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何なのかわからない。アーカイブ  作者: 中松弘子
シーズン壱
2/52

第二話 ともだち



 8がつ8にち


 きょうぼくは、さっちん、むとうくん、きっしー、かっちゃん、こはにかの5にんと、かわで、みずあそびをしました。


 きっしーとかっちゃんは、はしからとびおりてすごかったけど、ぼくは、はしからとびおりないで、はしのよこのみちから、さっちんといっしょにおりておよぎました。


 むとうくんと、こはにかは、それをみていました。



 8がつ11にち


 きょうさっちん、むとうくん、きっしー、かっちゃん、こはにかの5にんは、ぼくのいえのくるまにのって、はなびたいかいにいきました。


 ぼくのいえのくるまは、5にんはのれないので、こはにかはかっちゃんのうえにすわっていました。はなびは、きれいでした。



 8がつ20にち


 きょうぼくは、こはにかといっしょに、いえのなかで、おにごっこをしました。


 こはにかは、ぼくのうちにずっとまえからすんでいるので、いえのなかでかくれるのがうまいです。ぼくもすんでいるけど、なかなかみつけられなくていらいらします。



 8がつ25にち


 きょうさっちん、むとうくん、きっしー、かっちゃん、こはにかの5にんと、だるまさんがころんだをしました。


 さいしょは、さっちんがおにで、さいごは、ぼくがおにでした。


 ぼくは、3かいおにになりました。こはにかは、まったくおにになりませんでした。でもさいごに、こはにかは、へんなうごきをしながらぼくにちかよってきたので、こはにかはおにだとおもいます。



 8がつ30にち


 きょうぼくは、さっちん、むとうくん、きっしー、かっちゃん、こはにかの5にんと、むしとりをしました。ぼくはこはにかといっしょにむしをとっていたので、みんなよりおおくむしをとれました。とても、うれしかったです。



「私の友達」


       3年2組 ××××××


 私には、皆には見えない秘密の友達がいます。名前は「コハニカ・ンキン・ニミゲ・チハン」と言い、全身真っ白な肌をしています。


 コハニカは、私の家で、コハニカの家族と一緒に暮らしていました。コハニカの家族は、父、母、兄の三人で、皆コハニカと同じ、真っ白な肌をしています。


 コハニカは、基本何を言っているのか分かりません。この前も、突然私に「ソナムク・ロカカル・ソマエ・ロガニ」と言っていて、何を言っているのかさっぱりでした。


 そんなコハニカも、実は私と一緒に、この学校に来ていました。皆、コハニカが見えないようですが、私と一緒に、この学校に来ていたんです。


 学校にいる時、コハニカは全く喋りません。私とだけの時にしか、喋ってくれません。皆に、コハニカを、紹介してやりたかったです。


 コハニカは、とても歩き方が変です。両腕を左右に伸ばし、肘を曲げ、頭を交互に左右に振りながらガニ股で歩きます。何故、そういう歩き方をするのか、未だに謎です。


 そんなコハニカも、昨日私の家を、コハニカの家族とともに出ていきました。


 たぶん、私が高校受験をするので、集中できるように、家族とともに出て行ったんだと思います。


 最後に、私に「コヲニラ・ノダイコ・コレッロ・トカタス」と言って出ていきました。たぶん、コハニカの最後の挨拶だったんだと思います。


 私は、この高校受験を、コハニカのためにも頑張りたいと思います。



 飲酒運転により男子中学生を轢き殺したトラック運転手の事情聴取時の録音テープ(書き起こし)


「信じてください、あれは幻覚なんかじゃないんです。確かに飲酒はしていました。でも、眠ってなんかいないんですよ。少年の横に、立っていたんです。白いガリガリの少年が。本当なんです。その白いやつが、少年を車道に、突き飛ばしたんです。信じてください。俺、薬なんかやってません」


 ヒロ&アキト´s解説


 ヒロ「今度はみんなには見えない友達……」


 アキト「怖いな……」


 ヒロ「それにこの見えない友達の名前。怖くない?」


 アキト「何が?」


 ヒロ「区切られてる文字を縦に並べて一文字ずつ上から読んでいってみ?」


 アキト「うわっ」


 コハニカ

 ンキン

 ニミゲ

 チハン

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