第2章 黒鍵盤を弾き終えて(雪谷マコト編)後編
私たちは模擬店を色々巡ったあとに、莉緒のクラスのやっている、執事・メイド喫茶に行くことにした。
まずは焼きそばを売っている、Kクラスに向かうことにした。
六郭星学園 Kクラス教室
焼きそばを売っている、Kクラス教室に来た。
焼きそばの売っている子は、星野シキア(ほしの しきあ)さんだった。
星野シキア
「いらっしゃい。焼きそば。何個いる?」
真瀬志奈
「はい。4つお願いします。」
星野シキア
「了解。ちょっと待っててね。」
星野さんは焼きそばを4つ持ってきてくれた。
星野シキア
「はい。ゆっくりしてってね。」
私たちは星野さんから焼きそばを受け取った。
真瀬志奈
「いただきます。」
私たちは焼きそばを頬張る。
雪谷マコト
「なかなか美味しいですね。星野さん。美味しいですよ。」
星野シキア
「ありがとう。でも褒めても何も出ないわよ。」
雪谷マコト
「わかっています。…………でも美味しいです。」
星野シキア
「ふふ…………。」
みんなは食べ終わり、教室から出ようとする。
土原ガク
「ごちそうさま!!じゃあねー!!」
星野シキア
「あ、うん。ありがとう。」
星野さんも土原さんのテンションに慣れているのだろう。星野さんと同じクラスの古金ミカ(こがね みか)さんと似たような性格だからだろう。
次に僕たちはIクラスに向かうことにした。
六郭星学園 Iクラス教室
Iクラスはたこ焼きをやっている。店番は美園エリカ(みその えりか)さんだ。
美園エリカ
「ふっふっふ…………。いらっしゃい。ようこそ我が教室へ!」
真瀬志奈
「ああ…………はい。どうも…………。」
この人は中二病の疑惑があるとは聞いたことがある。きっとそうなんだろう。
美園エリカ
「…………で。何にするの?」
真瀬志奈
「まあ…………たこ焼きで。」
美園エリカ
「はい。了解。」
私たちは提供されたたこ焼きを食べる。
真瀬志奈
「美味しいですね。」
雪谷マコト
「そうですね。…………あ、真瀬さん。ほっぺにソースが付いてますよ。」
真瀬志奈
「本当ですね。…………あ、ハンカチが無い…………。」
制服のポケットを色々探すも、見つからない。すると…………。
雪谷マコト
「はい。もしよければどうぞ。僕のハンカチですが…………。」
真瀬志奈
「あ、ありがとうございます!」
雪谷さんは緑色のハンカチを私に渡す。
しかし、私の両手は塞がっている。
真瀬志奈
「雪谷さん。申し訳ありませんが拭いてもらえませんか?」
雪谷マコト
「…………僕がですか?…………わかりました。」
雪谷さんは申し訳なさそうに私の頬をハンカチで拭く。
真瀬志奈
「ん…………。」
雪谷マコト
「はい…………。もう大丈夫ですよ。」
真瀬志奈
「ありがとうございます。」
雪谷マコト
「はい…………。」
綿垣キョウゴ
「終わったか?…………人様の前でこういうことはあまりしない方が良いぞ。」
土原ガク
「そうだねー!気をつけた方が良いよ!」
真瀬志奈
「あ…………。」
雪谷マコト
「すみません…………以後気をつけます。」
美園エリカ
「美味しかったかしら?じゃあ…………またどこかで会いましょう。」
真瀬志奈
「…………はい。」
私たちはIクラスをあとにした。
六郭星学園 Sクラス教室
Iクラスをあとにした私たちは今度はSクラスに来た。Sクラスは最上級クラスかつ生徒会が在籍しているクラスだ。
そんなクラスがやる出店は…………。
真瀬志奈
「お化け屋敷…………。」
綿垣キョウゴ
「よし。行くぞ…………。」
土原ガク
「よーし!!行くよー!!」
綿垣さんと土原さんはお化け屋敷に入って行った。
真瀬志奈
「……………………。」
雪谷マコト
「どうしましたか?」
真瀬志奈
「いや…………その…………。」
雪谷マコト
「もしかして…………お化け屋敷が苦手なんですか?」
真瀬志奈
「だ…………大丈夫ですよ!このくらい…………あっ!」
私の片手を雪谷さんが掴んだ。
真瀬志奈
「雪谷さん…………?」
雪谷マコト
「無理してはいけませんよ。ここで一緒に待ちましょう。」
私はその言葉と雪谷さんの男気にドキッとした。雪谷さん…………。
そのとき…………。
目の前に提灯お化けが落ちてきた。
真瀬志奈
「……………………。」
雪谷マコト
「真瀬さん…………?………………真瀬さーん!!」
??
「いや…………本当にごめん。お化け屋敷の外にも仕掛けがあるなんて言ってなかったから…………。」
意識を失っていた私は、目が覚めると生徒会副会長の崎盾ジュン(さきだて じゅん)さんが謝っていた。
真瀬志奈
「いえ…………お気になさらず…………。」
崎盾ジュン
「今度から気をつけるよ…………。君たちの仲間も戻って来たみたいだし……文化祭を楽しんでね。」
真瀬志奈
「ありがとうございます。楽しみます。」
そう言って、まだ重たい足を頑張って、動かしお化け屋敷をあとにした。
六郭星学園 Hクラス教室
いよいよお目当ての莉緒のクラスにやってきた。綿垣さんはホットドッグの手伝いのため離脱し、3人で教室に入る。
教室に入ると、サヤたちがメイドの格好で迎え入れてくれた。
秋葉サヤ
「いらっしゃい。どうぞこちらへ。」
私たちは案内された席に座り、バナナジュースで乾杯をした。
しばらくすると莉緒が私たちのところにやって来た。
真瀬莉緒
「姉さん、どうだい?執事・メイド喫茶は?」
真瀬志奈
「なかなか面白いわね。良いと思うわよ。」
真瀬莉緒
「ああ、ありがとう。」
莉緒がそう言うと、フライドポテトが運ばれてきた。
真瀬莉緒
「それじゃあ、ゆっくりと。」
土原ガク
「いただきまーす!」
真瀬志奈
「うん。美味しいですね。」
雪谷マコト
「はい。そうですね。」
私たちは雑談をしばらくしていると、今度は課題の話になった。
真瀬志奈
「課題…………あれから何か閃きましたか?」
雪谷マコト
「そうですね…………。」
真瀬志奈
「やっぱり難しいですね…………。」
そんな話をしていると、土原さんがこんな話をし始めた。
土原ガク
「いっそのこと、練習しちゃえば良いんだよ!」
雪谷マコト
「練習ですか…………?」
土原ガク
「せっかくだから、この教室のピアノを借りて、演奏してみなよ!彼もいるし!」
真瀬志奈
「莉緒のことですか?」
土原ガク
「うん!さあ、せっかくだから!」
私は言われるがまま、ピアノの椅子に座り、雪谷さんはその間に莉緒たちに許可を取った。
真瀬志奈
「それじゃあ…………演奏しますね。」
私はピアノで演奏を始めた…………
演奏が終わる。みんなの反応がとても良く、拍手喝采だった。
雪谷マコト
「良かったです。真瀬さん。」
拍手に包まれた私は、少し照れ臭くなった。
雪谷マコト
「真瀬さんのおかげで色々と閃きました。ありがとうございます。」
真瀬志奈
「本当ですか!それは一体…………?」
雪谷マコト
「今日は文化祭ですから、また明日にしましょう。メモしておきますから、今日は楽しみましょう!」
真瀬志奈
「…………はい。」
そう言うと土原さんが雰囲気を切り替える。雰囲気が元に戻ると、私たちも自分の教室に戻ることにした。
六郭星学園 Bクラス教室
真瀬志奈
「ただいま戻りました。」
綿垣キョウゴ
「おかえり。どうだった?」
雪谷マコト
「とても有意義な時間でした。おかげで、良いことが思いつきましたし、何より楽しかったです。」
綿垣キョウゴ
「そうか…………。良かったな。」
真瀬志奈
「はい。」
こうして……楽しく、文化祭を終えた…………。