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第三話

「次は守備練やるから、守備位置つけー。」

と、キャプテンが言うと皆は直ぐに動いて行った。


「なあ、間野。俺はライトだよなあ。」

「外野は全員って言っても三人だけど、兎に角センターに行けばいいから、行こうぜ。」







今は練習を終えて休憩時間になったので間野と雑談をしている。


「それにしても、お前って結構野球できるんだなあ。」

「まあ、俺は運動神経が凄いからなあ。」

「うっわあー、お前そうゆうこと自分で言うなよな。」

「誰も言ってくれないから自分で言ってるんだよ。」

「でも、お前がそれぐらい出来て良かったわ。」

「は?何で?」

「あんまり下手な事してたら羽村先輩が・・・・て事になりそうだからな。」

おいおい、どうゆう事になるんだよ〜〜っ。しかも、遠くを見る様な目をして青ざめながら言うなよ。それにしてもあの人何をしたんだ?聞きたく無いけどな。


「なあなあ、さっき思ったけどこのチームってピッチャーいないのか?」

「ふむ。何故にそう思う?」

「さっきのノックでキャプテンがマウンドで受けてたけど、どうも動きがぎこちなかったから。」

「ああ、確かにピッチャーはいなくてな。キャプテンがやり始めたのも最近だしなあ。」

「何で?」

「今年入って来る一年生にピッチャーがいるんじゃないかと思って練習してなかったらしい。それに、中学までに一度でも経験があるのはキャプテンだけだったんだよ。」

おいおい、ちゃんと練習位しとけよな。あと、本当に試合大丈夫かよ。

あまり関係無いとは言えかなり不安だなあ・・・。


「あっ、おい。森下対戦相手が来たぞ!」

そう言われてグラウンドの外を見ると何人もの人がいた。


「あれ何処の高校なんだ?」

「確か田中高校だったと思うぞ。」

は〜〜〜っっ、なんだその一見平凡で覚え難そうに見えて印象に残りそうな高校は!!!


「それで、其処はどれぐらいの強さなんだ?」

頭では名前の事にかなり触れたかったが、今一番大事なことを聞けなくなる気がするから、其処は押さえる事にした。


「本当かどうかは知らんが戸津先輩によるといつも一回戦か二回戦で負けるとこで14人しか部員もいないらしいぞ。まあお願いして直ぐに試合受けてくれるような所だからなあ。」

「そうだなあ、強い所だったら一日二日前に試合申し込んだところで断られるだろうからなあ。」










相手がアップをしてる間にこっちは締めの練習も終わらせたので後は相手が終わるのを待つだけである。


「相手もそんなに強くはないみたいだけど、一人凄いデカイのがいるなあ。」

「ああ、あのキャチな。さっき聞いたけど、あれ俺らと同じ一年らしいぜ。」

「マジかよ!!あれ多分185はあるぜ。」

「それも凄いけどもっと凄いのがゴツさだな。何をしたらあんなムキムキになるんだろうな。」

「でも、まあそれよりもドンだけ観客いんだよ!!!どう見積もっても50以上はいるぞ!!それにあれこれからもっと増えるんだろ。」

さっきまでは全然居なかったのだが相手チームの人達が来た辺りから段々と増え始めたのである。


「あぁーもう。あんま気にしないようにしてたのに〜なんか緊張してきた。」

「そうだよね〜〜緊張しちゃうよね〜〜。」

「瀬谷先輩が言うとイマイチそうゆう風には見えませんけどねぇ。」

どちらかと言うと楽しんでる感じがするんだよなー。


「おい!お前ら。緊張したからってエラーでもしたら許さんぞ。」

怖っ、羽村先輩はやっぱめちゃこええな。


「だってさ。ミスったらどうする?光ちゃん。」

うっわっぁっ、この人はー


「何でいつも背後から声掛けるんすかぁー!!他の人にはちゃんと前からでしょうが。」

「だって一番反応が面白いんだもん。しょうがないじゃん。」「あーはい、そうですか。じゃあもうそれでいいですよ。」


「おい!!お前ら俺の話を聞いてたのか?!!」

「あーあーはいはい。聞いてまし・・・・・た、よ。」

うっわー、やっべー田崎先輩の時と同じ様に言っちまった〜。


「ククククッ、クッ、クッ、はーっハッハッハッハ。」

こっええぇぇえーよ。ヤバイよ。


「いい度胸だな。試合楽しみにしてるからな。」

この言葉だけ残して笑いながら歩いて行った。


「どうしたらいいと思います、田崎先輩?」

背中が冷や汗でいっぱいになってるや。


「俺は知らん。兎に角頑張って生きろ、じゃ。」

クッソー、あの人逃げやがった。で周りを見てみると、皆が少し哀れんで見てる中で一人目をキラキラさせて見てるやつがいる事がわかった。


「竹橋お前どうしたんだ?」

「すっげーす。あの羽村先輩にあんな事言えるなんて。俺なんていつもビクビクして言うこと聞いてるだけなのに。」

そういう事か。確かにこいつ良いように使われてるもんな。「いやそれは勘違いだと思うぞ。それにあの人は誰でも怖い。」

「勘違いなんかじゃないっすよ。あとこれからは師匠と呼ばせてもらいます。」

「そんな呼び方はするな。それから敬語は止めてくれ。」

「嫌です。」

即答かよ。言われるの解ってたみたいだな。


「諦めろ。お前はそういう運命なんだ。」

人事だと思いやがって。


「元はと言え「もうすぐ始まるから集まれー」・・・・。」

そして、間野が肩に手を乗せて


「頑張れ。」と言われてもうどうでもいいや、と思った。









《試合オーダー》

  三越高校


1番 遊 竹橋 右投右打


2番 二 瀬谷 右投右打


3番 一 相川 右投左打


4番 捕 羽村 右投右打


5番 投 白岡 右投右打


6番 三 田崎 右投右打


7番 左 戸塚 左投左打


8番 中 間野 右投右打


9番 右 森下 左投左打



  田中高校


1番 中 志波 右投左打


2番 三 斉藤 右投右打


3番 右 宮本 左投左打


4番 捕 村田 右投右打


5番 一 中津 左投左打


6番 遊 西村 右投右打


7番 左 森田 右投右打


8番 投 小山 右投右打


9番 二 渡部 右投右打


 先行   後攻

 田中 × 三越


「両チーム集合!!それでは田中高対三越高の試合を始めます。礼!!

「お願いっしまーす」」


「おめえら、行くぞ!!「おう!!」」

何でキャプテンじゃなくてあの人が言うんだ?



「プレイボール!!」




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