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7、やっぱり性別不明者



どうも。私、見た目性別不明者です。

まだ名前はありません。

髪の毛を整えられて益々性別がわからなくなりました。

左目が前髪で隠れていて、右側の長い毛を三つ編み。で、あとはショートカットになってるんですけど…コレ、ヴィル様が見たら絶対に鼻血出すんだろうな…と、確信してます。

左目を隠しているのはヴィル様対策らしいです。

両面出すとヴィル様の鼻血が止まらないだろうと判断されたそうですよ。


え?今ここにヴィル様いないのかって?

今ここにいるのはエセンさんと店員さんだけです。

ヴィル様は張り切って洋服を買いに行きました。

なので今、私達は美容院でヴィル様の帰りを待っています。

……この美容院すごいんですよ…。

まず髪を切る場所が1つ1つ個別で、頭上にはシャンデリア。 (コレも1つ1つ付いてるらしいです)

鏡の縁には宝石が散りばめられていて、床は大理石。

…いくらするんだろうな…この世界のお金について知らないから金額を教えて貰ってもわからないんだけどね。


「どうしたの?なんか気になる?」

「えっと…あの、このような部屋?のつくりはエセンさん達にとって普通なんですか?」

凄く気になったから聞いてみた。

コレで普通だったらこれから行くお屋敷はきっとこれ以上って事になる。

なんてったって公爵家だからね…。


「うーん…大理石…あぁこの床の事ね。

大理石の床と壁は普通かな?シャンデリアは大部屋には付いてるよ。鏡の縁に宝石…は、俺とヴィルの家にはないかな。キミが宝石欲しいって言えばヴィル 張り切って買うと思うけど…」

「いらないですね」

あっても必要ない。

宝石要らない。


「即答…キミ、宝石似合いそうなのに」

「ありがとうございます?…でも男に宝石ってあまり必要ないと思うんです」

「うーん…そうでもないと思うよ。ほら、俺の服にも付いてるでしょ?」


エセンさんの襟には、端にかけて量が多くなるように、ラインストーンの様な物が付いていた。

こういう宝石もあるのか…ダイヤみたいなものかな?なんて思いながら襟を見ていると背後から、

「宝石は好みじゃ無いか?私もあまり好きでは無いが……」

と声がした。


「ヴィル、おかえり。いい服あった……って聞くまでもないか。その両手の荷物を見れば…」

「あぁ、着てもらう服だからね。すごい悩んだよ…次は一緒に買いに行きたいと思うのだけれど、どうだろう?」

と聞かれたので、振り返って『はい』と言おうとしたら、振り向いた時点で鼻血を出された。今回は静かに。…こう…ツーって感じで。


「あぁ、想像以上だよ。さぁこれを着て来てくれないかな?」

と袋を渡されたので、促されるまま更衣室に向かった。

袋の中には、セーラー襟の付いた半袖のトップス、キュロットスカート、ハイソックスに靴が入っていた。

制服に似ているなと思ったので抵抗なく着ることが出来た。

サイズもぴったりだった。

元々来ていた服を袋に入れて鏡を見る。


「うおっやっぱり私可愛いわ。何これ…見た目女の子じゃん。…神(笑)に男でって言ったのに、これじゃ女の子と変わらなくない?」

ヴィル様これ、鼻血じゃん絶対。

あの人自滅したいのかな?

そんな事を思いながらヴィル様の元に向かった。


「うぃるさま。着てきました。…どうですか?」

似合ってると思うけど、とりあえず聞いてみる。


「あぁ、おかえぶっっつ」


あ、鼻血吹き出して倒れた。

お気に召した様で良かったです。

…でもこの人、いつか絶対出血死するよ。

なんでそんなに鼻血出せるの?鼻おかしくなってるんじゃない?


「ヴィル?…少しは堪えるとかしようよ」

エセンさんが呆れた様に言う。

「あぁ、善処する」


鼻を抑えながら言われてもな…。


「さぁ、髪も切った。服も買った。…よし、家へ帰ろうか。それに早く名前を決めなきゃね」

「いい名前つけてあげてよ?ほんと」

「わかっている。大丈夫だ。任せろ」

「心配だよ…」


私も心配です。

とは言えないので、黙って跡をついていく。




馬車に揺られて移動すること数十分。

私は大きな門の前にいた。


「おまたせ。

ここが私の家だよ。これからキミの家になるんだ。改めてよろしくね?」

「はい。よろしくおねがいします」


…すっごい大きな家だな………。

よく、ドーム何個分の大きさです!って大きさの紹介があるけど、私ドームの大きさわかんないしな…

すごいな。見上げるの疲れた。…首痛い。

なんて考えていたら



「ゔぃぃぃるぅぅぅう!!!」


そう叫ぶ少年の声がした。




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