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06 スライムとスライムとスライム!

昼食を食べ終わった僕たちは装備を整えている。なぜかと言うとダンジョンに入るからだ。思い返すとこの島に来てからダンジョンに入ろう入ろうと思ってたものの色々あって入れていなかった。そこで僕から言ってみようと冒険者たちに声をかけたのだった。すると、ロズバインが、


「よし、入ってみるとするか。私たちもダンジョンに入って低層だけでも調査しようかと思っていたところなのだ。明日の昼ぐらいにギルドの人たちがやってくる。それまでに少しだけでも進めたいからな。よしみんな聞いてくれ。今から装備がちゃんとある者は装備してダンジョンへ入る。目指すは10層だ。装備が足りない者には食料調達に行ってもらいたい。私たちは日が沈むまでには引き上げたいと思っている。」


そう言って指揮をとっている。その数十分後、装備を済ませた僕と冒険者たちはダンジョンに入っていった。ちなみにロック教官は今まで荷物番や野菜の調達に行っていたが今日は海でモリを使って魚を獲るそうだ。ゴーレムなのに海に入っても大丈夫かと心配したがへっちゃららしい。すごいな…


記念すべき第1層は直径15mの円状で奥にドアが見える。下を見ると透明な生き物がいる。そう、定番のアイツだ。


「これって、スライムだよね。」

「あぁ、こいつは無属性のスライムだな。こいつなら一般市民でも楽勝だ。」


そう言いながら、冒険者たちはスライムを次々に"蹴って"いく。それだけでスライムは倒れたらしく動かなくなった。すると冒険者たちはナイフを取り出し、スライムの核であろうピンポン球位の透明な玉を取り出した。するとスライムの体は溶けて跡形もなく消えてしまった。


「蹴ってでも倒せるんだ…」

「こんなの当たり前じゃんか。いちいちこんなのに剣なんか使ったら疲れるし、弓だったら矢が無くなっちゃうじゃんか。」


そう言って答えてくれたファッサ。笑顔でスライムを蹴飛ばしていく。なんだかスライムがかわいそうに見えてくる。すると、キラッと光るものが落ちた。それをファッサが拾う。


「それは?」

「これがドロップ品さ。ちなみにこいつは魔結晶のちっこいの。ドロップ品はさっきみたいにモンスターから落ちてくる。それにモンスター自体からも核なんかが剥ぎ取れるんだよ。小さいモンスターは1〜3箇所でボスモンスターは多い時には20箇所以上剥ぎ取れるんだ。その後、モンスターの残骸はダンジョンに取り込まれる。ダンジョンも生き物なのさ。外の森なんかじゃモンスターは体は自然に腐るまであるんだ。なんか、不思議だよな。」

「ダンジョンは生き物なのか。モンスターをポップさせて倒されその亡骸を回収してまたモンスターをポップさせる、まるでリサイクル会社みたいだよ。」

「りさいくるがいしゃ?なんだそれ?」

「一度使ったものを集めて再びものとして販売する、そんな店のことだよ。」

「ふーん。」


そんな話をしていると奥でロズバインがみんなに話しかけてきた。


「よし、このフロアのスライムは全滅させた。今からボス部屋に入る。おそらくビッグスライムの無属性だと思われるが気は抜くなよ。では、入るぞ。」


ロズバインに続きみんなでボス部屋に入った。ボス部屋は逆ひょうたんの形をしていた。入ってきたところは直径3mの円でボスが鎮座しているところは直径10mの円状の場所だ。


「やはりビッグスライム一匹だけだ。ではいく..」

「ショウノが倒してみたいってさ。」

「ちょっと、ファッサ。何言ってるんだよ、僕、戦ったことないんだぞ。」

「そうか、ショウノやってみるか。こいつを一人で倒せれば冒険者の仲間入りだ。頑張れよ。」


なぜかロズバインが許可し、応援までされてしまった。


「はじめてだけどやってみるか。」

「おう、頑張れよ、動きはちゃんと見ろよ。ジャンプして消化しようとするぞ。」

「何それ、こわっ!」

「あんま動かないから大丈夫だよ。それに読みやすいから大丈夫だよ。」

「大丈夫さ!」


冒険者全員に応援されてしまった。よし、と気合いを入れ身武で片手剣を出し構える。


「弱点は核だ。だいたいは真ん中にあるがたまに位置がずれる。それでも冷静さは失うなよ。冷静さを失えばたとえスライムにでも殺されるんだ、冷静に、だ。」


そう言われたので肩の力を抜き深呼吸をして再び構える。そして近づいていく。するとビッグスライムがジャンプしてきた。


「よっと。」


反復横飛びの要領で避けた。どうやらジャンプする前に体を縮ませるみたいだ。するとビッグスライムが体を縮ませジャンプしてきた。だがもう読めた。すぐに着地地点から避け、着地する前にバドミントンのフォアのように剣を振った。するとガツンッ、という衝撃のあと、剣を振り切ると剣にはビッグスライムの核であろう透明の丸い結晶がくっついていた。


「よくやった、ショウノ!」

「かっこよかったぞ!」

「これで冒険者の仲間入りだぞ!」


次々と祝福を受けた。嬉しかった、でも思いっきり背中を叩かれるのはやめていただきたい。プレートメイルみたいなの装備していないんだから。


すると奥に階段が現れた。登っていくとそこは同じ構造だがいるモンスターが違った。ファイアスライムだ。まあ、見た目で分かる。1層のスライムの赤いバージョンではあるが頭のてっぺんが炎の形をしていた。


今度はみんな、水魔法を使っていた。僕も使って倒していく。


「ウォーターボール!」


呪文と共にスライムに向かって手をかざすと水の丸い珠が現れファイアスライムに当たった。すると赤い欠片が落ちた。


「おっ、これは炎の魔結晶だな。こいつは杖に使って、炎の魔法の威力が上がったりするんだ。あとはキッチンだな。」


属性つきの魔結晶は生活の中で幅広く使われているらしい。水の魔結晶は洗面所や流しに。風属性は空気の循環を促し、土属性は壁の補強や地盤を固めたりとこんな風に使われているらしい。家に帰ったら確認してみよう。ちなみにシャワーなどは水と炎の会わせ技でできているらしい。


そのあともダンジョンを上っていく。3層は青いウォータースライム、4層は黄緑色で頭に竜巻のようなものがあるウィンドスライム、5層は頭に石があるサンドスライム、6層は天使のような羽のようなものがあるライトスライムで7層はコウモリの羽のようなものがあるダークスライムだった。もちろんボスはそのビッグバージョンだ。9層は全てのスライムがフィールドにいた。ボスは六属性のビッグスライムの中から二種類がランダムに現れた。そして、10層に到達した。


「ここも六属性のスライムのようだな。」

「そうだね。でも魔法の練習ができるから嬉しいよ。」

「ショウノは器用だな。六属性を平均的にしかも上手に操れている。私は風属性と光属性はからっきしダメなのだよ。」

「そうだな、俺もダメなのがあるぞ。ショウノは回復魔法もできるんだ、自慢してもいいぐらいだぞ。」

「へぇ、ちょっと嬉しいな。じゃあこれからも全属性が操れるように平均的に練習するようにしよう。」


それから数分後、全部のスライムを倒し終わりボス部屋に入った。すると冒険者の目の色が変わった。目の前には光が当たってキラキラと輝くスライムがいた。


「まさか、こんなところで会えるとはな。」

「あぁ。」

「こいつの名前は…」


名前を聞こうとしたがみんな光輝くスライムにくぎ付けだったため鑑定スキルを使った。


「ジャッジ!」


すると、こう出てきた。


ーダイヤモンドスライムー


滅多にお目にかかれないレア中のレアモンスター。体がダイヤモンドでできているためとても固いが動くことができない。炎以外の五属性の魔法を操る。炎魔法に弱いが倒したあとのダイヤの質を落としてしまう。


「すごいやつが現れた…」


つい言葉がこぼれてしまった。するとロズバインが我にかえってみんなに言った。


「よ、よし、みんな。一回落ち着こう。残念ながら打撃系の武器はない。なので炎以外の魔法で倒そう。取り囲むようにして全方位から攻撃をする。」


そう言われたので手をあげた。


「どうした、ショウノ。」

「ダイヤモンドスライムはハンマーとかの打撃が有効的なの?」

「あぁ、そうだ。ダメージも大きいし何よりダイヤがきれいな状態で取ることができるんだ。」

「じゃあ、よっと。」


目の前に両手で操るような大きなハンマーを身武で作った。ロズバインは目を点にしている。


「いったいどうやって…」

「出ました、ショウノのユニークスキル!」


おだてぎみにファッサが言った。


「なに、ショウノはユニークスキルまで持っているのか。」

「この技はショウノがいたところの秘伝の技らしいよ。」

「凄いな、いくらでも出せるのか?」

「いや、5個までだよ。じゃあハンマーを扱える人に渡すね。」


そう言って四人に渡した。もちろん自分はハンマーで叩く役をやる。一生に一度しかお目にかかれないかも知れないからと思ったからだ。


「なんだこれ、すごく軽いぞ。」

「これならいくらでも叩けそうだ。」

「この技で作るとなぜだか自分にあったちょうどいい重さになるんですよ。」

「凄すぎではないか、ショウノ。」


そのあと、身武についてちょっと聞かれたがみんなダイヤモンドスライムに集中した。ハンマー持ちも五角形のように散らばった。そして、ロズバインの合図で攻撃を始めた。ハンマー持ちは叩くことに専念し、ダイヤモンドスライムが放った魔法は他の人たちが魔法で相殺していった。


叩き続けること15分ほど、ダイヤモンドスライムの体にヒビが入り大きくダイヤがとれ核が裸になった。


「今だ、ショウノ。核をぶっ潰せ!」

「ラジャー。せーの!」


おもいっきり振り上げ核目掛けて振り下ろした。ダイヤモンドスライムの核は柔らかかったようでつぶれて弾け飛んだ。そして、


「「「やったーー」」」


歓喜の声が上がった。そしてみんなで抱き合って喜んだ。達成感が凄まじく訪れている。いままでこんなにも喜んだのはいつぶりだろうか、いや無かったかもしれないほど喜んだ。


ふと核を潰した所を見ると小さなダイヤが落ちていた。スライムのような形をしている。これぐらいはもらってもいいだろうと思いマジックボックスの中に入れた。そのあと、ダイヤモンドスライムの体からダイヤをダンジョンに吸収されるまでありったけかき集めてバックに入れた。その帰り、もう一度降りてボスと戦うのかと思ったら転送魔法を使って帰るらしい。この転送魔法は踏破したダンジョンの層の次のフィールドまでは行けるらしい。いっぺんには無理らしく3グループに別れて下まで行った。


もう辺りは暗くなっていた。食料調達の人たちと合流して急いで夕食を作り食べた。食べながら今日あったことをお祖母ちゃんたちに話すとビックリされたり誉められたりした。夕食を食べ終わり冒険者たちとお休みを言った後、お祖母ちゃんと一緒に家に帰った。そして、急いで風呂に入って歯を磨き布団へと飛び込んだ。今日もいい夢が見れそうだ。

読んでいただきありがとうございます。

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