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【アニメ化決定】ロメリア戦記~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~  作者: 有山リョウ
第七章 ラナル平原編~ガリオスの脅威~ 

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第五話 抜け駆け③

ロメリア戦記のアニメ化が決まりました!

ロメリア戦記がアニメになります。続報は判明次第、ご報告させていただきます。

こうしてアニメになるのも、応援してくれているファンの皆様のおかげです。

これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。


いつも感想やブックマーク、評価や誤字脱字の指摘などありがとうございます。

小学館ガガガブックス様よりロメリア戦記が発売中です。

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マグコミ様で連載中ですよ。



 流暢に人間の言葉を話す魔族を見て、ゼータは目を丸くする。


「人間の言葉が喋れるのか?」

「話すぐらいならな。名乗りをあげておくか。我こそはガリオスが三男、双剣のガオンである」

 ガオンは高らかに名乗りをあげる。魔王軍は武を尊ぶ。騎士のように名乗る文化があるのだ。


「ならば私も名乗ろう。我こそはハメイル王国隼騎士団隊長。ゼブル将軍が次男ゼータ!」

 ゼータの名乗りを聞くと、ガオンは爬虫類の瞳を丸くした。


「ほぉ、ゼブル将軍の息子か」

「父を知っているのか!」

「知っているも何も、ゼブル将軍の首を取ったのはこの俺よ」

 ガオンが堂々と胸を張る。


「なんだと、貴様が!」

 ゼータは握る槍に力を込めた。魔王軍が武人の気質を持つとすれば、挑発のために武功を偽るとは思えない。つまり目の前にいるガオンは、まさに父の仇なのだ。


「ゼブル将軍は立派だった。将軍の首を取ったとき、この戦争に勝ったと思った。だが勝利を確信した直後に、ガンガルガ要塞は落ちた。自らを囮として要塞を落とす。見事であった」

 ガオンは息を吐き頷く。その声に偽りがあるようには思えず、ゼータは胸が熱くなるのを覚えた。ガンガルガ要塞を攻略したのは二年前のこと。しかもゼブル将軍とガオンは敵同士である。だがガオンは、今も敵の武勇を語り継いでいるのだ。


「父上の仇、とらせてもらう!」

「やれるものならやってみろ。ゼブル将軍は我が右剣で斬った。お前はこの左剣で屠り、父のもとに送ってくれよう」

 ガオンが右の剣と左の剣を交互に掲げる。


「覚悟!」

 ゼータは馬を走らせ、ガオンに斬りかかる。槍を突き、払い、そして薙ぐ。対するガオンは双剣を自由自在に振り回し、ゼータの槍を受ける。


 攻防の応酬は十数合に及んだ。しかし互いの刃が相手の体を捉えることはない。

 ゼータは息を弾ませながら、ガオンとの距離を測る。ガオンの双剣に加え、怪腕竜の両腕による攻撃が厄介だった。しかし押しているのは自分である。自分の槍は魔族にも通じるのだとゼータは意気込む。一方、ガオンはなぜか双剣を下げた。


「どうした、臆したか!」

「ふん。ゼブル将軍の息子というからどれほどのものかと期待したが、父には遠く及ばぬ」

「なんだと!」

 侮蔑の言葉にゼータは目の色を変える。だがガオンは眉間に皺を走らせる。


「視野が狭い!」

 一喝したガオンは目を細め、左へと動かす。ガオンの視線の先では、ベトレーが剣竜に跨るガストンと戦っていた。そして隼騎士団はというと、ガオンとガストンが引き連れてきた重装甲の歩兵と戦っている。


 ガオンの重装歩兵部隊は、ほかの魔族よりも体格に優れており、全身鎧も相まって高い防御力を誇っている。隼騎士団は完全に足を止められていた。しかしそのことはゼータも理解している。であるからこそ、一刻も早く目の前のガオンを倒さねばならないのだ。


 ガオンが細めた目をゼータへと戻す。いや、違う。その縦に割れた瞳孔は、ゼータのさらに背後を見つめていた。


 ゼータは視線の意味に気づき、馬上で振り返った。ゼータと隼騎士団は魔王軍を裂くように進軍した。だが振り返ったその先に切り裂いた傷跡はなく、左右に別れた魔王軍はピタリとくっつき元に戻っている。いや、元に戻るだけではない。魔王軍の戦列の前には、どこから現れたのか三本角竜(トリケラ)に跨る魔族が重装歩兵と共に陣取っていた。


「なっ、いつの間に!」

 ゼータは愕然とした。前進を開始していたハメイル王国軍は、ゼータ達隼騎士団と合流しようとしていた。しかし三本角竜と重装歩兵に阻まれている。


 ゼータの全身に悪寒が駆け抜けた。

 騎兵は歩兵と連動せねばならない。しかし今や両者の連携は完全に分断されていた。しかもゼータ達は前進を阻まれ、騎兵の強みである機動力も失っている。左右を見回せば、敵に囲まれ、逃げ場もない。


「なっ、馬鹿な。なぜこうなる!」

 ゼータはわけが分からなかった。先程まで勝利は目前であったのに、今や死地に陥っている。


「馬鹿はお前だ。気持ちよく進軍していたのだろうが、あれは我らが道を開けていたのだ」

 ガオンの言葉にゼータは衝撃を受けた。だがそのようなこと、出来るわけがない。兵士とは指揮官が思い描くように動いてはくれない。長い訓練を経て、ようやく前進や方向転換が可能となる。ガオンが言うような行動をとるには、入念な準備と訓練が必要となる。


「これぞ特務参謀ギャミの必殺の策よ、お前は頭から罠に飛び込んだのだ」

 ガオンが下げた双剣を構えなおす。

「さて、父の元に送ってくれよう。寂しがることはない。お前の部下達も一緒だ」

 ガオンが左手に持つ剣を煌めかせる。


 ゼータの顔は蒼白となった。自分の先走りで自分が死ぬのは構わない。だが鍛えた部下達を死なせるわけにはいかなかった。ゼータは活路を探した。だが相手がこの状況を仕組んだとなれば、逃げ道があろうはずもない。ならばやるべきことは一つ。


「だったら! お前を倒して突き進むのみ!」

 槍を構え、ゼータは馬を走らせた。退路がないのならば、前進するよりほかはない。


「ふん、それが出来るつもりか?」

 槍を突くゼータに対し、ガオンが左右の双剣を繰り出す。自由自在に動く双剣は、まるで舞う鳥の翼の如く。多彩な動きにゼータはついていけず、右腕に傷を負う。

 腕から出血したゼータは顔を歪める。先程までとはまるで違う、美しいとさえいえる剣技であった。


「包囲が完成するまでの間は守勢にまわっていた。だがここからが本番だ」

 ガオンが翼を広げた鳥のように、双剣を構える。ゼータは斬られる自分の姿を幻視した。


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ゼータ「そんな兵の指揮、出きるはずがない!」 ロメ様「出来ますよ?」 ギャミ「出きるな」
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