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何なのかわからない。アーカイブ  作者: 中松弘子
シーズン死
47/52

第四十四話 予定不調和



 それから5人は、とりあえずネットカフェに移動することになった。ネットカフェに石を使って戻り、食事をし、ネットで次に向かう場所を探す。


「そういえば最近、よく怪異が起こると言われているアパートがあったな」


「そうだ! 俺もその話、小説で読んだことがあるぞ!」


 ヒロと小説家が、佐藤と泉の後ろで話す。佐藤は、目の前のパソコンで小説家から聞いた住所を入力する。


「確かに、そのアパートは見つかったが、そんな情報は、何も出てこないぞ」


「とりあえず、そこに移動してみよう」


 左にいる泉が、佐藤に頷く。


「わかった」


 佐藤と泉は手をつなぎ、後ろの小説家、ヒロ、少年は佐藤と泉の肩に手を置く。


「行くぞ」


 5人は、そのまま移動する。目の前に、そのアパートが現れる。


「なるほど、このアパートか……」


 5人とも、その場から立ち上がる。二階建ての木造アパートのようで、木の扉が、それぞれ二段に5つずつ横並びに付いている。


「どうする。一部屋一部屋調べていくか」


「いや……」


 すると、一階の一番右端の扉が急に開いた。中から、バーコード頭の青いジャージを着たおじさんが、腹あたりをかきながら出てくる。


「何だあんたら」


 おじさんは、アパートの前に立っている5人に気づく。泉は話す。


「あの、ここに住みたいんですが、ここの管理人はどこにいるんですか?」


「私が大家だよ。何だ借りたいのか」


 大家の男は近づいてくる。佐藤は、泉に小声で話す。


「怪しまれないか」


「やばいかもな」


 泉は小声で佐藤に返し、頷く。


「……はい。うちのここにいるおじさんが、このアパートに住みたいそうなんです」


 後ろの小説家を前に出し、泉は笑顔で大家の男に話す。


「どうも……」


「へぇ~、そうか。わかった。ついてきなさい」


 あっさり大家の男は了承し、ついてくるよう泉と佐藤たちに告げる。皆、大家の後についていく。


「ここが最近空いていてね」


 大家は、右についている階段から二階に上がり、左から二番目の部屋の扉を開ける。部屋の中は物凄くきれいで、外の木造感と全然違う感じだった。


「きれいですね」


 泉が笑顔で話す。すると外で、カラスの鳴き声が聞こえた。


「カァー!」


 見ると、アパートに向かってカラスが飛んできて、そのままアパート前の入り口の所で見えない何かにぶつかった。


「あれ? またカラスのやつ落下したな」


 カラスはアパート前の地面に落下し、大家が様子を見るため外を見る。


「こういうことってよくあるんですか?」


 泉は、大家の男に尋ねる。


「まぁよくあるんだよ。電線か何かに引っかかったのかもな。ハハハハハハハ」


 バーコード頭をなでながら大家が笑う。泉たちは、何かおかしいと思った。


「あっそういえば、鍋に火をかけた所だった。すまないけど、好きに部屋を内見しといて、鍵は私の部屋に持ってきてくれたらいいから」 


 そう言って、大家は部屋を出ていく。残された泉たちは話す。


「これは一体どういうことだ」


「明らかおかしいことが起こってるのに大家は全然気にしてなかったな」


「どこか抜けているのかもしれん」


 小説家が佐藤と泉に告げる。


「多分、ここは禁足地なんですよ」


 ヒロが3人に話す。


「禁足地?」


「はい。ここも小説で読んだんですが、神社か何かを取り壊して建てたアパートのようです」


「なるほど。それならあんな怪異が起こっても不思議はないか」


 泉は納得する。


「なら、ここの可能性があるかもしれないな」


 佐藤は泉に頷く。泉は顎に手を当て少し考える。


 すると、外の方で車が停車する音が聞こえてきた。車のドアが、勢いよく閉められる音が聞こえてくる。


「何だあいつら……」


 佐藤が外に出て呟く。二人の制服姿の警察官が車から降りてきていた。


「ありゃあ偽だな」


 すぐさま、小説家が答える。皆、小説家を驚いて見つめる。


「一回厄介になったことがあるからわかるんだ。あの制服、一昔前のだ」


「どうやら、ヤバいことになりそうだぞ!」


 佐藤が皆に告げ、皆、すぐさま部屋の中に入り部屋の扉を閉める。鍵を内側からかけ、輪になって話し合う。


「どうする……」


「一応、石で別の場所に移動してから改めて来るって方法もあるが、この場合は、一発ここでやってみるか」


 泉は持ってきた瓶を開ける。中には、大木になったアキトから抽出した赤い液体が入っている。


「とりあえず全員、この赤い液体を全身に塗ってくれ。一人一瓶あるからな」


 5つの瓶を全身にかける。そして5人とも、手をつなぐ。


「これで行けるのか」


 佐藤が不安を口にする。すると、部屋の前の扉がドンドン叩かれ始めた。


「おい、開けろ! 警察だ!」


「お前らは警察じゃない!」


 小説家は叫ぶ。


「貴様らいったい何者だ! ここを開けて我々に大人しく捕まれ!」


 ガチャガチャと、ドアノブを回す音が聞こえる。泉は、佐藤に告げる。


「お前、あの四角い石!」


「わかった!」


 握っている左手を外し、短パンのポケットの石を触る。瞬間、5人の体は光り始める。


「開けろ!」


 銃弾が、ドアから5人に向かって飛んでくる。5人の間を銃弾が飛び、後ろの窓ガラスを割る。


「行くぞ!」


 佐藤が叫ぶ。瞬間、部屋の中に偽の制服警官が入ってきた。


「そうはさせるか!」


 しかし、そこには5人の姿はなかった。


「ちくしょう!」


 2人の偽警察官が、大声を張り上げる。そのまま5人は、どこかへ転送されていく。


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