3、*シャルルヴィル・カトラリー
本日2話目です。
やっと可愛いモノ好きの変態が出てきました。
私の名前はシャルルヴィル・カトラリー。
カトラリー家の当主で、女が苦手。
シャルとかヴィルなんて呼ばれている独身貴族である。
「ヴィル?そろそろ、その怖い顔をやめてくれないかい?今回ヴィル好みの子が出てくるって情報を得たから連れてきたんだ。だから、な?眉間のシワを取ってくれよ…」
彼の名前はエセン・フリント。
小さい頃から一緒にいる親友のようなもの。
今日はエセンに連れられてこのオークションに来ている。
「…この、お綺麗なモノを愛する方々向けってなんだよ。綺麗なモノを愛でる変態が集まるようなオークションじゃないか…」
「お前だって変態だろ」って言うエセンの言葉は無視した。
私は変態ではない。ただ、可愛いものが好きなんだ。ただ、それだけである。
「うーん…まぁ、変態が集まってるかも知れないんだけどね?今回の目玉商品ちゃんはスタート金額10000っていうから期待できるかなって思ってさ」
金額がそれくらいから始まるってことはそれくらい綺麗な子供が手に入ったって事になる。
「奴隷を娯楽のために買うって言うのがなぁ…」
「ヴィルの美学に反する?」
「そうじゃないんだが…うーん…」
そんな事を話していたら会場がざわめき出した。
今回の目玉商品の登場らしい。
少し気になってはいたので、ステージを見ていると、2人の少年が手を繋いで出てきた。
…手を繋いで。
なんだそれ尊いなんて思いながら見ていたら、少年が正面を向いた時、思わず立ち上がってしまった。
「なんだ?あの子…すっごく…可愛いんだが…」
思わず呟いてしまった。
「だろ?あの水色の子、ヴィルの好みドンピシャだろ」
なんてエセンが言ってきた。
ドンピシャなんてものじゃない。
あんなに綺麗で可愛い少年なんて、この世に存在するのか…
絶対自分の手に入れたいと思ってしまった。
そのままオークションに参加して、落札。
「おいおいおい。ヴィル、大丈夫か?そんな大金はたいちまって…」
エセンが心配して話しかけてくる。
「ん?あぁ、金額については問題ない。これくらい手持ちで事足りる」
なんでもないように言ってのける。
「この金額が手持ちって…流石公爵家だな…」
それよりも彼を受け入れる準備である。
買うつもりなんてなかったから何も準備をしていない。
「これから買い物だな。エセン、このまま付き合ってくれるか?私だけでは偏ったものを買ってしまいそうだから」
洋服に日用品、アクセサリーも必要かな?
あとは何が必要だろう…
「あぁ、買い物に付き合うくらい大丈夫だよ。
それよりも、お前がこのまま会いに行って、彼に引かれないかが心配だよ。ストッパー役のルセットくんいないしね」
「ルセットをこんな変態どもが集まるようなオークションに連れてこれないだろう?変なのに目をつけられてしまうよ」
「……お前の所有物に手を出すバカはいないよ」
「それより、私の今日の格好は大丈夫だろうか?
彼の瞳に映っても大丈夫だろうか?」
「大丈夫だよ。ヴィルはいつでも綺麗でかっこいいよ。男の俺から見てもね」
シャルルヴィル・カトラリー公爵。
カトラリー公爵家当主の美青年。
可愛いものが好きな変態公爵。
何故可愛いものが好きなだけで変態なのかは、女が苦手って所で察してくれるとありがたい。
エセン・フリント。
フリント伯爵家の次期当主。
シャルルヴィルと旧知の仲で、ちょっとずれているシャルルヴィルの面倒をよく見ている。
彼もまた美青年である。
シャルルヴィルのストッパー役のルセットと仲が良い。