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のんびりする日常が終了しました

ストックが溜まっていない状態で投稿するので、かなりのんびり更新になるかも知れませんが頑張ります。

よろしくお願いします。

 

 この国は精霊に愛された国、モーティス国。


 昔、祈りを捧げる1人の少女に精霊が祝福を与えた事によって癒しの力を使える様になった。それが初代聖女である。


 それ以来、代々聖女が現れるようになった。

 聖女が選ばれる条件は不明であり、爵位などは関係なく貴族の時もあれば平民の時もある。


 その為、誰もが聖女になる素質があると言うこと……


 ここはグランド領の田舎にある別荘。そこにはゴロゴロするのが好きな女の子ミーシャ・グランド伯爵令嬢がのんびりと過ごしていた。普段はぽーっとしている事が多いが、今日は朝早くから目を覚ましていた。


 コンコン

「お嬢様失礼します」

「おはようクロエ!」

「起きておられたんですね、お誕生日おめでとうございます」

「ありがとう!」


 今日はミーシャの10歳の誕生日。廊下を歩いているとメイド達が祝福の声を掛けてくれ一つひとつにお礼を言う。

 食堂に入ると深い緑色のドレスを着たミランダ夫人が座っていた。


「お母様おはようございます!」

「おはようミーシャ。お誕生日おめでとう、今日は随分早起きね」

「ありがとうございます! だって今日は神殿に行く日なんですもの!」

「うふふ、そうね。今日は特別な日だから」


 この国では10歳になると節目として、神殿に行き神官からお祝いの言葉を貰い祈りを捧げるのだ。普段から神殿に行き祈りを捧げているミーシャだが、特別な10歳になった日は祝福の言葉を貰える。


「おはよう。ミランダ、ミーシャ」

「お父様! おはようございます!」

「旦那様おはようございます」

「ミーシャお誕生日おめでとう」

「ありがとうございますお父様!」


 ぎゅっと抱きしめられながら祝いの言葉を貰う。


「お父様、早く神殿に行きましょう!」

「神殿に行くにはまだ早いよ。まずは朝ご飯を食べてからだよ」

「はーい」


 早く行きたいミーシャはついつい急かしてしまうが、お父様に窘められてしまった。

 朝食を食べ馬車に乗り神殿に向かう。祝福を貰う子どもは白色の服を着る事が決まっている為、ミーシャも白のワンピースを着ていた。




「わぁ! いつも綺麗だけど今日は特別だからかもっと輝いて見えるわ!」

「ミーシャ、勝手に行ってはだめよ」

「はーい、お母様」

「グランド様ようこそお越し下さいました」

「今日はよろしく頼む」

「勿論でございます。ミーシャ様お誕生日おめでとうございます」

「ありがとうございます神官長様」


 子どもなりに綺麗なカーテシーをする。


「もう立派なレディーですね」

「えへへ」

「では、こちらへどうぞ」

「はい」


 グランド夫妻が温かく見守る中ミーシャは高鳴る胸を抑え神官長が立つ祈りの場まで歩いていく。


(凄くドキドキする。それに身体がなんだがポカポカしていて不思議な気持ち)


「それではミーシャ様はこちらに膝をついて祈りの姿勢をとってください」

「はい」


 普段行う様に目を閉じ祈りの姿勢をとる。神官長が鈴のついた神具を振るとシャーンと神殿に響き渡る。その音は心が洗われる様な柔らかな音であった。


「貴方の人生に祝福がありますように」


 神官長がそう言った途端、天から光が降り注ぎミーシャを照らしていった。神官長や夫妻の驚いた顔を知らないミーシャは……


(なんて暖かい光なのかしら、これが神様から祝福を頂いたということなのね)


 ミーシャの周りは光が満ち溢れ、キラキラと光っていた。

 すると可愛らしい小さな声が聞こえてきた。


『今年の聖女はこの子がいいんじゃない?』

『さんせーい!』

『私も私も! だってこの子すっごくあったかいよ!』

『それじゃあ、決まりだね』


(ん? 聖女? なんの事かしらそれにこの声は誰?)


 突然聞こえた声に驚きつつも話している内容が良く分からなかった。


『ねぇ、君はミーシャっていうの?』

(え! 話しかけて来た!)

『僕たちは精霊だよ。君の心に話し掛けているんだ』

(えぇ! 精霊様!?)


 心に話しかけて来たのは姿は見えないが3人の精霊だった。


『うん! 私たち貴方の事が気に入っちゃって貴方を聖女にするって決めたの』

(わ、私が聖女様なんて無理です)

『大丈夫、君は今まで通り神殿に祈りを捧げるだけで良いんだよ』

(うーん? それなら私でも出来るのかしら……)

『まぁ、拒否されてもオレ達はミーシャを聖女にするけど』

(なんで聞いたの!?)

『一応確認はしなさいって精霊王様に言われてるの!』

(精霊王様……)

『そう! でも僕たちが気に入った子を聖女にするから変わる事はないんだよ』

(それってほぼ強制と変わらないのでは……?)

『いいじゃん、とりあえずミーシャは今日から聖女になったから』

(わかり、ました……)

『あ、因みに聖女には精霊3人がつく事になっているの』

(そうなんですか?)

『他の精霊も手助けしてくれるけどそれとは別で代々聖女には精霊が一緒にいるんだ』

(そっか、それじゃあよろしく!)

『よろしく』

『よろしくー!!』

『おう』



 ミーシャを照らしていた光がなくなるのと同時に目を開け周りを見渡す。



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