第1話 いきなり振られる主人公
新作になります。
一章が終わるまで読んで頂けると嬉しいです。
限界とは誰が決めるか。それは自分であったり他者であったり様々だ。
限界を越えた時に真の力を発揮する⋯⋯そんな都合の良いことが起きることはなく、普段できることは窮地に陥ってもできるが、やれないことはどんな奇跡が起きてもできない。
しかしもし今まで生きてきた記憶がなくなり、大人になることができたら?
その時は子供の頃のように無理と言われたことに対してもチャレンジするのではないか。そんな世界で生きることができたらきっと人類は革新をお越し、新たな人種へと産まれ変わるだろう。
リミットブレイクワールド。
ここはありふれた剣や魔法、そして魔物が存在する世界。
そりゃ魔物の数は半端ないけど一撃で大陸を吹き飛ばすような理不尽な魔王や攻撃してもダメージが全く通らないといった不条理なことは起こらない。
ここではキッチリとレベルや装備を上げて挑めば勝てない敵はいない。だが願いが叶う宝玉があると言われる天へと続く島は情報が少なくどうなっているかわからないため誰もが慎重に進む。
しかし今の俺は魔物がどうとか宝玉がどうとか考えている暇はない。なぜなら女子に一本杉の木の下でまっていると呼び出されているからだ。
待ち合わせの場所に到着すると1人の女の子が木に寄りかかりながら俺の方に視線を向けそして口を開く。
「トウヤくん⋯⋯待ってたよ」
儚げな声⋯⋯これから何かが起こりそうな予感がする。
「それで? 何の用なの?」
俺は呼び出した用件を彼女に聞くと黙ってしまい、静寂がこの場を支配する。
「あ、あの!」
そして沈黙から10秒ほど立った後、彼女は意を決して言葉を発する。
「私達⋯⋯別れましょ」
これはリミットブレイクワールドで生きる青年トウヤが、最悪な女運から逃れ、真実の愛を見つけたり、青春をしたり、下らないギャグを言ったりする物語である。
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GW中何話か投稿させて頂きますので、続きを見てもらえれば幸いです。