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何なのかわからない。アーカイブ  作者: 中松弘子
シーズン参
27/52

第二十四話 考察廚



「ヒロでーす」


「アキトでーす」


「ヒロ&アキトでーす」


 二人の青年が、ある配信サイトで配信をしている。青いトレーナーを着た黒髪おかっぱ頭の男「ヒロ」と、金髪サングラス赤トレーナーの男「アキト」が、目の前に備え付けられたスマホカメラに向かって、ダブルピースをしている。


「それにしてもアキトさん、今日は何を考察していきましょうか」


 青トレーナーを着たヒロが、左にいる赤トレーナーのアキトに声をかける。アキトは、オーバーリアクションでそれに返す。


「そうなんです! ヒロさん! 見てください!」


 アキトは、後ろに隠していたフリップをカメラの前に出す。そこには、「何なのかわからない」という文字が書かれている。


「何なのかわからない? 何ですかこれは」


「今日は、よくわからない小説作品『何なのかわからない』を考察していきたいと思いまーす!」


 アキトがそう宣言すると、ラッパのSEと大量の拍手のSEが配信内で鳴り響く。すると、ヒロがすかさず尋ねる。


「いったい、どういうことですか?」


「実は、最近私たちのSNSに、こういうDMが来たんです」


 アキトは、メール文を読み始める。


「拝啓、ヒロ&アキト様、本日はお日柄もよく……」


「いや何だよその文章!」


 ヒロがすかさずアキトに突っ込む。


「まぁ要するに、このわけがわからない小説を考察して、どういうことなのか説明してくれってことだ」


 アキトはすぐに読むのをやめ、ヒロに答える。フリップを、後ろに隠す。


「まぁそういうことで、この小説、『何なのかわからない』に、解説文を付けることになりました! 皆さん、よろしくお願いしまーす!」


「じゃあなぁ~!」


 二人がカメラに両手を振る。瞬間、左にいるアキトが胸を押さえ苦しみ始める。


「……うっうぐ」


 白い泡を吹きだし、突然上を見上げる。


 「うっうう……ブシャッ!」


 口が開き、中から一本の触手が勢いよく飛び出す。白目をむき、アキトは上を向いたまま動かない。


「キィエアアアアアアアアア!」


 触手の先には、白い目をしたアキトの顔が、小さくなってついていた。


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