幕間
真っ暗な空間を一筋の真っ白なスポットライトが照らしている。その光の下に肘掛け椅子に腰かけた老人――神と、包帯で全身をぐるぐる巻きにした猫背の男がいた。
「拠点も築いたみたいだし、ようやくここからってところだな。お前から見て何かあるか?」
「俺様に指図してんじゃねーよ神様気取り。……まあ、リザードマンを蘇生させたのは俺様としても意味不明って感じだったぜ。あんなケース見たことない。大体殺すか、殺さなくても逃げられて終わりだろう」
「そういう意味ではヤツは煮え切らないというか、中途半端な器ではあるかもな。だからこそ選んだんだが」
「いつも極端な器ばっかりじゃつまらないーってか? だけど、アンタが選んだ器はいつもダメになる。アンタは結局終わりが見たいんだ。今回の器もどこか歪みがある。アレもあのまま進めば……」
「心配でもしているのか?」
「そういうクチ聞くなっつーんだよ神様気取り。俺様は見てるしかねえ。胸クソわりぃが、これが仕事さ」
「弁えているようだな。だが、俺は今回は少し違った企みをした」
「終わらねえっていうのか? 今回の世界は」
「いや、ほぼ大筋でそうなるだろうな。俺が器を投じるとはそういう意味だから。しかし、今回は器が世界に影響を与えるだけではなく、世界が器に影響を与える様を見れるかもしれないぞ」
「だからこそ未熟な器を選んだか。テメーは結局趣味がわりぃんだよ。それに尽きるぜ」
「ふん。今回はこれくらいにしておくか。これからもちゃんとあの器を見守っておくんだぞ」
「そんなん言われるまでもねぇよ。お前こそちゃんと見てろよ? このクソオヤジ」