第四話:プレイボール!!
「プレイボール!!」
の掛声と共に先輩の足が上がって白岡先輩はスリークォータで右腕からボールを投げた。
初球はぎりぎり外に外れてボールですぐに二球目も投げた。
《キィィィーンン》当たりは良かったがサードの真正面でワンアウト。
次のバッターは真ん中近くに行った初球を引っ張ってレフト前ヒット。
続く三番は初球は見送りのストライクでその間にランナーが盗塁で二塁に行った。
(やっぱ、一ヶ月ぐらいじゃセットモーションまでは出来なかったみたいだな。楽々と盗塁されてるからな。)
二球目は内角にボール一つ分ぐらい外れてボール、そして次の外角のボールを引っ張った。
「ライト!!」
(もう、外角のボールは流せよ。)
ちゃんと打球は捕球したが内野にボールを返す時にゆっくりしていたのでタッチアップをされてツーアウトランナー三塁でバッターは試合前に話していた一年の四番。
バッターボックスに立って構えると普段より大きく見える。
(キャプテン大丈夫かなあ。)
そんなふうに考えていると案の定初球の真ん中近くの甘く入ったカーブをジャストミートされボールはフェンスを越えて行った。
(あっちぁ〜、いきなり二点も入れられちゃったよ。それにしても随分呆気なかったな。)
次のバッターは四球目のボール球を引っ掛けてセカンドゴロでチェンジになった。
「おい!!お前ら取られたもんはしょうがねえ取り返せ!!」
と言う言葉も虚しく三者凡退に終わった。
「まだまだチャンスはあるからしっかり守れ!!」
「はい!!」
(皆負けてても楽しそうでいいなー。俺も・・・・でもなあ。)
少しずつ何かが変わって来てるのである。
「野球部!しっかり守れよ〜。」
(・・・・・・・・・・・・・)
2回は先頭バッターにヒットを打たれて次のバッターがバントでワンナウト二塁とまたピンチになったが次の8番をピッチャーゴロに打ち取って9番もカーブを引っ掛けてショートフライでチェンジになった、
と思ったが以外と打球が伸びてレフト前に落ちるポテンヒットになってツーアウトだったのでランナーが返ってきて三点差になった。
続く1番はいい当たりをされたがショートがうまくさばいてこの回も終わった。
「キャプテン気にすんな。」
「取られたら取り返せですよ。」
「まだ三点、三点。」
(皆、本当に楽しそうだなあ。)
「おいおい、野球部大丈夫かよ。こっちの攻撃はそっこーで終わったのに。」
「もっと頑張りやがれー。」
(・・・・・・・・・・・・・・・クッ)
この回は先頭バッターの羽村先輩がヒットで出塁したが後続を抑えられて1点も入らずにチェンジになった。
「校長先生やっぱり野球部は廃部になりそうですね。」
バックネット裏である生徒が校長に言った。
「そうですかね。まだ2回しかやってませんよ。」
「わかりますよ。だって過去の成績を見てもほとんど勝ったためしがないですから。」
「わざわざ調べてくれたんですか?」
「こんなこと、この学校の人ならだれでも知ってますよ。」
「でも、皆まだ全然諦めてませんよ。まあ終わったら分かりますから、最後まで付き合いましょう。」
そして、試合は次の回から少し予想してなかった結果になっていくのだった。
この回先頭の2番バッターにいきなり不意を突くセーフティバントを食らっていきなりノーアウトからランナーを出してしまった。
そして、キャプテンは盗塁を警戒しすぎて真ん中付近にボールを投げてしまい左中間へのタイムリーツーベースを打たれてしまった。
(これで4点差か。次取られたらヤバくなるぞ。)
そして、内野陣はタイムを掛けて話し合っている。
(どうすんのかな、このタイミングで話すことって言っても勝負か敬遠かだろうしなあ。)
「もうこれじゃあ無理だろ、終わりだな。」
「確かになぁ。」
「なぁ、この回終わったらどっか遊びにいこーぜ。」
(・・・・・・・・・・・・・はぁ、俺って忍耐力ねえなあ。あいつの頼み聞いた時からこうなるとは思ってたんだよなあ。)
side 内野
「おい、どうするよ。次取られたら厳しいぞ。」
「このタイムはあのおっさんをどうするかってことか?」
「そうだ!!」
「お前は少しボリュームを落とせ。一々喧しいんだよ。」
確かに羽村の声は相手のベンチまで聞こえて行きそうなくらい大きく、近くにいるものはたまったものではないだろう。
田崎はこの中でも一番羽村を嫌っているので注意をした。
「何だと貴様!!」
当然、羽村は怒る。
「だから、喧しいって言ってんだよ。」
「ふ、2人とも、お、落ち着いて。」
「そ、そうですよ先輩。」
このままでは流石に拙いと思って相川と竹橋が2人を止めようと声を掛ける。
「うーん、僕はねー、キャプテンが決めたらいいと思うなー。」
瀬谷に至っては、二人が言い争っていて2人が止めようとしてるのを目の前で見ているがもう無視してキャプテンに話し掛けている。
「・・・・・・・・・・僕が決めるんなら、ここは一塁あいてるし歩かせるような感じで厳しいところを突いて行った方が・・・・・・」
「本当にそれでいいんですか?キャプテン。」
その言葉を聞いて、羽村の事なんてどうでも良くなって話しの途中で思わず声を挟んだ。
「・・・・・・・・・・・・う「それはそれで不味くないですか?それに、そんなことしたら観客全員帰っちゃいますよ。」・・・・・・・・・・・・・・」
「そうだな、今でさえ・・・・・・・・」
「ああ、少しまずいな。それにあいつはまだ・・・・・・・」
「うーん、そうだよねー、光君。」
「「なぜお前がここにいる。」」
いきなりここにいるはずのない人物が普通に話し掛けて来て直ぐには気ずかなかったが、冷静になってみるとかなり違和感があることに気ずいて、ほぼ2人同時に言葉が出た。
最も、瀬谷にはそんなこと関係ないみたいだが。
「それは、やっぱり話し合いに混ざりたかったからでしょ?」
「いや、いや。俺らに聞くなよ、てかお前外野からわざわざここまで来たのかよ。」
「当たり前でしょ、何言ってんですか。・・・・・・・・・・それで、どうするんですか?キャプテン。このままだったら5回には試合が終わってそうなんですが。」
ここで話しを本題に戻すことにした。
「・・・・・・・・・僕は四球でも良いくらいで行こうと思ってるんだ。」
その答えを聞いて少ししてから言った。
森「・・・・・・・・・・・・・・・・そうですか。あの、皆さんには悪いんですが、ちょっとだけ羽村先輩とキャプテンと話したいんですけど・・・・?」
それを聞いて、意外にも直ぐに白岡はわかった、と言うと3人を残して守備位置についた。
「話しって何だ?」
「先輩はキャプテンの球で抑えられると思いますか?この回だけの話しじゃあなくて。」
「・・・・・・・・・・無理だな。」
「でしょ、このまま黙ってやられたくないんだったら賭けに出てみませんか?」
「・・・・・・・・どういうことだ。」
「見ず知らずの俺にやらせてみませんかってことです。」
羽村は驚いたが、白岡の方は全く驚いたようなそぶりは見せなかった。
「・・・・・・・・・・・・・大丈夫・・・・なんだよね。」
この言葉を聞き、森下の雰囲気が少し変わった。
「はい、大丈夫です。」
「じゃあ、頼んだよ。」
白岡は笑ってそう言って、審判の方に行った。
「おい!!お前、・・・・・・・・」
うっわ〜っ、何言われんだろー、怖〜、この沈黙嫌だなー。
「しっかりやれよ。点取られたりしたらただじゃおかんぞ。」
こえ〜よ。全くキャプテンみたいには言えんのかよ。
それから、守備の交代をキャプテンが告げて森下はマウンドに、白岡は外野に行った。その時、田崎が何か言っていたのだが、森下は無視して投球練習を終わらせた。
やっと一人で落ち着けたな。
お、なんか皆こっち見てら。瀬谷先輩は驚いてんのか分からんけど、とりあえず・・・・・・・・・・・・田崎先輩が怒ってんのは、よ〜く分かる。こっちめっさ睨んでるもん。途中で帰したのは不味かったかな。ハハハ、笑ってくれてんのはキャプテンと・・・・・・・・・・・・・・永谷さん位だな。あ、俺そういえば下の名前知らねえな。試合終わったら聞いてみよ。
[プレイ!!]
おしっ、気合い入れていくか。
更新が少し遅れました。
済みません。




