表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何なのかわからない。アーカイブ  作者: 中松弘子
シーズン死
51/52

第四十八話 崩壊



「会いたかったよ……泉君!」


「弘子……」


 抱きつかれながら、泉は白い丸の中を漂う。弘子は泉に、長い時間抱きついている。


「弘子ちゃん!」


 佐藤が、喜びの声を上げ近寄ってくる。弘子は泉から離れ、佐藤に手を振る。


「佐藤君久しぶり!」


「何で一体、今までどうやって……」


「わからない……気づいたらここにいたの」


「……」


 泉は、まじまじと弘子を見つめている。そして、弘子に話しかける。


「弘子、すまなかった……俺のせいでこんなことに……」


「いや、いいよ。泉君は研究者なんだから、研究に没頭してるのは当たり前じゃん」


「ここから出て、これからお前が行きたがっていた買い物に行こう……な?」


 泉は弘子に、優しく尋ねる。弘子は何故か、顔がくぐもっている。


「どうした弘子……」


「あの……ごめんね。泉君」


「え?」


「もう、私……」


 泉の顔はこわばる。


「手遅レナノ」


 見る見るうちに、真っ白な丸は真っ黒な丸に変化していく。弘子の後ろに、黄色いでかい目が現れる。


「タンパクシツイッパイ……タンパクシツイッパイ……タンパクシツイッパイ……タンパクシツイッパイ……」


 5人の周りを、ささやくような低い声が、たくさん聞こえてくる。5人は、しまったと思った。


「そんな、弘子! 弘子ぉ!」


 泉が、弘子に向かって大声で叫ぶ。弘子は後ろへ遠ざかっていき、その背後に、白い目をしたたくさんの人々が現れる。顔は青白く、皆、呆然と立っている。


「……アキト!!」


 その人々の中に、アキトの姿をヒロは見つける。どうやら全員、今まで何かに襲われてきた犠牲者たちのようだ。


 弘子の横に、白衣を着た白い眼の年老いた男が現れる。


「穴を埋めろ。当日に報告は来ない」


 男は、大声で叫んでいる。弘子は、その男を抱きしめる。


「ヨク頑張ッタネ……」


「違う次元の俺か……」


 泉は呟く。弘子の背後にうっすら、白いワンピースの少女が見える。


「あなたも一緒よ……」


 弘子は、笑顔で泉を見つめる。瞬間、黒い闇は5人を包んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ