
「……………………。」
真瀬志奈
「教えてください。知っているのなら。」
私は少し、詰問気味に問いかける。すると錦戸さんは重い口を開く。
錦戸アケミ
「勝負。」
真瀬志奈
「えっ…………?」
錦戸アケミ
「勝負して勝ったら教えてあげる。キョウゴの秘密を…………!」
真瀬志奈
「錦戸さん…………わかりました!」
錦戸さんが勇気を出して言ったんだ。断るわけにもいかない。そして勝ってみせる!
錦戸アケミ
「それじゃあ………………。」
私は勝負に挑む………………!!
勝負は……………………勝った。私は喜ぶことはせず、錦戸さんに話を聞く。
真瀬志奈
「錦戸さん。教えてください。綿垣さんに何で悪い噂が出てきたんですか?」
錦戸さんは躊躇いを抱きながらも、勇気を持って、答える。
錦戸アケミ
「ストーカー……………………。」
真瀬志奈
「ストーカー?綿垣さんにストーカーがいるんですか?」
錦戸アケミ
「ええ、本当よ。キョウゴも知っているはず。」
真瀬志奈
「それなら、綿垣さんは何で警察に通報しないんですか!」
錦戸アケミ
「……………………わからない。でも、私はそれが許せなかった。そのまま放っておいて、関係ない子がひどい目に遭うのが…………!」
真瀬志奈
「それで…………綿垣さんを憎んだんですか…………?」
錦戸アケミ
「ええ…………。でも、どうしてストーカーがいるのかはわからないけど…………。」
真瀬志奈
「そうですか…………でも…………教えていただきありがとうございます。これで…………綿垣さんを救えます。」
錦戸アケミ
「それって…………どういうこと?」
真瀬志奈
「簡単ですよ。ストーカーを捕まえるんですよ。」
錦戸アケミ
「ストーカーを!?そんなことができるの?相手はなかなかの武力よ!」
真瀬志奈
「それは大丈夫です。秘策があります。」
錦戸アケミ
「教えて。私も協力する。」
私は錦戸さんに秘策を説明をした。錦戸さんはゆっくりと頷いた。
錦戸アケミ
「わかったわ。やってみましょう。」
真瀬志奈
「お願いします。綿垣さんを救うために…………。」
錦戸アケミ
「もちろんよ。そのためにはみんなにも協力してもらわなくちゃ。」
真瀬志奈
「はい…………。」
私たちは教室へ再び向かう…………。