34/52
第三十一話 山好きな老人
テープ再生開始
「……富士山は元気かね?」
「何言ってるのおじいちゃん」
「ん……? 富士山は元気かね?」
「富士山は元気だよ。じっと何も起こらず、いろんな人たちが登山しているよ」
「そうか……」
「おじいちゃん、毎回富士山の事私に聞いてくるよね」
「すまんな……心配なんだ……いつかお前のところにも来るんじゃないかって」
「いつか来る? 富士山が?」
(キィー……)何かを木製の棚から出す音
「ほれ」
「この写真何……?」
「富士山だ……40年前の……」
「この写真がどうしたの」
「約束しとるんじゃ、必ず来るって」
「え……?」
「というか、もう来とる……」
「え!?」
(ピィィィィィィィィィィィィ!)何かの機械音 テープが古すぎて壊れている。
テープ再生終了
ヒロ&アキト’s解説
「富士山は元気かね?」
ヒロ「いきなり何話してんだよジジィ……それよりもここどこなんだよ!」
「……」
ヒロ「ずっと同じようなまっすぐな道で、全然見慣れた場所につかないじゃねぇか……一体どうなってんだ」
「……」
ヒロ「おいジジィ! ここはどこなんだよ!」
「……」
ヒロ「おいジジィ! 聞いてんのか!」
「……」
ヒロ「おいジジィ!」
「富士山……」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ




