第3話 陽凪川 朱里の場合
いろいろあってもご都合主義ということで
今回は話が脱線しすぎたかも
ふへんふ
私、陽凪川 朱里にとって、幼馴染である日高 雅人は大切な存在。それは友達という意味でもあるし、家族という意味でもある。そして何より好きな人だから。
いつからそうだったかなんてもう覚えてない。物心ついた時から雅人とはもう出会っていたし、ずっと離れずに過ごしてきた。
よく物語のヒロインは、いじめから救ってくれたとか、最高の出会い方をしてたりだとか、自分を認めてくれたりだとか、そんなドラマチックなきっかけがあった。
私にもきっかけと呼べる物が無いことは無い。強いて言うなら、昔の私ともずっと一緒にいてくれたことかな。その前から好きだったけど。
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私が初めて雅人と出会ったのは私が産まれた病院だった。互いのお母さん同士の仲が良かったのもあるし、妊娠時期が同じだったこともあり、産まれてすぐに雅人とは出会っている。
そこから初めての出産だったこともあって、専業主婦同士だった私達の母親は、協力しながら育児をしてた。そのついでに私と雅人はよく遊んでいた、らしい。
残念ながら雅人の母親は3歳の途中で交通事故で無くなってしまったけど、保育園に行かない時は私のお母さんが面倒を見てたりもしてたので、私と雅人が離れることはそんなに無かった。
小学生に入る前くらいになるとよく家でも遊んでた。雅人と雅人の妹でもある鈴音ちゃんと。
それは小学生になっても変わらなかった。雅人はずっと私と遊んでくれてたし、その頃には私は雅人の事を好きになってたし。もちろん結婚の約束もしてる。
☆☆☆
そんな関係がずっと続くと思って、呑気に生きていた私に転機が訪れたのが小学3年生の頃だった。周りよりも少し精神の成長が早かった私は、あることに気づいてしまった。それは鈴音ちゃんがいなかったら気づけて無かった事。
私は他の子と比べると、とても不細工だった。
少し太り気味な体型に、顔にあるニキビ。それと合わせてどんくさい性格。なにより鈴音ちゃんを見るとその差が嫌でも分かった。鈴音ちゃんは幼いながらも顔が非常に整っていて、成長していくに連れてどんどん可愛さも増していってた。性格だって天使みたい。先生がよく誘拐を心配していたくらい。
私はそれが嫌だった。雅人は何も思ってないみたいだし、ずっと一緒にいてくれて変わらない笑顔を私に向けてくれる。
でもそれは今だけかもしれない。大きくなったら本当は家族じゃない鈴音ちゃんに雅人を取られちゃうんじゃないか、鈴音ちゃんじゃなくても他の子に取られるかもしれないと私は思った。特に鈴音ちゃんは絶対雅人の事が好きだろうし、私の不安は日に日に大きくなっていった。だから今でも私は鈴音ちゃんに少しコンプレックスを抱いている。
だから私は変わろうと思った。こんな私じゃいつかは雅人に捨てられてしまうかもしれない。
雅人はそんなことしないけど、結婚なんてしてくれないと思ったから。それにやるなら早い内にしないとだめだから。
そこからの私はお母さんに聞いたり、ネットでの知識を集めたり、必要な道具をお小遣いで買ったり、お母さんに借りたり、時にはねだったりもして可愛さや綺麗さを磨くために沢山の努力を重ねた。
それに少しづつ変わっていく自分を見るのも私は好きだった。1年前の写真と比べたりすることも。
そして小学校6年生の時、ついに私は同級生の1人に告白された。それに相手はあまり話したこともないのに無い生徒だったので、見た目で選ばれたということだし。雅人が好きな私は丁重にお断りしたけど。
でも確実に変われている自信がついた私はもっと努力をするようになった。
中学生にもなるとはっきりと分かった。1年生の頃は1ヶ月に1回程度だったけど、2年生にもなると毎週のように告白された。全校生徒の数が多かったこともあり、3年生にもなると、あまり昼休みの時間が取れなくなるくらいには告白された。でも雅人が好きな私は全てお断りしたけど。
そんな雅人だけどあまり変わらない。変わらずずっと一緒に居てくれるし、中学3年生の中期になっても疎遠にならずに今でも仲良く遊んでいる。
だからこそ1度だけ、2人でお出かけに出掛けた時に言われた「朱里はやっぱり可愛いね。その服も似合ってるよ」って言葉は、私の宝物だ、
ここだけの話、今でも私のおかずになっている。なんで私はあの時レコーダーをONにしていなかったのか。今でも後悔している。
ただ、それ以降あまりそういう雰囲気を感じさせない雅人に、私は少し焦りを感じていた。本当は雅人にとって私は可愛くないのかとか、鈴音ちゃんにはまだ勝てないの、とか。
そんな時だった。私に芸能界のスカウトが来たのは。
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芸能界、そこは言わば魔境。俳優、芸人、アイドルやアナウンサー。どこの業界でも日々人が集まって、そして消えていく。生き残れるのは人気がある人だけ。例え、実力や見た目があっても運が悪くて人気を得られなかったらおしまい。その全てを制したひと握りだけが残れる場所。そしてそれはモデル界も一緒。
私が街を歩いている時に、私は知らない人にスカウトされた。名刺を渡されて興味があったら電話してと言われた。
最初はこんなの無視して忘れようと、名刺を捨てようとしたけど、少し考える。一応スカウトされた事務所を調べてみよう。
モデル事務所の事はよく分からないけど、そういう雑誌をよく見る私でも、知っている本を出してる事務所だった。
正直迷った。モデルなんて自分には全く縁の無いものだと思ってたから、いざスカウトされても実感なんて湧かなかった。
でも私は試してみたかった。今の自分がどこまで通用するのか。客観的に評価が得られるチャンスだった。ダメだったらもっと自分を磨く原動力にもできる。
何より全く進展がない現状を変えたかった。雅人は人気のある私だったら、もっと私のことを見てくれるかもしれない。沢山褒めてくれるかもしれない。自慢だと思ってくれるかも。
そんな事を考えてると気づいたら手元のスマホからはコール音が聞こえていた。
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結果的に言えば私のモデル業は大成功した。ただ私にとっては大失敗でもあるけど。
最初のうちはそこそこの人気で収まっていたけど、急に私の人気は爆発した。理由は分からないけど、私が高校生になる頃には同じ女子高生では知らない人が居なくなるほど。
高校に入ってからはモデルの仕事よりもテレビでの仕事の方が多くなった。私の所属している事務所が女優の方向で、私を売りに出したから。それは大正解で私には演技の才能があって、私の演技力と顔とトーク力で私は売れっ子になってしまった。
そのせいで私の空いてる時間が少なくなってしまって、雅人と一緒にいる時間も少なくなった事は大失敗と言えるけど。
私の演技力が高いのは当たり前だ。普段から雅人に気持ちを隠して生きて来たんだから。
ただ全てが失敗と言えばそうではなかった。雅人にはちゃんと褒めて貰えたから。一緒に私が出演してる番組をテレビで観たりも出来たし。
雅人が「本当に朱里が出てる!すっご!」って少しはしゃいでたのが凄く可愛かったしね。
そして私にとって1番の収穫がある。それはモデルの仕事を初めて、それを雅人に打ち明けて少し経った時の事。
その時は学校からの帰り道で、彼にモデルの仕事について聞かれていた時だった。まだ慣れてなくて少し撮影の時に緊張してしまうとか、そんな話をしてる時に何気なく言った言葉。
「そういえばモデルの人達って当たり前だけどみんな顔が整ってたんだ。凄く綺麗な人やかっこいい人がたくさんいたんだよ」
「へー。ちゃんと友達出来そうなの?」
「うん。先輩の菅原さんって人がね、とっても優しくてね。みんなと仲良く出来るように仲を取り持ってくれたり、ほんの少しのことでも気を遣ってくれるんだ!それに顔もとってもイケメンで人気も凄いんだ!」
この時は先輩に優しくされた事が嬉しくて、その喜びを伝えたくて、雅人に少し暑く語ってしまった。
私の気持ちとしては、雅人よりイケメンな人はいないし(恋愛補正)雅人よりも優しい人は存在しない(恋は盲目)けど、こんな人いたんだって雅人に知ってもらいたかっただけだった。
でも雅人の表情を見た私はびっくりした。ほんの少しだったけど、普段から顔を見てる私にしか分からない程度だったけど、雅人が嫉妬していたのだ。
あの雅人が、私の大好きな雅人が、ずっと不細工だったこの私に嫉妬をしていた。
それに気づいたら私の体は、今まで体験したことのないような気持ちよさと興奮に包まれた。
その興奮は家に帰ってもずっと収まらず、日が昇るまで自分を慰め続けてやっと収まったのだ。
それからの日々は、雅人が嫉妬するような話を集めて、それを雅人に聞かせることが私の生きがいで、芸能界へのモチベーションへとなっていった。
そしてそれは高校生になってからも2年生になってからもずっと変わらなかった。
そして私にとっての3度目の転機がやってきた。それは高校2年の時で、きっかけはクラスメイトとの何気ない会話だった。
☆☆☆
高校になっても私の忙しさは変わらずむしろどんどん悪化しているように感じる。
1年生はまだ良かった。雅人との時間も取れてたしクラスだって一緒だったから沢山話しもできた。
でも2年生になると朝の登校時間が、私たちが一緒にいる時間のほとんどを占めていた。
クラスが別になってしまったことも原因の一つだし、ふざけて、いや友達との悪ノリで立候補してしまった生徒会選挙に当選してしまったことも原因の一つ。
まさか自分が生徒会長に選ばれるなんて夢にも思わなかった。そのせいで私の時間は更に無くなったし、芸能界の仕事で生徒会の仕事ができなくて、鈴音ちゃんに任せてしまい、少し恨まれてしまってるのも最悪。
鈴音ちゃんは私の憧れでもあるからあまり嫌われたくなかった。
だからこそ朝の登校時間だけは奪われないように気をつけてる。雅人との時間が無かったら私の生きる理由なんて無くなってしまうから。
そんな生活を送っていたある時、クラスの友人の1人である沙也加から興味深い話を聞いた。
「ねぇ朱里ちゃん。催眠アプリって知ってる?」
「催眠アプリ?何その物騒なアプリ」
「なんでも隣のクラスで流行ってるらしいよ?効き目は全然ないらしいけど。男子が騒いでうるさいんだってさ」
「ふーん。それ本当?」
「わかんない!」
少し調べてみる。するとアプリをダウンロードするアプリに、変な広告みたいなのがあった。
先着100名様限定!これが出てるあなたはラッキーです!これ一つで気になるあの子も催眠できちゃう!
「なにこれ?」
「どうかしたの?」
「なんでもないわ」
いかにもな広告だね。ただ公式アプリの広告なのでウイルスや詐欺の可能性は低そうだけど。
まぁ替えのスマホはあるし。話題作りのためにも私はインストールしてみることにした。かける相手はもちろん雅人だけど。
☆☆☆
今日は久しぶりに雅人が私の家に遊びに来る。だから前から使おうと思ってた催眠アプリを使ってみようと思ってる。
ピンポーン
どうやら雅人が来たみたい。玄関を開けると久しぶりに見た私服の雅人がいた。
「朱里。遊びに来たぞ」
「待ってたよ。さぁ早くあがって」
今は一人暮らしをしているので、家には私以外いない。だから今日は存分に雅人と話せる。
それから私は仕事の愚痴や学校の事などを沢山雅人と話したり、一緒にゲームをしたり漫画を読みながら過ごした。
「そういえば雅人」
「どうした?」
「催眠アプリって知ってる?」
「朱里のクラスでも流行ってんの?ちょっと前に俺らのクラスの男子の中で盛り上がったんだよな」
「私今持ってるからさ、試してみよ!」
「なんで持ってんの?試すって言っても俺もやって見たけど、絶対インチキだぞ、あのアプリ」
「やってみないと分かんないじゃん」
ことで1回だけ試してみることになった。別に催眠にかからなくてもかいわになるし。
私はアプリを起動してみる。起動したら画面には〈条件を満たしました〉の文字が。
なにかの条件を満たしたらしい。その後はいくつかの注意事項が出てきてやっと使えるようになったらしい。
「じゃあ使ってみるね」
「分かった。でも俺も使われたけどそん時はなんも起きなk…」
「あれ?雅人?」
「…」
「演技だよね?雅人にしては上手いけど」
「…」
雅人の反応が無くなった。目も虚ろになってるし。試しに私は自分の指を雅人の目に突き刺すように出してみる。けど瞬きをするだけで驚いたような反応はしなかった。
もしかして本当に催眠にかかったの?その事実を理解した私は生唾を飲み込む。
「ねぇ雅人。服、全部脱いで」
雅人は何も言わず、言われた通りに服を脱ぎ始める。
私の中で、私が雅人を支配しているという事実が快感もたらす。でも今のままじゃ少し面白くない。
「今から手を叩くと雅人は普通の態度に戻ってね。それと私の命令には絶対服従。それから今からする事には何も違和感を覚えないでね」
これでちゃんと雅人の反応を楽しめる。反応が無かったらつまらなくなっちゃうから。
「それと、手を叩いたら雅人は、私とセックスがしたくて堪らなくなります」
これで準備が出来た。あとは手を叩くだけ。
「じゃあ初めよっか!」
パチン
「あれ?俺」
「急にぼーっとしてどうしたの?」
「朱里?」
雅人は私を見ると途端に顔を赤くして、手を前に持ってきた。
「急に手を前についてどうしたの?」
「い、いや?なんでもない」
「声がうわずってるよ?ねぇもしかして私と2人きりで興奮しちゃった?」
私は図星を突かれて動揺してる雅人に近づく。そして耳元で囁く。
「ねぇ、私とセックスしたい?」
☆☆☆
私は彼の背中に抱きつきながら手を動かす。
「そんなに気持ちいいの?でもダメだよ。我慢できなかったらしてあげないよ?」
「朱里ぃ。俺、も、もう我慢が」
「だめ、ちゃんと我慢して」
私の命令で、出せなくなった雅人が情けない声を上げる。
「ほらここが良いんでしょ?」
「うっ。うぅぅぅ」
彼の熱くそそり立つ恥部は爆発しそうな程膨らんで、今にも暴発しそうになってる。
でも私の命令で絶対に出せない。私は手を動かしながら彼の耳たぶにかぶりつく。
「朱里。そこ、だめ」
「美味しいよ?それにほらあと少しだよ」
時間まであと10秒もない。ここで私は更に右手の動きを激しくする。左手は彼の袋をいじめながら。
「ほら、あと5秒」
「も、もうだめ」
「さーん、にーい、いーーち、ぜろ!」
「はぁ。はぁ」
彼はいつもと違い、弱弱しい、態度でこちらを切なそうに見つめてくる。それだけで私のあそこはぐちゅぐちゅだ。
こんなのもう私の方が我慢できない。私は彼を押し倒して上に乗りかかる。
「我慢できた偉い子には、ご褒美あげないとね?」
「あかりぃ。はやく、い、いれさせて」
彼の言葉に答えるように、私は腰を下ろしていく。彼の息子は私の中をちぎるように、かき分けていく。
「…うっ」
痛みと興奮と快楽と幸福感が同時に押し寄せてくる。彼をいじめながら私も我慢してたから早くも私は
「んぅ♡んんぅ!」
「…っ!」
私たちは同時に果てた。ずっと我慢してた彼の股間からは、私の中から吹き出すほど、大量の白濁液を吐き出した。
☆☆☆
あれから私たちは日が暮れるまで交わり続けた。部屋の中は脳を蕩けさせるような甘い匂いが漂ってる。そこで私たちは裸のままでベットに横たわってた。
「朱里」
「なに?」
「その今言うのも何だけど、俺」
ブゥゥ
彼がなにか言いかけた瞬間、私のスマホが震え出す。画面を覗くとあと10分の文字が。
やばっ。これって注意書きにあった時間まであと10分ってこと?
「その朱里?言い直すけど」
「ごめん!後で聞くから!それより今すぐ服を着て」
「え?わ、分かった」
「いい?今日は2人でいつも通り遊んだだけ、ちょっと盛り上がって遅くまでいただけ。今したことは忘れること!」
「……」
彼が無言で少し頭を抑える。表情は、疑問を浮かべたような顔。
「あれ?俺今まで何して?」
「ほらもう帰る時間でしょ?じゃあね!」
「え?あ、ああ」
そのまま彼は荷物を持って帰っていった。少し疑ってたけど、多分勢いで誤魔化せた。
彼が帰ったのを確認して私は彼の催眠を解く。説明によれば、催眠中に記憶を変えておけばそれは催眠が切れても続くらしい。安心した私は部屋の跡片付けに取り掛かった。
☆☆☆
それから私は時間を見つけては彼をいじめる日々を送った。彼はもう私の手に触れてるだけで、気持ちよくなってる。
登校中や学校の中でも時間があれば彼に催眠をかける。彼はいつも泣きそうな顔で私にねだって来るので、つい興奮しすぎて2人して授業をサボってしまったこともある。
時には手だけじゃなくて、口を使ったり道具を使ったりもした。貞操帯もつけたいけど、さすがにバレてしまうから泣く泣く諦めた。
催眠アプリのおかけで私の日々はとても幸せに彩られた。もう催眠アプリ無くして生きていけないかも。この日々がこれからも続くように私はずっと祈ってる。




