誰にも話したことが無い秘密の話
ごきげんよう!! ひだまりのねこですにゃあ。
今日は皆さまに、私の誰にも話したことが無い秘密の話をしましょう。
くれぐれも他言無用でお願いするのです。
◇◇◇◇◇◇
さて、みなさまは、ヒミズをご存知でしょうか?
え? 違います。漫画ではありません。
あのヒミズの癒し動画を探す時に邪魔をしてくる憎き漫画のことではないのです。
モグラの仲間で日本固有種の小さな動物のことです。
英名がJapanese shrew-mole、shrew moleは、長く突き出た鼻と尾を持つ細長いモグラのことですが、shrewにはじゃじゃ馬という意味もあります。
ちなみに、じゃじゃ馬は、女性が「いやじゃいやじゃ」とだだをこねる様子から生まれたと言われていますよ。
すいません、話がそれました。
小さい頃、ヒミズを図鑑で知って以来、私はその可愛さの虜になっているのです。
モグラよりもずっと小さくて、ヒミズとヒメヒミズという二種類いますが、ヒミズが大きめのハツカネズミくらい(8~10cm)ヒメヒミズは小さめのハツカネズミ(5~8cm)くらいです。
ハツカネズミを知らない方は、小さいジャンガリアンハムスターくらいのサイズだと思ってください。
体重はハムスターの半分くらいで、さくらんぼ一粒~巨峰一粒くらい。
モグラとの違いは、尻尾が長い(根本がピンク!!)こと、前足が小さいこと、鼻が少し細長いことでしょうか。
モグラ同様、北海道を除く日本全国に生息していて、モグラが多く生息している地域では、山岳地帯で隠れるように暮らしています。
モグラのようにトンネルを掘らず、落ち葉の下などに直径3cmほどの溝を作って、半地下生活をしているのですが、完全肉食のモグラとは違って、植物の種や果物も食べる雑食です。
お菓子を罠にすると簡単に捕まってしまうのが可愛いですよね。
そしてヒミズという名前の由来ですが、日不見、つまり日の光の下には出てこないから。
影の中でしか生きられないとかカッコイイ!! 幼い私はそう思っていました。
動物園などの飼育下だと、日の下に出てくる時もあるらしいですけどね。
え? それが秘密の話かって?
違いますよ。
実はですね……同級生にモグラっぽい顔をした清水君っていう子がいましてね、
それ以来、清水という人のことを、ひそかにヒミズって呼んでいたのです。
清水君「おーい、ねこ、何してんの?」
私「ああ、ヒミズ君、ワラジムシ集めていたの」
清水君「そ、そうか……でもそれ平べったいダンゴムシじゃないのか?」
ふふふ、意外にバレない。
職員室にて
私「あの、ヒミズ先生いますか?」
他の先生「ああ、清水先生なら、応接室に行っているよ」
ふふふ、まったくバレないし、普通に通じる。
部活にて
友人「清水先輩ってカッコイイよね!!」
私「……でも、ヒミズ先輩って二股しているらしいけど?」
ははは、十年来の友人でも気付かない。
そんな私のヒミズ人生は、このまま順調に続くと思われた。
だが、大学生になったある日、突如終焉を迎えることになろうとは……
この時の私は、予想だにしていなかった。
清水さん「初めまして、清水です。よろしくね、ねこちゃん」
くっ……なんだこの猫が美少女化したような人間は……。
こんなに猫っぽい人を初めて見た。
人生で初めて、清水に敗北した瞬間だった。
こんなに猫っぽいひとをモグラ扱いは出来ない……。
仕方が無い、特別にこの子だけは清水と呼ぼう。
でもね……ただでは負けられないんだよ、せめて引き分けに持ち込む。
私「……よろしくね、シミズにゃん」
清水さん「にゃ、にゃん!?」
ふ、ふふふふふ、可愛い。
驚くしぐさまで猫っぽいとか、こいつ絶対に猫の血が入っているはず。
かくして、私のプライドはギリギリのところで守られたというお話。
にゃふふ。