第1章 菜の花色の夕焼け(浅越ハルト編)後編
小鳥遊カルマ
「なあ、せっかく2人はペアになったんだから、どこかに行ってみるのはどうだ?」
浅越ハルト
「どこかへ?ああ…………悪くはないな。」
風亥ノクア
「行くとしたら…………六郭星ランドかな?」
六郭星ランド…………ここの地域ではかなりの大型の遊園地だ。浅越さんと遊園地。少し不安かもしれない。
浅越ハルト
「2人で遊園地は少しハードルが高くないか?」
風亥ノクア
「ああ、それなら4人で行こうか。」
浅越ハルト
「それが良い。志奈も少しは不安がなくなるだろう。」
真瀬志奈
「え、いや、その…………。」
浅越ハルト
「ふっ…………大丈夫だよ。気にしていないから。」
浅越さんはうっすらと笑みを浮かべながら、そう言ってくれた。怒っていないかと思っていたので少しホッとしている。
小鳥遊カルマ
「決まりだな。放課後、4人で六郭星ランドに行こう。スキンシップを兼ねてだな。」
風亥ノクア
「ああ、これで楽しみが増えたよ。ありがとう。」
真瀬志奈
「皆さん、よろしくお願いします。」
浅越ハルト
「そんなにかしこまらなくても良い。ゆったりと行くんだから。」
真瀬志奈
「は、はい…………。」
そうして、私たちは授業を受けて、放課後を迎えた。
放課後…………
六郭星ランド
私たちは六郭星ランドに来た。六郭星学園のすぐ近くにある遊園地で、六郭星学園の学生もよく出入りをしている。私はここに来るのは初めてだから、ほんの少しだけドキドキしている。
真瀬志奈
「ここが、六郭星ランド…………。」
風亥ノクア
「さあ、何のアトラクションに乗ろうか?」
小鳥遊カルマ
「まずはジェットコースターだろう。さ、行こうか。」
浅越ハルト
「い、いや…………ジェットコースターはちょっと…………。」
風亥ノクア
「絶叫マシーン系はダメなのか?無理知恵はしないから安心しろ。」
浅越ハルト
「…………すまないな。少し、苦手なんだ。観覧車にでも乗る。」
観覧車…………私も乗りたい。でも2人きりか…………。まぁ、不安はあるけれど、せっかくの機会だから、スキンシップを取らないと…………!
真瀬志奈
「じゃあ、私と浅越さんは観覧車に乗りますので、お二人はジェットコースターに乗ってください。」
そう言うと2人は承諾して、ジェットコースターへと向かった。
浅越ハルト
「良いのか?2人で観覧車って…………。」
真瀬志奈
「課題のペアですから、スキンシップを取ろうと思ってまして……。」
浅越ハルト
「…………まぁ良い。観覧車に乗るぞ。」
私たちは観覧車のある場所に行くことにした。
観覧車前
観覧車についた。幸いにも人はおらず、私たちが先頭になった。
スタッフ
「次の方はこちらの白いゴンドラに乗ってください!」
真瀬志奈
「あ、はい。すみません…………。」
浅越ハルト
「白いゴンドラか…………。」
真瀬志奈
「えっ?何か言いましたか?」
浅越ハルト
「いや、何でもない。さ、乗ろうか。」
真瀬志奈
「そうですね。ではよろしくお願いします。」
私たちは白いゴンドラに乗り込んだ。
ゴンドラはどんどん空高くまで回り、ようやく1番高いところまで回った。
あたりはすっかり黄色い夕焼けに包み込まれていた。
真瀬志奈
「綺麗…………。」
浅越ハルト
「綺麗…………か。」
真瀬志奈
「はい。黄色い感じがとても綺麗でうっとりします。」
浅越ハルト
「君は黄色が好きなのか?」
真瀬志奈
「そうですね……黄色も好きですけど、他に色も好きですよ。……浅越さんは好きな色とかあるんですか?」
浅越ハルト
「ああ、俺は白が好きなんだ。」
真瀬志奈
「白ですか!良いですね!私も白は好きですよ。」
浅越ハルト
「ああ、基本的に白にできるものは白にしたいんだ。今回もこのゴンドラも白いゴンドラだから、とても気分が良い。」
真瀬志奈
「そうなんですね。それは良いことだと思います。…………でも何か腑に落ちなさそうな顔ですね?」
浅越ハルト
「ああ、櫻井のやつも白が好きで…………ちょっと悩んでいるは悩んでいるな。」
真瀬志奈
「そういえば、シオンも白が好きって言ってましたね。」
浅越ハルト
「ああ。…………せっかくの機会だ。まだ何か聞きたいことがあるなら聞いてくれ、話せる範囲で答えるよ。」
真瀬志奈
「そうですね…………浅越さんは学者になることが夢なんですか?」
浅越ハルト
「それか…………まぁ…………学者になることは夢ではあるな。」
真瀬志奈
「学者になろうとしたきっかけは?」
そう言うと、浅越さんはぴくりと眉をひそめたが、冷静に答えた。
浅越ハルト
「それは…………言えない。」
真瀬志奈
「そうですか…………。わかりました。話せるときが来たら教えてください。」
浅越ハルト
「そのときが来たら…………な。」
その後、観覧車は1周し、私たちは観覧車を降りた。
風亥ノクア
「あ、おーい!どうだった観覧車は?」
真瀬志奈
「はい。とても有意義な時間でした。」
私は観覧車でのことを振り返り、そう思ったのでありのままのことを伝えた。
小鳥遊カルマ
「浅越。お前はどうだったんだ?」
浅越ハルト
「ああ…………まぁ、息抜きにはなったよ。」
風亥ノクア
「おい。それは真瀬さんに対してどうなんだ?」
浅越ハルト
「…………そうだな。すまない。」
真瀬志奈
「あ、いえ、お気になさらず!」
私は思わず、そう言った。まあ実際、そこまで気にはしていない。
風亥ノクア
「そうか…………そう言うなら気にしないでおくよ。じゃあ、そろそろ帰ろうか。夕暮れが近づいてきているし。」
小鳥遊カルマ
「そうだな。今日は楽しかったよ。ありがとう。」
真瀬志奈
「こちらこそです!ありがとうございました。」
そう伝えて私たちは六郭星学園に戻った。
六郭星学園寮 志奈・シオンの部屋
帰ってきた私がやったことは、声優さんの曲の作成だ。
あの声優さんに適役な曲を作ることに夢中になり、数時間後。
櫻井シオン
「志奈?」
真瀬志奈
「あ、シオン……!」
いけない…………つい夢中になってしまっていた。
櫻井シオン
「それって…………また何か頼まれたの?」
真瀬志奈
「ええ…………まあ。」
真瀬志奈
「そうだ。シオン。ちょっと聞いてみて。」
櫻井シオン
「ええ…………構わないけれど。」
真瀬志奈
「それじゃあ、早速…………。」
私はシオンに演奏を聞いてもらう…………
演奏が終わり、シオンは深く考えている。
櫻井シオン
「…………んー……この演奏ならトロンボーンが欲しいわね。」
真瀬志奈
「あ、やっぱり?」
さすがシオン。指摘は的確だ。
トロンボーンね…………トロンボーン?
そういえば、浅越さんがトロンボーンを吹いていた…………!
それに加えて、課題は演奏トロンボーンを使った演奏をしようと言っていた!
真瀬志奈
「ありがとう……おかげで課題の道筋が見えてきたわ。」
櫻井シオン
「そう。それなら良かった!」
真瀬志奈
「ふふ……ありがとう。」
私はシオンにお礼を言うと、シオンはどこ行くと言って、部屋から出ていった。
私は浅越さんと課題を作曲にするということを話そう。
今日は遊んだので少し疲れた…………私は早めに寝ることにした。