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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 雪谷マコト編
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第2章 黒鍵盤を弾き終えて(雪谷マコト編)前編

夏。作曲も大事だが、学校行事も大切。

今日はクラス対抗大運動会が行われる。


凪野雪緒

「みんな準備はいいか?1位を目指して頑張ろう!!」


もうすっかり慣れたのかクラスメイトのみんなは「はい。」と言った。


何しろこの大運動会の順位により、2ヵ月後の文化祭の出し物の選択権が変わっていく。1位はもちろん出し物が被ったとしても優先的にこちらが第1希望を通せる。なのでなるべく上位を目指さないといけない。


雪谷マコト

「真瀬さん。頑張りましょう!」


真瀬志奈

「そうですね。頑張っていきましょう!」


土原ガク

「2人は大玉転がしに参加するんだよね!応援しているよー!!」


真瀬志奈

「はい!…………綿垣さんたちは綱引きに参加するんですよね。」


綿垣キョウゴ

「ああ、頑張ってやる。」


綿垣さんが強く言うと、綱引きの準備ができたようで、綿垣さんたちは綱引きのやる場所へと向かう。


対戦相手はHクラス。中でも注目なのは2人の女子生徒だ。


金髪のミディアムヘアなのが錦戸アケミ(にしきど あけみ)。綿垣さんとは知り合いだが、最も綿垣さんを毛嫌いしている。ここ最近は様子がおかしく、怪我の痕がいろんなところについている。


もう1人の青髪ヘアが水崎アサヒ(みずさき あさひ)。Hクラスのリーダー的存在で、クラスメイトからの信頼はとても厚い。土原さんと交流があるが、水崎さんは土原さんのハイテンションに少し抵抗がある。


錦戸アケミ

「ふん…………今日こそは!必ずあなたを…………!」


綿垣キョウゴ

「ふん…………できるのならな…………。」


2人ともバチバチだ。…………一方で土原さんたちは……?


土原ガク

「アサヒー!今日は負けないからねー!!」


水崎アサヒ

「ああ…………望むところだ。」


会話があまり弾んでいない。水崎さんもあのハイテンションにはお手上げなのだろう。


その会話の後、立ち位置に移動してくださいとのアナウンスがあり、出場者は全員立ち位置に移動した。


そしてスタートのピストルが打たれ、両クラス綱を引っ張った。結果は……綿垣さんたちの勝利だった。


2人はやったぞと言わんばかり、嬉しい表情で戻ってきた。


次は私たちの番だ。負けるわけにはいかない。


何しろ大玉転がしには莉緒とサヤが参加する。…………負けるわけにはいかない。


そして…………スタートのピストルが鳴る。


私たちは一生懸命に大玉を転がす…………


そして、結果は…………!!



体育委員

「ゴールしました!!1着はBクラスです!」


真瀬志奈

「やった!やりました!!」


雪谷マコト

「やりましたね。真瀬さん!」


真瀬莉緒

「負けたか…………姉さんはやっぱり強いや。」


秋葉サヤ

「ええ…………。」


1着でゴールした私たちを土原さんたちが迎え入れてくれる。


土原ガク

「おめでとー!!こっちまで嬉しいよ!!」


綿垣キョウゴ

「おめでとう。頑張ったな。」


真瀬志奈

「ありがとうございます。…………頑張りました!」


そしてすぐに結果発表にうつった。


体育委員

「総合結果です。1位はBクラスです!」


真瀬志奈

「やった!みなさんやりましたよ!」


土原ガク

「やった!!おめでとー!!」


雪谷マコト

「やりましたね。」


体育委員

「なお最下位のHクラスには罰ゲームがあります。」


綿垣キョウゴ

「罰ゲーム……?」


体育委員

「罰ゲームを喰らっていただくのはくじ引きで当たりを引いた3名に行っていただきます!」


真瀬莉緒

「うわぁ……嫌だなぁ……」


体育委員

「ではHクラスのみなさん!くじを引いてください!」


Hクラスのみなさんが1人ずつ引いていくそして……


水崎アサヒ

「うわ!?これは……!」


秋葉サヤ

「いやあ……!苦しい……!」


錦戸アケミ

「はぁ…………こうなるなんて……。」


罰ゲームを行なったのは錦戸さんと水崎さん、サヤだった。罰ゲームはシャツの中で風船を膨らます定番のモノだった。


綿垣キョウゴ

「良かった……1位で……。」


真瀬莉緒

「当たらなくて良かった……。」


みるみる大きくなる風船に他のみなさんは驚いた表情で見ている。


雪谷マコト

「ここまで大きい風船を使うとは思いませんでしたね…………。」


土原ガク

「当たっていたらどんなことに…………うわぁ!」


風船が割れた。3人はその場に座り込んだ。


秋葉サヤ

「ふう…………疲れた…………マコトくんも当たらなくて良かったわね。」


雪谷さんはその言葉を聞いて、安堵の様子を浮かべた。



六郭星学園寮 志奈・サヤの部屋



真瀬志奈

「本当に大丈夫?」


秋葉サヤ

「大丈夫…………。うん。でも疲れた…………。」


真瀬志奈

「そう…………なら良いけど…………。」


秋葉サヤ

「そういえば…………マコトくんには曲を聞いてもらったの?」


真瀬志奈

「ああ…………それはまだかな…………。」


秋葉サヤ

「そう…………きっとマコトくんも喜んでやってくれると思うわよ。」


真瀬志奈

「そうね…………雪谷さんは真面目な性格だからね…………。」


秋葉サヤ

「真面目…………?」


真瀬志奈

「サヤ…………?」


サヤは珍しく眉をぴくりと動かした。


秋葉サヤ

「ううん…………なんでもない。とりあえずマコトくんに聞かせてあげて。」


真瀬志奈

「あ、うん。わかったわ。」


サヤの一言に少しだけ不思議に思ったが、私は雪谷さんに音源を聞いてもらうことにした。

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