夏の前日
彼女は見返り美人。僕には触れられない人だと思っていた。僕の左手は寂しそうに、彼女の左手は輝いて。
彼女は見返り美人。だけど正面も綺麗だった。僕は彼女が笑ったのを忘れない。何故か僕も笑えてきた。目の前には海が広がっている。僕らは月を見上げる。何故か涙が流れてくる。黒の車には金色が映える。僕はバスに乗って帰る。今日は夏の前日。明日になれば君は見つけるかもしれない。金色に輝く指輪を。そうしたら拾っておいてくれないか。そしたらまた君は輝く。嬉しいような、悲しいような。
明日は夏。綺麗な君にみんな驚く。