第二十四話 考察廚
「ヒロでーす」
「アキトでーす」
「ヒロ&アキトでーす」
二人の青年が、ある配信サイトで配信をしている。青いトレーナーを着た黒髪おかっぱ頭の男「ヒロ」と、金髪サングラス赤トレーナーの男「アキト」が、目の前に備え付けられたスマホカメラに向かって、ダブルピースをしている。
「それにしてもアキトさん、今日は何を考察していきましょうか」
青トレーナーを着たヒロが、左にいる赤トレーナーのアキトに声をかける。アキトは、オーバーリアクションでそれに返す。
「そうなんです! ヒロさん! 見てください!」
アキトは、後ろに隠していたフリップをカメラの前に出す。そこには、「何なのかわからない」という文字が書かれている。
「何なのかわからない? 何ですかこれは」
「今日は、よくわからない小説作品『何なのかわからない』を考察していきたいと思いまーす!」
アキトがそう宣言すると、ラッパのSEと大量の拍手のSEが配信内で鳴り響く。すると、ヒロがすかさず尋ねる。
「いったい、どういうことですか?」
「実は、最近私たちのSNSに、こういうDMが来たんです」
アキトは、メール文を読み始める。
「拝啓、ヒロ&アキト様、本日はお日柄もよく……」
「いや何だよその文章!」
ヒロがすかさずアキトに突っ込む。
「まぁ要するに、このわけがわからない小説を考察して、どういうことなのか説明してくれってことだ」
アキトはすぐに読むのをやめ、ヒロに答える。フリップを、後ろに隠す。
「まぁそういうことで、この小説、『何なのかわからない』に、解説文を付けることになりました! 皆さん、よろしくお願いしまーす!」
「じゃあなぁ~!」
二人がカメラに両手を振る。瞬間、左にいるアキトが胸を押さえ苦しみ始める。
「……うっうぐ」
白い泡を吹きだし、突然上を見上げる。
「うっうう……ブシャッ!」
口が開き、中から一本の触手が勢いよく飛び出す。白目をむき、アキトは上を向いたまま動かない。
「キィエアアアアアアアアア!」
触手の先には、白い目をしたアキトの顔が、小さくなってついていた。




