成人の義
投稿していると思っていたら出来ていなかった事に朝気づきました。
あれから、ドレスの型を決め私好みのドレスが出来上がり、今夜はそのドレスを来て夜会に出席する。
「聖女様とっても素敵です!」
「ありがとう」
城のメイドに手伝ってもらい髪や化粧も施す。
ミーシャのドレスは遠目からは分かりづらいが、白の生地の上に細かく銀の糸で刺繍がされていて動く度に刺繍の糸がキラキラと光る。腰からふんわりとしたAラインドレスは、肩やデコルテを出しているが二の腕から手首まで刺繍で覆っている。
ミーシャが着ると神秘的な雰囲気が溢れた。
『ミーシャすっごく綺麗だね!』
『これなら注目の的だわ!』
『いいんじゃないか』
「ふふっ、ありがとう皆。 拘って良かったわ」
―コンコン
「失礼するよ」
「殿下」
「ミーシャ時間が押している。 何故もっと早く行動出来な…」
「どうかされましたか?」
「あ、いや。 そのドレスは……」
「これは私がデザイナーと決めて作ったドレスです」
「ミーシャが……とてもきれっ、いやそんなに肩を出すなんて聖女としてはしたないぞ」
一瞬いつもと違う顔になったものの直ぐに戻りいつも通りのお小言が始まった。
『こんな時まで嫌な奴だね!』
『なによー! 素直に褒めたらいいのに!』
『ただの王子のくせに』
(ただの王子って……)
怒る精霊たちを宥めつつ殿下に伝える。
「お言葉ですが、今日は聖女の前に1人の成人女性ですので私にも好きな服を着る権利がございます」
「なっ……」
普段言い返してこないミーシャが毅然とした態度で言ったことに驚く殿下。
(私だって偶には言い返すんだから!)
『そうだそうだー!!』と言う精霊たちの声を聞きより自信を持つ。
「殿下早く行かなくては間に合わないのでは?」
「あ、あぁそうだな。 では行くか」
殿下の腕を取り隣を歩く。このお小言等さえなければいい人なのかなぁーと思うミーシャ。
※
扉を潜り広間に入ると周りの目が一斉に2人を見る。
「まぁ、ご覧になってあの方が今年の聖女のミーシャ様ですわ」
「素敵。 なんて美しい方なのかしら」
「殿下も凛々しくなられてますますお2人が将来が楽しみですな」
「見て下さいなあのドレス。 動く度に光加減が違ってとても美しいですわね」
「ほう……あの方が聖女ですかドレスからして聖女様も成人になられたのですな」
ちらりと周りを見ると、他にも白いドレスを着た令嬢達がいたのできっと今年の成人になる子たちなのだろう。
貴族達からの目に晒されながらも陛下の前に行き頭を下げる。
「聖女ミーシャよ。 そなたが成人になった事をここに祝福しよう」
「ありがとうございます陛下。 聖女としても民に寄り添いより精進致します」
「うむ。皆の者、これより聖女が成人の義を祝して癒しの力を見せてくれる」
ミーシャが貴族達の方を向いて立ち手の平から溢れていく光を空中に投げると、光が弾け頭上からキラキラと舞い降りたのだった。
「なんて暖かな光なのかしら」
「素晴らしい。 これぞ癒しだ」
今年の聖女はまだ未成年と言う事で夜会には出席していなかった為、姿をしっかりと見た事がない貴族が多かった。しかし今夜その姿や癒しの力を見た事でより聖女への信頼を持つのであった。
その後は、ご飯や飲み物を取る事も出来ずにひっきりなしに話し掛ける貴族の相手をする事になった。
※
湯浴みを済ませベットに入る。
「ふぁ……つかれた」
『お疲れミーシャ』
『お疲れ様!』
『頑張ったな』
「夜会ってあんなに大変なんだ……もう出たくない」
『人間界のルール? みたいなのは良く分からないけど大人になったら今日みたいなのも行かないとだめなの?』
「そうね、一応殿下の婚約者でもあるから色々と参加しないといけないものも増えるかも……」
『ふーん。 人間って大変だな』
「やっぱりそうだよねー」
『あ! ミーシャに話す事があったんだった!』
『そうそう、この前僕たち精霊界に行ったでしょ?』
「え、うん」
『ミーシャのこと話したらね、シャルディア様がミーシャに会いたいんだって!』
「え! なんで!?」
『シャルディア様がなんか気になったとか言ってたけどー』
「いや、私には無理だよ!」
『なんでー?』
「だって、精霊王だよ!? 無礼があったら!」
『シャルディア様は器の大きい方だからそんな些細な事で怒ったりはしないさ』
「で、でもー」
『大丈夫だよ! 私達がついてるから!』
ドンと胸を叩くマカロン。
「余計不安なんだけどな…」と思うミーシャであった。
別件で忙しく、中々書いている時間がなく遅くなりました。
まだまだ終わる感じがしませんが、完結出来るよう頑張ります。