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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第2部 浅越ハルト編
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第1章 菜の花色の夕焼け(浅越ハルト編)中編

六郭星学園 音楽室



翌日になった放課後、私たちは音楽室でトロンボーンを吹くためにここに来た。


浅越ハルト

「ほお……ここが音楽室か。」


真瀬志奈

「かなりの広さですね。」


初めて訪れた音楽室はとても広く、世界のあらゆる楽器が並べられており、さらには音響設備までも取り揃えられている。まあ、私の学校も合併されているのでこれが当たり前だと思う。


浅越さんはちょっと驚いただけで、そそくさとトロンボーンを探し始めた。


浅越ハルト

「さてと…………トロンボーンは…………ああ、あったあった。…………ちょうど2本あるな。よし、君も吹いてくれないか?確かめたいんだ。君が本当に楽器を演奏できるかどうかを…………。」


そう言って、浅越さんはトロンボーンを差し出してきた。


真瀬志奈

「トロンボーンですか…………。わかりました。」


とは言うもののトロンボーンなんて何年ぶりだろう……?私は恐る恐るトロンボーンを吹いてみる。


ああ…………感覚を思い出してきた。私は演奏を思い切ってすることにする。



演奏を終えると、浅越さんは音楽室の広さに驚いたときよりも驚いていた。


浅越ハルト

「…………なかなかだな…………。」


真瀬志奈

「ありがとうございます。」


浅越ハルト

「せっかくだ。課題はトロンボーンを使った演奏にしよう。」


真瀬志奈

「トロンボーンですか?」


浅越ハルト

「…………?…………君は他に何か考えがあるのか?」


真瀬志奈

「い、いえ……別に…………。」


浅越ハルト

「そうか。なら問題ないだろう。よろしく。」


真瀬志奈

「…………はい。」


そう言ってその日は解散となった。



六郭星学園寮



解散したその後…………私は自分の寮の部屋にいた。


部屋は広くリビングとベッドルームが2部屋あり、両方防音になっているらしいのでベッドルームからもう一つのベッドルームからは何も聞こえない。この部屋に2人1組というのがこの寮のルールらしい。


真瀬志奈

「部屋のパートナーはもう来ているのかな?」


私はそういうと部屋のドアを開ける…………。


部屋に入ると、そこには…………


??

「あ!志奈!」


真瀬志奈

「シオン!ルームメイトはあなたなのね!」


ルームメイトの名前は櫻井シオン(さくらい しおん)。前の学校では弟の莉緒のクラスメートであり、私と同じ学校に在籍していた。それもあってかお互いのことはよく知っており、よく音楽のことで相談をすることもしばしばあった。


櫻井シオン

「ええ、志奈。よろしくね!」


真瀬志奈

「こちらこそよろしく!」


私はルームメイトはどんな人なのか不安だったが、シオンだと知り、私はホッとしている。


真瀬志奈

「でも良かったわ…………シオンで。」


櫻井シオン

「互いに気を使わなくて良いからね。」


真瀬志奈

「全くよ。」


櫻井シオン

「でも、偶然ね。課題のペアは莉緒だし、ルームメイトは志奈って、こんなことってあるのね…………。」


真瀬志奈

「本当!?莉緒とペアなの!?」


櫻井シオン

「そうよ。志奈は誰とペアになったの?」


真瀬志奈

「私……?浅越さんって言う人なんだけれど…………。」


櫻井シオン

「え、もしかして…………ハルト?」


真瀬志奈

「知っているの?」


櫻井シオン

「ええ…………まぁ…………。」


真瀬志奈

「ふうん…………。」


櫻井シオン

「まぁ…………頑張ってね。」


真瀬志奈

「うん。ありがとう。」


櫻井シオン

「じゃあ…………私は出かけるから、ゆっくりしててね。」


真瀬志奈

「ええ…………。」


シオンはそう言って、部屋を出た。


真瀬志奈

「はあ…………シオンで良かった。」


私は改めてホッとした。


それにしても浅越さんとシオンは知り合いなのね…………。


そう思うと、少し眠気が…………仕方ない。今日は寝ることにした。



六郭星学園 Cクラス教室



翌日…………教室に行くと、風亥さんたちがすでに教室にいた。


風亥ノクア

「あ、真瀬さん!おはよう!」


真瀬志奈

「おはようございます!」


小鳥遊カルマ

「なあ、部屋のペアはどうだったんだ?…………実はな…………俺と風亥が同じ部屋だったんでな。」


真瀬志奈

「そうなんですね!良かったですね!」


風亥ノクア

「あ、うん…………。それで真瀬さんは?」


真瀬志奈

「はい。櫻井シオンっていう子で、弟の莉緒のクラスメートなのでよくお話をした子でもあるんです。なので少しホッとしてます。」


私がそういうと、浅越さんが驚いた様子で大きな声を出した。


浅越ハルト

「な!?櫻井だと!?」


真瀬志奈

「は、はい…………。」


??

「そうだけど何か問題ある?」


浅越ハルト

「あ!櫻井!」


後ろを向くとそこにはシオンがいた。


櫻井シオン

「ハルト…………あまり無理をし過ぎないでね。妹のまりあのことはきっと大丈夫だから、今は志奈との課題に集中しなさい。」


浅越ハルト

「……………………。」


櫻井シオン

「じゃあね。また会いましょう。」


シオンは言いたいことを言うだけ言って教室を離れた。


真瀬志奈

「浅越さんって妹さんがいたんですね。」


浅越ハルト

「……………………お前らな。…………俺の前で妹の話するなよ!!」


浅越さんは怒鳴り散らして、教室から出て行った。


小鳥遊カルマ

「なんだよ…………。あいつ…………。」


風亥ノクア

「何か事情がありそうだね…………?」


真瀬志奈

「そう見たいですね…………。」


私たちが疑問に思っていると自分のスマホが鳴る。


真瀬志奈

「あ、すみません。」


私は廊下の階段で電話に出ることにした。




真瀬志奈

「はい。真瀬です。…………ああ!お疲れ様です!」


電話の相手は声優さんだった。知り合いのツテで楽曲の作成をよく手伝った関係でよく知っている。


真瀬志奈

「どうかしましたか?」


私は話を聞く。どうやら今度、新しい曲を出すことになったらしく、今回の作曲の依頼を私にお願いすることになったらしい。私は少しの時間迷いが生じたが、せっかくの機会。私はオファーを引き受けることにした。


真瀬志奈

「わかりました。今回の件、よろしくお願いいたします。」


声優さんはとても喜んでくれた。


その後、軽く世間話をして、通話を終えた。



教室に戻ると、浅越さんはまだ帰ってきていない。


風亥ノクア

「おかえり。電話なんだったの?」


小鳥遊カルマ

「風亥。それは身内だけにやれ。」


風亥ノクア

「ああ、ごめんごめん。」


真瀬志奈

「いえ、大丈夫ですよ。それにしても浅越さんはまだ帰ってきてないんですね。」


小鳥遊カルマ

「ああ、あいつ…………頭を冷やしているんじゃないか?…………お、帰ってきた。」


浅越さんの様子は特に変わった様子はない。


真瀬志奈

「浅越さん、すみません。色々と深追いしてしまって…………。」


私は一応、謝った。


浅越ハルト

「…………しかし、櫻井のやつとルームメイトになるとはな……。」


真瀬志奈

「浅越さんはシオンと何か因縁があるんですか?」


浅越ハルト

「…………まぁ、色々とな。」


真瀬志奈

「そうなんですね。…………なるべくシオンのことは言わないようにします。」


浅越ハルト

「ああ、頼む。」


そう言うと小鳥遊さんが、ふとこんなことを言った。

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