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第六話:祝勝会

試合が終わった後は結構ドタバタした。


まず、直ぐにキャプテンが先生に呼び出されていなくなってしまった。

多分今後のことだろう。

次に、観客が騒ぎ出してしまった。

わーっわーっ、といつまでも煩くしていたら遂に羽村先輩がきれてダウンの途中で観客の方に突っ込んでいったり。


その後、柔道部と激しい戦闘を繰り広げたらしい。


少し静かになると相手チームは帰って行ったのだが、村田という1年の子がそのとき俺にライバル宣言とかをして来たり。


俺はちゃんと望むところだって言っておいたけどな。


そして、ストレッチが終わり一息入れようかと休んでいると報道部が取材にやって来て俺ばっかりに聞くので田崎先輩が暴れ出して皆で止めたりと後いろんな事がたくさんあったのだが、兎に角楽しかった。




・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・



今はキャプテンがやっと解散を告げて、お祭り好きの田崎先輩の提案の祝勝&部の存続会の最中である。


会といってもそこは学生なので某バーガーチェーン店で行われている。いちよう先輩が奢ってくれるらしい。


俺が羽村先輩が竹橋を攻撃して、田崎先輩が相川先輩で遊びだしたのを横目に眺めていると、同じようにそれを見ていたキャプテンが俺の方に歩いてきた。


「いつもあんなんじゃ大変ですね。」


「そうでも・・・・・・・・・・あるかな。でも、楽しいから構わないんだけどね。」


すると、キャプテンがこの店の中のムードとは少し違う真剣な表情になったので、俺はそれにつられて姿勢を正した。


「・・・・・・・今日はありがとう。助かったよ。」

そう言うと、キャプテンは頭を下げたので森下は少し焦りながら言った。


「頭なんて下げないで下さい。周りの人に見られたら絶対俺良い印象は持たれませんから。・・・・・それに、俺が詰まんない意地はったりせずにもっと早くにマウンドに昇ってたら皆が観客に馬鹿にされることもありませんでした。」


キャプテンはそれを聞くと直ぐに顔をあげると、笑って言った。


「そんなことないよ。何でもっと早く?とか思わなくもないけど、・・・・・皆、君には感謝してるよ。・・・・・だから、皆の代表としてもう一度だけ言わせてもらうよ。・・・・・今日はありがとう。・・・・・まだ話したい事はあるんだけど、もうそろそろあの二人を止めないと追い出されちゃいそうだからいくよ。フフッ、キャプテンは大変だよ。」


・・・・・ホントに、良く出来た人だな。

あの二人には少しでも見習って欲しいんだけど・・・。



そして、一人になった彼の所に今度はマネージャーの永谷がやって来た。


「・・・・・今日はお疲れ様。」

何を言おうか考えた結果この言葉が無難だとの事で選ばれた。


「ははっ、確かに結構疲れたな。もう半年以上も真面目に運動なんてしてなかったのにいきなり7回も投げたんだもんな。」

何気なく肩や足の筋肉を触ったり動かしたりしながら答えた。


「それでも無失点だったんだから凄いよね。」


「そうでもないと思うけど・・・・・だって最初の方はまだ良かったけど終盤に入ってから急にコントロールも球のキレも悪くなったし、失点してなかったのは皆の力の部分も関係してたよ。でも、もし点取られたりしてたら俺羽村先輩に何されてたか分かったもんじゃ無かったなぁ。・・・・本当に良かった。」

しみじみとそう感じた。


「・・・ほんとに凄いね。一日であの人があそこまで言うようになった事は今まで無かったと思うよ。それに・・・・・もうずっと前からチームに入ってたみたいに馴染んでるんだもん。」

嬉しくねーな。・・・・・田崎先輩も一日で、いや恐らく直ぐに喧嘩し始めたんじゃないかと思うけどな。

考えてみたらおかしな話しだよな。昨日までホントに皆あった事無かったんだから。


「俺、今はこんなだけど投げてる時は結構カッコ良かっただろ。・・・自分で言うのもあれだけど。」

少し空気が重い感じだったのでこんなことを言ったのだが、言ってるうちに恥ずかしくなってしまった。


「・・・・・うん。今まで見て来た人の中で一番。プロは抜いてだけどね。」

当たり前だ。プロと比べられても困る。特に、

「・・・・・・・・・・・・・・英昭選手とか。」


「・ッ!!知ってるの。」


俺が何となく呟いた名前に永谷は素早い反応を見せた。


おそらく頭に思い浮かべた選手が一緒で珍しかったからだろう。

そうか、あの人か。それなら俺が勝てる訳ないな。


「知ってるも何も、俺はあの人がいなかったら多分ピッチャーやってないし。それに気ずかなかったのか?俺のフォームはあの人をそのまま真似てるんだぜ。」


あの人を知ってる人がいるとはな。今まで誰に話しても全員知らないって言うから誰も知ってないんだと思ってたけど、こんな身近にいるとは思わなかった。




「先輩おかわりお願いしまーす。」

「お前少しは遠慮しやがれ!!」

俺は自分の食べ物がなくなったので貰いに行った。

このあと永谷は少しの間座っていたがそのあとは皆に交じっていた。















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