表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 秋葉サヤ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

123/368

第3章 茶色い枯葉の中に(秋葉サヤ編)前編

秋。あれ以来、ずっと秋葉サヤではなく秋葉サアヤのままだった。なんとか元の秋葉さんに戻ってほしい。

そんな気持ちを抱きながら、僕は雪谷さんたちに相談した。


雪谷マコト

「いや……本当にすみませんでした。」


水崎アサヒ

「私たちがあのまま見守っていたら…………。」


雪谷さんたちが反省をしていると、姉さんがやってきた。


真瀬志奈

「ねえ、水崎さん。申し訳ないけれど、あのサアヤって人格がまたいつこうなるのかわからないから、しばらくあなたたちの部屋にかくまって欲しいんだけれど……。」


水崎アサヒ

「私は構わないが…………アケミの状態がな…………。」


錦戸さんにはまた新たな傷が身体にあった。何かあったのだろうか?


錦戸アケミ

「私は大丈夫。しばらくの間は私の部屋で休んで。」


真瀬志奈

「ありがとう!この埋め合わせはいつかするわね!」


錦戸アケミ

「それより今のサアヤの人格をなんとかしないと…………。」


雪谷マコト

「……………………。」


水崎アサヒ

「やっぱりもっと案を増やすためにあの2人も…………。」


真瀬莉緒

「それは難しいですね…………。綿垣さんは錦戸さんと折り合いがつかないし、土原さんはあの感じで考えないかもしれないですし…………。」


水崎アサヒ

「…………それもそうか。」


雪谷マコト

「サアヤ…………か。」


真瀬莉緒

「雪谷さん。何か知っているんですか?」


雪谷マコト

「…………………………すみません。ここでは言えないです。」


真瀬莉緒

「うーん…………。」


そのあとも何も案が思いつかず、沈黙が続く…………。


何も思いつかないまま、その日は解散となった。



六郭星学園 中庭



しかし…………どうすれば良いんだろう…………。


そう考えていると…………


ギギ……ガガ…………。



真瀬莉緒

「えっ…………。」


ギギ……ガガ…………。


耳鳴り……?くっ……苦しい……!


ギギ……ガガ…………。


真瀬莉緒

「ぐっ……ああああ…………!」


??

「どうした!?大丈夫か!?」


僕が倒れそうになった瞬間に体を支えてくれたのは、凪野先生だった。


凪野雪緒

「大丈夫か?真瀬。」


その言葉でなんとか意識を取り戻すことができた。


真瀬莉緒

「は、はい…………。なんとか…………。」


凪野雪緒

「何か事情があるみたいだな。何か話を聞こうか?」


真瀬莉緒

「…………僕は…………大丈夫です。」


凪野雪緒

「…………真瀬。俺は君の担任ではないけれど、1人で抱え込むな!俺たちがいるじゃないか。」


真瀬莉緒

「凪野先生…………!」


そう言われて僕は職員室で話を聞いてもらうことにした。



六郭星学園 職員室



矢次由佳里

「なるほどねえ…………人格がねえ…………。」


真瀬莉緒

「ええ、どうしたら良いのか…………。」


僕は職員室に行き、矢次先生と凪野先生に話を聞いてもらった。


凪野雪緒

「真瀬はどうしたら良いと思っているんだ?」


真瀬莉緒

「僕は…………元に戻って欲しいです。」


矢次由佳里

「そう…………そのためにはどうすれば良いのか…………ね。」


凪野雪緒

「そうだな…………1度会ってみたらどうだ?サアヤという人格に。」


真瀬莉緒

「お、おうう…………。」


サアヤに会うのか…………ちょっと不安だ。


矢次由佳里

「大丈夫よ。私たちがついているから。」


凪野雪緒

「ああ。俺たちで良ければな。」


真瀬莉緒

「先生…………よろしくお願いします!」


そういうと僕たちはサアヤのいる寮へ向かう。



六郭星学園寮 志奈・サヤの部屋



僕はサアヤのいる部屋の前に来た。先生たちと。


僕は恐る恐るドアをノックし、部屋に入る。


ドアの前に先生方は待機をすることになった。



部屋にはサアヤがいた。


秋葉サアヤ

「うふん…………莉緒くん…………来てくれたのね。」


真瀬莉緒

「……………………。」


秋葉サアヤ

「私じゃダメなのぉ…………?」


真瀬莉緒

「…………ダメです。僕はサヤの方が好きです。」


秋葉サアヤ

「……………………。」


ん?…………少しサアヤの様子が変わったぞ…………?


秋葉サアヤ

「そうねぇ…………それなら良いわ。」


真瀬莉緒

「良いって…………?」


秋葉サアヤ

「強行突破よ。」


そう言うとサアヤは僕をベッドに押し倒した。


凪野雪緒

「真瀬!!大丈夫か!?」


先生方が入ろうとするがいつの間にか鍵がかけられていた。


秋葉サアヤ

「邪魔な奴ら…………莉緒くんの邪魔をするなんて…………。」


真瀬莉緒

「先生方は邪魔なんかしてない!」


秋葉サアヤ

「どうだか…………。」


僕は抵抗をするものの、サアヤの力はとても強かった。秋葉さんの力がこんなにもあるなんて…………。


何も抵抗できないまま僕の右耳にサアヤが囁く。


秋葉サアヤ

「邪魔者はいない。あなたと私だけの時間…………。」


真瀬莉緒

「うっ…………あぐう…………」


サアヤの舌先が僕の右耳を触れる。


真瀬莉緒

「うわあ!!」


僕は経験したことない出来事に戸惑いを隠せない。


日比谷直輝

「そこまでだ!!」


日比谷先生の声が聞こえた。いつの間にかドアが開いていた。日比谷先生が合鍵を持って来てくれたんだろう。


日比谷直輝

「秋葉…………何をやったかわかっているな。」


秋葉サアヤ

「やだねぇ……私は遊んでいただけなのよ。」


日比谷直輝

「…………くっ。今回は大目に見てやるが次はこうはいかないからな。」


日比谷先生がサアヤに釘を刺す。


秋葉サアヤ

「ふぅ…………やれやれだわ…………。」


サアヤは部屋から出ていく。今、外に出すのは危険すぎると思ったが、今は心を落ち着かせよう。


日比谷直輝

「真瀬…………大丈夫か?」


真瀬莉緒

「はい…………なんとか。」


日比谷直輝

「無理はするな。由佳里と雪緒もいる。」


矢次由佳里

「莉緒。サヤはきっと元に戻るから大丈夫よ。」


凪野雪緒

「ああ、俺たちがついているからな!」


真瀬莉緒

「先生方…………ありがとうございます。」


僕は右耳を拭き、サアヤを探すことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ