第十三話 ノロイ
閑静な住宅地にある細い道路を、二人の少年が学生服に身を包み、二人並んで歩いている。
「なぁ知ってる? そこの家」
並んで歩いている右側の少年が、左側にいる少年に右側の家を指さし尋ねる。
「何? 知らないけど……」
「あの家、人が死んでるんだぜ」
「えっ!」
左側の少年は驚く。
「あの家に住んでる人、病院の先生で、発狂して自殺しちゃったんだって」
「マジで?」
「マジマジ。それで、その隣の家は、突然車に撥ねられて死んじゃったし、その隣の家の人は、テレビ局で首括って死んでんだって……」
「マジかよ……」
右側にいる少年は、ベラベラと話しながら通りの右側の家々を指さし歩いていく。
「それで、その隣の家は、作家さんで、二階から飛び降りちゃって、その隣のマンションに住んでる人は、怖い体験して引っ越しちゃったんだって……」
どんどん右側にいる少年は喋り出す。左側の少年は黙って聞いている。
「それで、その隣の人は、何か自殺配信みたいなことして死んじゃってて、その隣のオンボロのアパートは、変な妖怪みたいなのが出てくるので有名になっちゃったんだって」
「よく知ってるな……」
「まだあるよ。その隣の家に住んでた子は、行方不明になってて、その隣の家の人は、死んだ息子がお化けになって時々家の中に出てくるんだって。それで、その隣の白い壁のアパートは、男子高校生が、同級生に殺されちゃったんだって」
「何でそんなに知ってるの?」
左側の少年は、不思議そうに右側にいる少年に尋ねる。すると、
「だって全部、俺が呪ったんだもん……」
「え?」
左側の少年は驚く。そして、右側にいる少年に尋ねる。
「何でそんなことしたの」
「だって皆、うるさかったから……」
右側にいる少年は、あっけらかんと左側にいる少年に答える。どうやらここ近辺に住んでいる右側の少年にとって、それぞれの家の人々は、とても、うるさかったようだ。右側の少年は急に立ち止まる。
「それで、もう一つあるんだ……」
一緒に立ち止まった左側の少年を見つめる。
「何?」
「実は俺、お前も呪ったんだ……」
「え……?」
左側の少年は、後ろを振り向く。
「んまんまんまんまんま」
目を見開いた、巨大なひげ面のおっさんの顔が、口を開閉しながら、目の前に迫ってきていた。
ヒロ&アキト´s解説
ヒロ「この少年が話してる話、ところどころ今までの話と共通している部分があるね」
アキト「そうだな」
ヒロ「多分、この少年が元凶ってこと?」
アキト「わからない」




