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何なのかわからない。アーカイブ  作者: 中松弘子
シーズン壱
10/52

第十話 振り向いたらダメ



「そこを通ると、突然、白い霧に包まれるんだって」


 放課後の校庭。夕陽に照らされ、異常に濃いオレンジ色になった校庭の中で、十数人の小学生たちが、輪になって、サッカーボールを囲んで立っている。


「それで、その白い霧が現れたら、絶対に何があっても振り向いちゃいけないんだって」


「なんで?」


「わかんない」


 十数人の輪の中、話をしている、真ん中のボールの真正面に立った少年が、首を横に振って対面にいる少年に答えている。対面の少年は、ため息をつく。


「なんだよ。わかんねぇのかよ」


 そのまま、少年たちは、輪を散り散りに離れていく。真正面に立った少年は、皆に叫ぶ。


「だから気をつけろよー」


 少年たちは、そのまま、散り散りに家に帰っていく。話をしていた少年の対面に立っていた少年も、家路へと帰っていく。


「……馬鹿馬鹿しい。何が白い霧だよ。そんなのあるわけないじゃん」


 独り言を呟き、笑顔になる。その噂があるという場所は、ちょうどその、少年の帰り道の途中にある。


「ははは……馬鹿じゃねぇの」


 歩きながら、笑顔で独り言を呟き続ける。内心、怖くなってきている。周りには、自分以外、誰もいない。


「そんな……白い霧なんて……」


 辺りは急に、暗くなってくる。


「え……?」


 白い霧が、あたりに立ち込める。


「いや、嘘だろ……」 



 次の日、学校に少年が登校すると、話をしていた少年のクラスに、真っ先に向かっていた。


「おい、昨日出たぞ!」


「え?」


 登校してきた少年は、教室に入る。すぐに、話をしていた少年の机の前に走ってくる。少年は、話をしていた少年の机の上に、両手を勢いよく置く。


「白い霧だよ! それで俺、お前に言われた通り、振り向かずに歩いたんだ。そしたら、目の前に同じぐらいの背格好した男の子が歩いてて、そしたらその子が、俺のほうへ振り向いたんだ」


「うん……」


「それで俺、その子の顔見たんだけど、その子、俺にそっくりだったんだ。マジで。そしたら、その子、目の前で消えちゃったんだよ!」


「へぇ……」


 話をしていた少年は、適当に相槌を打っている。すかさず、少年は怒る。


「は? お前何興味ない振りしてんだよ! お前が話してくれたんだろ!」


「え?」


 話をしていた少年は少年に尋ね返す。


「いや昨日、俺や他の子に話してくれたじゃん。白い霧が立ち込めてきて振り向いたら何か起こるって……」


「ごめん、マジで知らない。てか、お前誰?」


 少年は、唖然とした。


 ヒロ&アキト´s解説


 ヒロ「これ、前歩いてた自分が振り向いてるよね」


 アキト「そうだな……それのせいでこいつは飛ばされちまったんだな」

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