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何なのかわからない。アーカイブ  作者: 中松弘子
シーズン死
48/52

第四十五話 転送先



 5人は、どこかの家のリビングに立っていた。


「何だ。ここ……」


 佐藤は、辺りを見回す。目の前には横に長い長方形のテーブルがあり、その右横に、50インチくらいの大きいテレビが、テーブルに向けて置かれてある。テレビでは、お昼のワイドショーが流されている。


「キャー! お化け!」


 ふと、5人の背後から、女性の悲鳴が聞こえてくる。紺の服に、水色のジーンズを履いた、黄色いエプロンの女性が、驚きの表情で、5人の後ろに突っ立っている。真っ赤になった5人を見つめ、手に持っていた衣服の入った籐かごを落とす。


「すみません。出口はどこですか?」


 全身真っ赤な佐藤が、その女性に出口を尋ねる。女性は、震えながら答える。


「あ、あっち……」


 背後にある廊下の先の玄関を指さす。5人は女性に会釈して、そのまま玄関から出ていく。


「はは、ははは……」


 女性は、力なくその場にへなへなと崩れる。5人は、玄関を出て辺りを見回した。


「どうやら……転送に成功したみたいだ」


 辺りは家々が並び、住宅街になっていた。


「とりあえず、どうする。このまま次の場所へ行っちまうか」


 すると、5人の前に、小さな人影が現れる。


「お前ら、うるさいんだよ!」


 目の吊り上がった小さな少年が、5人に向かってキレている。ヒロが急に、叫びだす。


「皆、逃げろ!」


 少年の背後から、大きなひげ面のおっさんの顔が、5人に向かって飛び跳ねてきていた。少年を飛び越え、5人の目の前にドンっと現れる。瞬間、一斉に5人は走り出す。


「やべぇ逃げろ!」


「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!」


 口々に言いながら、一目散に走りだしていく。大きいひげ面のおっさんの顔は、口を開けたり閉じたりしながら、飛び跳ねて、5人の男たちを追いかけていった。


「んまんまんまんまんまんまんまんまんま……」


 5人はそのまま、走り続ける。5人の目の前に、左右に分かれた丁字路が現れ、5人は、右に進む。


「走れ! とにかく、走れ!」


 後ろの巨大なひげ面のおっさんの顔の口から、何かが、這い出てくる。見ると、白いがに股で走るスキンヘッドの化け物が、5人を追って走ってきている。


「気持ちわりぃ!」


 ヒロが走りながら、後ろを向いて叫んでいる。白い人型の化け物は、何かを叫び走っている。


「マエー、テラ! オマ、マテ!」


「何言ってんだよ!」


「あの宇宙人の亜種か……」


 走りながらヒロが叫び、佐藤が疑問を口にする。すると、佐藤の横にいる泉が叫ぶ。


「左に曲がるぞ!」


 左に曲がる横道を見つけ、そこを曲がる。5人はそのまま、走り続けていく。


「何で、走ってんだ俺たち……」


「そうだ! 石を使えよ!」


 横道を曲がった瞬間、佐藤が再び疑問を呟く。小説家が、驚きの声を上げそれに突っ込みを入れる。


「そうだ! あれ……? 石が……ない」


 赤い短パンの右ポケットに手を突っ込み、佐藤は急に青ざめる。泉が驚く。


「嘘だろ!」


 5人の目の前に、行き止まりが現れる。5人は、唖然とする。


「もう……だめだ」


 瞬間、5人の背後から、数発の銃声が鳴り響いた。5人は後ろを振り向き、巨大なおっさんの顔と白い人型の化け物を見る。


 巨大なおっさんの顔と、白い人型の化け物のところどころの部分から、一筋の赤い液体が流れている。そして、次の瞬間


 バンッ!


 物凄い大きな破裂音が聞こえ、目の前の化け物たちが破裂していく。5人は皆、両目を閉じ、再び真っ赤に染まっていく。


「奴らを捕まえろ……」


 黒いスーツにサングラスをかけた男が現れ、5人を、ミリタリーな武装をした人間たちが取り押さえる。5人は叫ぶ。


「痛ってぇ! 痛てぇ!」


「やめろ! この野郎!」


「助けて!」


「うるせぇ!」


 ミリタリーな武装をしている人間の一人が、取り押さえ、暴れている佐藤に向かって叫んでいる。


「……」


「全員捕まえました」


 泉は、黙って前を向いてサングラスの男を見ている。サングラスの男の横に、さっき襲ってきた少年が、手錠をかけられて突っ立っている。


「全員連れてけ!」


 5人と、さっきの少年が、突然現れた黒い長方形の護送車に乗せられていく。ミリタリーの人間が2人、6人を監視するため護送車に乗り込んでくる。


 車は、どこかに向け発進していく。6人は、不安の面持ちで車に揺られている。


 6人は、どこかの場所に運ばれていった。


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