第三十話 ある一家惨殺事件について
これは、今まで捜査してきてわかった、ある一家惨殺事件についての捜査記録をまとめたものである。
まず初めに、今回の事件の加害者である○○には、少し、精神的に危ういものがあるように思える。
なぜそう思うのかというと、彼は、深夜に肝試しのため忍び込んだ廃屋で、小さな少女が、目の前を通り過ぎていくのを見たのだという。
しかもそれが、今回の事件を起こすきっかけを作ったのだという。
もちろん、その時間帯に、小さな少女が、深夜の廃屋をうろうろしているなどまったくもってあり得ないだろう。ましてや、その廃屋に住んでいるなんてこと、絶対にない。これは、一種の、脳の障害によるものなのか、薬物をやっているため見た幻覚のようなものだと思う。
次に、被害者である○○一家についてだが、最初は、子供1人、夫婦2人の計3人だと思われたのだが、どうやらそうではなかったらしいことが分かってきた。
隣人の話によると、もう1人子供がおり、その子がいつの間にかいなくなってしまったらしい。
その子は、学校の友人たちに、こんなことを話していることが分かった。
「私は、超能力が使えるのよ」
そう友人たちに話していたらしい。
現に何人かは、その子が、宙に浮くのを見たとか、先生を手を使わず階段から突き飛ばしたとか、色々目撃したらしいのだが、子供の言うことなので信憑性が乏しい。
それに、戸籍にも、色々な資料からも、その一家に、もう1人子供がいるなんてことは書かれていなかった。もしかすると、子供の勘違いかもしれない。
次に、殺された○○夫婦についてだが、その経歴が、いまいち見えてこず、謎が、多い。
ある会社の同僚からの話によると、○○夫婦というのは詐欺を働き、捕まったことがあるという話を聞かされたと言っていた。調べてみると、数年前、○○夫婦の夫○○○○は老人をだまし、老人から、数十万円をだまし取っていた。
捕まってからは、更生し、今の会社の社長に気に入られ、会社勤めをし、○○と結婚したが、会社に勤めるまで、詐欺、コンビニ強盗、押し売りなどの色々な悪行を行い、その都度失敗して、捕まっていた。
他人の子供を、誘拐したこともあると言っていたらしい。
そんな○○であるが、更生してからは、落ち着いて、日常生活を送っていたらしい。今回の犯人の凶行により、一家ともども、帰らぬ人になってしまったのが、何ともかわいそうなものだと思う。
犯人は、事情聴取をしても、天井を見つめてにやけるだけで、何も喋ってはくれない。
いったい、この事件に何が隠されているのか。
それにしても、家の外が騒がしい。何やらこんな時間に、子供たちが遊んでいるようだ。
少女たちの、楽しそうな声が聞こえる。
ヒロ&アキト’s解説
ヒロ「ほんと最近どうなってんだよ」
ヒロ「アキトのこともそうだし、変なこと起こりすぎだろ!」
「フフフ……」
ヒロ「ほんと世の中変なことばっかりだな」
ヒロ「そう思わないか? なぁ!」
ヒロ「……誰に話してんだろ。誰もいないのに……」




