第4章 白い雪原で(櫻井シオン編)中編
スキー場
真瀬莉緒
「ついたね。」
櫻井シオン
「ええ、みんな今日はありがとう!」
霧宮ナツハ
「何言っているのよ。こっちこそありがとう。」
美園エリカ
「ふふふ…………早速滑るわよ!」
僕たちは早速リフトに乗る。
4人乗りのリフトだったので、男女に分かれて乗ることにした。
僕はリフト内でこんな話をした。
真瀬莉緒
「それにしても…………みなさん課題とかはもう終わっているんですか?」
風亥ノクア
「ああ、そうだね…………大体は終わっているかな?」
小鳥遊カルマ
「ああ、こっちもそんな感じだ。浅越はどうなんだ?お前はずっといなかったんだから……真瀬の姉が頑張ったんだからな?」
浅越ハルト
「ああ、それに関しては申し訳なかったと思っているよ…………。でもある程度は終わっている。そこまで何も言われなかったよ。」
小鳥遊カルマ
「そうか…………そういえば真瀬。櫻井とはどうなんだ?」
真瀬莉緒
「シオン……?仲良いですよ。」
風亥ノクア
「そうなんだ。お互いにどう思っているのかなって…………。カルマはそう思っているんだよ。」
真瀬莉緒
「ああ、そうですね…………。」
僕は思わず黙り込んでしまった。
シオンとの関係か…………友達ではあるんだけれど意識したことはなかったな。
浅越ハルト
「…………まあ、それぞれ考え方が違うんだろう。ほっといてやれ。」
真瀬莉緒
「はぁ…………どうも。」
僕たちは気まずいままリフトを降りることにした。
女子たちと合流して、とりあえず滑ることにした。
美園エリカ
「ふふふ…………滑るわよ…………!」
そういうと美園さんはスイスイと滑っていく。
みんなもそれを追いかけるように滑っていく。
真瀬莉緒
「みんなすごいな…………。」
あまりスキーをやったことない僕は少しずつ滑るが、徐々にみんなと距離が開いていく。
真瀬莉緒
「みんな見えなくなったな…………。」
急ごうと思っても、勢いよく滑るのは難しい……。
しばらく滑っていると、人影が見える。…………シオンだった。
櫻井シオン
「莉緒。大丈夫よ。私が見守るから!一緒に滑りましょう!」
真瀬莉緒
「シオン!ありがとう。」
僕はお礼を言って、コースを辿る。
櫻井シオン
「そう、その調子!そのまま行くわよ!」
真瀬莉緒
「ああ!」
僕たちはこうして滑り、ふもとまで辿り着きみんなと、無事合流できた。
シオンには感謝しないといけない。
真瀬莉緒
「シオン…………改めてありがとう。」
櫻井シオン
「どういたしまして。…………ねぇ莉緒。あのさ…………」
真瀬莉緒
「……………………?」
櫻井シオン
「私ってさ……どうなの?」
真瀬莉緒
「どうって…………?」
櫻井シオン
「ううん。良いわ。ちょっとナツハたちに色々言われてね。」
真瀬莉緒
「ふうん…………。」
そういえば僕も風亥さんたちに言われたな…………。
真瀬莉緒
「俺も色々、言われたな…………シオンのことどう思うって…………。」
櫻井シオン
「私のこと…………?」
真瀬莉緒
「うん。」
櫻井シオン
「そう…………。」
風亥ノクア
「おーい!2人とも!そろそろいくよ!」
櫻井シオン
「あ、うん!今行くね!」
櫻井シオン
「ごめん。莉緒。この話はまた今度ね!」
真瀬莉緒
「う、うん…………。」
僕たちは風亥さんたちがいるコテージに向かうことにした。
スキー場 ロッジ
真瀬志奈
「莉緒、お疲れ。シオンもありがとう。」
櫻井シオン
「良いのよ。ともだ…………ううん。なんでもない。」
真瀬莉緒
「……………………。」
霧宮ナツハ
「…………?莉緒、どうかしたの?」
真瀬莉緒
「あ、いえ…………なんでもありません…………。」
櫻井シオン
「……………………。」
霧宮ナツハ
「まあいいわ…………さ、ロッジから出ましょう。」
真瀬莉緒
「そうですね。出ましょうか…………。」
スキー場 ロッジ前
スキー場は白い雪で一面を覆っている。
改めて一面の白い雪を見ていると、身体に雪玉が当たる。
風亥ノクア
「おーい!雪合戦しよう!」
真瀬莉緒
「あ、はい!今すぐ行きます!」
僕たちは童心に帰り、雪合戦を楽しむことにした。
雪合戦を楽しみ、僕は一旦、ロッジの階段に腰をかける。
真瀬莉緒
「ふぅ…………久々の雪合戦は楽しいな……。」
すると隣にシオンが座った。
櫻井シオン
「楽しいわね!雪合戦!」
真瀬莉緒
「ああ、そうだね。久しぶりで童心に戻ることができたよ。」
櫻井シオン
「良かった!最初は私たちと一緒に滑ることができないからちょっと不安だったのよ。」
真瀬莉緒
「ああ…………。」
櫻井シオン
「でも、楽しめているなら良かった…………。」
真瀬莉緒
「…………そういえば…………。シオンは雪は好きなの?」
櫻井シオン
「もちろん。なんてったって雪は白いからね!」
真瀬莉緒
「ああ、シオンは白が好きだったんだっけな。」
櫻井シオン
「そうよ。…………懐かしいわね。こんな話をするのも。」
真瀬莉緒
「そういえば、最後に白が好きって話をしたのはラーメンを食べに行った時か。」
櫻井シオン
「あの時は、パートナーが莉緒だから正直、新鮮味がなかったからどうなるかと思った。…………けど、莉緒はかいやも助けてくれたし、ハルトの妹も助けてくれた。それに…………とても充実した1年だった。莉緒…………改めてありがとう。」
真瀬莉緒
「シオン…………良いんだよ。それにまだ課題は終わってないし、声優さんにも音源を聴いてもらってない。まだまだ頑張っていかないと。」
櫻井シオン
「…………そうだったわね!まだ莉緒と楽しめるのね!頑張るわ!」
真瀬莉緒
「ああ、シオン!頑張ろう!」
櫻井シオン
「ええ!」
真瀬志奈
「2人とも!雪合戦の第二ラウンド始めるわよ!」
姉さんが僕たちを呼んでいる。そろそろ戻ることにしよう。
真瀬莉緒
「行こう。」
櫻井シオン
「うん!」
僕たちはスキーや雪合戦を余すことなく楽しんだ。
そして…………数日後。