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revol†  作者: HP3
1章 Red Cross Hearts
24/37

第23話 新人冒険者


 「こんにちは。ブルーゲイザー、リニア支部にようこそ」


 「いや、どうも。登録とやらをしにきたのですが」


 ギルド内は冒険者や依頼人で賑わっていた。それに加えて、受付が沢山あった。

 数ある受付の中でも一番入口に近い端っこに「冒険者入会受付」、と書いてあった所をロトカは見つけた。さっそくロトカはそこにいた利発そうな受付嬢に話かけた。


 「新規の方ですね!ブルーゲイザーを選んで頂いてありがとうございます。冒険士の学位をお持ちですか?」


 「冒険士?何ですかそれは」


 「冒険者の学校を卒業すると貰える学位の事です。持っていると通常よりも高いランクから冒険者になる事が出来るんですけど…お持ちでないですか?」


 ロトカは持っていないと伝えた。


 「それではFランクスタートとなります。入会費は3万イルですがお支払い出来ますか?」


 「ランク?なんですかそれは?」


 ロトカは財布の中身を探しながら受付嬢に尋ねた。


 「ギルドランクのことです。最初からF, E, D, C, B, A…と上がって行くもので全部で8つあります。ランクによって受けられる依頼に制限がかかってますから注意してください。ランク毎の一番大きな違いはそれですね」


 「なるほど。でもなんでわざわざそんな制限を?身の丈に合わない依頼を受けた事による死亡者を減らすためですか?」


 「そうですね…想定外の状況の所為で亡くなる方もいますが、一番の理由はそうですね。最初は簡単なクエストから受けて徐々に慣れていって頂くための古くからある制度です」


 受付嬢は話を続けた。


 「あとは,依頼主の方々は各ギルドの死亡者割合などを気にされる方が多いんですよね…それがギルドがどれだけしっかりしているかを定量的に図る一つの指標ですから…いけない!私ったらペラペラと」


 何だか話やすい人ですね。


 「確かに頂戴いたしました。さてと、次は…どっこいしょ」


 受付嬢は下から小瓶と針を取り出した。


 「何をするんですか?」


 「これで血液を少し頂きます。ちゃんと消毒してるので感染症とかにはなりませんからご安心を。さあ指を出して頂けますか?…ええ、どの指でも大丈夫ですよ」


 なんでこんな事をするのか聞いてみた。


 「私も詳しい原理は知らないんですけど、ギルドの重複登録を防ぐための措置何ですよ。それから犯罪歴がないかとかの確認ですね。…ちょっとチクッとしますからね….あ、あれ?硬いですね」


 受付嬢が加減しながら針をロトカの人差し指の腹に刺すが、先端が刺さらない。


 「失礼な。硬いなんて…いえいえ冗談ですよ…。ところで受付嬢さん、血はどれ位必要ですか?」


 「10滴も有れば大丈夫なんですけど。どうしたものかな…?あっ!もしかして強化薬とか使用中だったりします?」


 「強化薬?いや、特に何をしてるワケでもないですよ。ちょっと待っててください」


 ロトカは一度外に出て、ギルドの裏にこそこそ回った。そこで力一杯金棒の突起を裏拳で殴りつけて血を出した。


 「これで?」


 「大丈夫です。じゃあ採血しちゃいますね」


 急いで受付に戻り、ロトカは今しがた怪我をさせた手の甲を受付嬢に預けた。


 「それにしても何で血なんて採るんですかね?私も別の方法に出来ないのかなあ。と常々思ってるんですけど…未だにどこのギルドでもこの方法ですから仕方ないんですよね。はい、これで大丈夫です。確認しますので、少し待っていてください」


 受付嬢はそういって小瓶をカウンターの奥の方に持っていってしまった。


 「待っていてくださいって言われても」


 ロトカはポツンと1人だけ残されてしまった。

 ギルドカウンターは全部で4つあり、3つは依頼受付用で残る一つがロトカのいる登録カウンターである。今はロトカ以外に登録する新人はいない。


 隣の依頼受付カウンターはいづれも依頼人が来ており、受付嬢と担当者が対応している。

 依頼内容を詰める必要があるため、依頼が受理されるまでには時間がそこそこかかる。なので、依頼人は一度受付番号を聞いてから時間をかけて置いて戻ってくる。なので各受付前には誰も並んではいなかった。


 世間話をする様な知り合いもどうでも良い事を共有する様な友人がロトカにいるはずもない。

急に手持ち無沙汰になったロトカはギルドの入り口の方にあったポーション屋に足を向けた。


 値段調査である。ロトカは金額の相場などが一切合切分からないので、どれ位の硬貨で何が買えるのかを知る必要があった。


 棚にはランク1から8段階に分けられた回復用ポーションが陳列されている。レベル5-8のポーションは極端に数が少なく、鍵がかけられた棚に入っているようだ。一体どれだけの値段がするのだろう。


 一方数が最も多いボリュームゾーンはレベル1-3のポーションのようだ。


 「うーむ。色だけでは全く分からん…なんか不味そうですし」


 あとは朱の丸薬や蒼の丸薬と言った一時的に攻撃力や防御力を高める効果がある薬剤?や消毒液、包帯、解毒剤など冒険者が必要になるであろうものも一通り扱っていた。


 豊富な品揃えから察するに流石規模が大きい方の支部と言われるだけはあるようだ。


 物色していると受付嬢に呼ばれてロトカは戻った。


 「あとは身長・体重測定だけです。こっちへどうぞ」


 そう言われて奥に通されて治療室に通された。そこには体重計と身長計があった。


 「やっぱり大きいですね!202センチ!はー。私にも少し分けて欲しいくらいですよ。で、体重は…う、うそ。こんな細いのに120キロ?故障ですかね…?ちょっと私が乗ってみましょう」


 受付嬢が体重計に乗ってみて44.5キロを針が刺した。


 「あれ…2キロ増えてる….や、やっぱり故障かな?うん。きっと故障ですね」


 「まあ2キロなんて誤差でしょう。私もお腹いっぱい食べればそのくらい増えますしね」


 ずーん、と沈んでいた受付嬢を励まして他の注意事項などを聞いた。


 【Fランクの冒険者向けのサポート】

・解体屋からの荷台の無料貸出

・武具の期限付き貸出

・ギルドが贔屓にしてる宿で割引

・ギルド販売店でのポーションなど薬品の割引

・討伐クエスト1つに付き1、2ランクのポーションを1本づつ支給

・コンパスを贈呈   など


 【その他注意事項】

・クエストには期限が付いている場合がほとんど。

・期限切れだけは避けた方が良い。報酬金以上の額を違約金として請求される。

・失敗、つまりクエスト遂行不可能だと判断した場合は申告する。その際は期日までの残り日数に応じた違約金を支払う。但しその際は前者よりも割合としてはずっと少ない金額で済む。

・ランク的に受注可能なクエストでも冒険者の能力的に達成可能性が著しく低いと判断された場合は受注できない場合がある。

・冒険者は1つのランクで10回期限切れを起こしてしまうと基本的に退会

・冒険者の退会自体はいつでも可能でお金は掛からない。但し例外は唯一3つ存在する。

  1つ目:期限付きクエストを受けたままの場合

  2つ目:ギルドに借金がある場合

  3つ目:戦争に参加した場合

・退会後の冒険者に対してギルドは請求権を有さない。例外は当時ギルドが知り得なかった内容が後に明らかにされ、該当冒険者が関わっていたと証明された場合

・退会後、冒険者は再度登録する際はFランクからスタート

・退会後、冒険者は別のギルドへの登録は可能。但し、退会理由によっては断られる可能性がある

・冒険者は戦争には参加してはならない。

・冒険者は直接依頼主からギルドを通さず、依頼を受けてはならない。依頼とは所定の金額以上を報酬としてもらう契約のことを指す。

・ギルド入り口に設置してある資料にその他規則が記載されているので後ほど確認すること


 実際には規則から少しはみ出しても職業柄多めに見る事が多い、というのはとても職員の口からは説明できない事であったし、冒険者の中でも先輩から後輩へと口伝されてきた。だがロトカはそんな事を知る由もない。


 冒険者は自由であるというロトカの勝手な印象とは別に規則が多くて案外そんな事はないのかもしれないと感じていた。

 しかし、何事も経験であると考え直したロトカは説明を聞き、それが記載された書類にてきとーにサインした。


 「はい。これで入会手続きは終了です。こちらがロトカさんのギルドカードです。大切になさってくださいね?特に裏面には紛失した際の個人確認の参考に使うために先程計測した身体的特徴も記載されていますので把握お願いします」


 表面にはランクと名前、所属ギルド名、ギルドへの登録日、所属パーティ名。

 裏面には人種、性別、身長、体重、クエスト成功回数が記載されている。


 「本日から依頼が受けられますよ。依頼の受け方などはご存知ですか?」


 その後に一通り依頼の受け方や完了報告までの流れについて教えてもらった。

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