006
もう我慢出来ない!
と、思った瞬間、
マンションの中にいる子供が目に入った。
その時、とあるメロディーが頭をよぎった。
懐かしくてとても心が躍り楽しくなる曲。
…そうだ。これは怪獣大戦争マーチだ!
その瞬間、俺は思い出した。
目の前にいる人間が誰なのかを!
いけない!止めるんだ!!
全てを理解した俺は必死で抑えようとする
しかし、口元まで来たこいつは
もう止められない!
俺は最後の力で首を真上にあげて。
今まで溜めていた物を一気に空に放出する!
「グオオオオオオオオオオン!!!」
断末魔のような、地響きのような叫びの後
口から青白い怪光線を発射した。
昼にも関わらすその光は眩しいくらい輝き、
光線はそのまま雲に突き刺さり、
そのまま空に吸い込まれていった。
……とても気持ちよかった。
全てを忘れるぐらい。最高だった。
…そっか。俺は完全に怪獣なんだな。
これでは人間とは共存なぞ不可能だ。
だって、俺はまたこの怪光線を
撃ちたくてウズウズしてるんたよ。
再度薄れていく意識。
おそらくこれは最後のチャンス。
俺は最後にしなければいけない事がある…!
俺はマンションの前から立ち去り、
近くにあった高圧変電所に噛み付いた。
体験した事のないショックと痛みが俺を襲う。
死ねるかどうかはわからない。
いや俺は死ななければならない!
ここで死ななければ俺はきっと
たくさんの人間を殺してしまう!
煙と焦げ臭い臭いが周辺を包む。
強靭なこの身体でも耐えられまい。
痛みで堪えていた意識も薄れてきた。
これで…終わる…この地獄からも…
意識が途切れる瞬間、俺は
愛する妻と息子の泣き声を聞いた気がした。
ーーエンド2『二人を守る為に』ーー
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