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龍軌伝 異世界で龍に愛されるニート  作者: とみーと
第十章 妖精の国 編
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観察会

妖精の国 女王ルセルジーア=マグラディの私室にて。


「てめぇ!!逃がさんぞっ!!」

「よぉ!元気だったか?なんかボロボロだな?」

「おめぇのせいだろうがっ!!」

「一応逃げろって忠告はしただろうに」

「理解出来てない相手に忠告も糞もねぇだろうがっ!!」

「まぁ~落ちつけ!取りあえず地面に下ろしてくれ」

「断る!」


女王とその娘リノリスはきょとんした表情を俺に向けていた。いや、娘の方は完全に引いている表情だけど何故だ?女王も不思議そうな表情だけどじっと俺を見てから立ち上がった。


「シン?そこに誰かいるんですね?」

「え?見えてないんですか?」

「そのまま逃がさないで頂戴!!」

「えっ!!!」


胸倉を掴んだまま立っていれば、女王が爺の頭を掴んで莫大で圧倒的な魔力が放出された。魔力の多さに驚いたが女王の手を見えれば魔力が一点を集中している事が分かる。それはまるでポリタンクに水を注入するような、そんな何かを満たすような光景だった。


「おぉ~気持ぃい~///」

「気持ち悪い顔すんな!」

「まだ離しちゃ駄目!」


魔力を流し終えた女王が手を離せばあら不思議。


「ふぅ~行きかえった!」

「生きていたんですね」

「お知り合いですかね?」

「夫よ・・・」


この汚らしい爺がこの美人と夫婦?

女王はフェアリーでこの爺さんもフェアリーなのか?んでなんで爺さんが野垂れ死にそうになってて・・・・。


「百年」

「え?」

「この人が消えてから百年経ちます」

「はい???」

「まぁ死にそうになってた所を小僧に助けられた訳だなっ!」


爺さんは百年前に忽然と消息を絶って行方不明になっていたそうだ。フェアリー、その力は絶大で癒しに置いて右に出る種族はいない。さっき女王が見せたのは単純に魔力を流すだけの行為では無さそうで、もし根源を理解出来ればそれを龍力でも再現出来るかもしれない。なんてことを考えてはいるものの、それは後回し。


「シンのお陰で大切な命が救われました」

「お陰でまた愛するグラディーの胸を堪能出来るわ!」

「駄目よあなた、娘の前でそんなと」

「父上様はどうしてあんなことに・・」


「百年前に失敗したんだ、そして力を抜かれてあの場所で倒れた。それでもフェアリーだからな?あの場に力が溜まり妖精達が集まるようになった」

「んで?百年もの時間を掛けて覗きを続けていたって訳か・・・」


「小僧!まるでワシが変態みたいだろう!見たくて見てた訳じゃないぞっ!!」

「あら?そんなことをずっとしてたのね?へぇ~」

「違う!ワシが好きなのはグラディーの胸だっ!」

「父上様・・・」

「娘にまで引かれるとか・・・無いわ・・」


「それで残った力も土地に取られて虫の息だったと?」

「そうなんだよグラディ~ほんとに大変だったんだから、にしても最高だ!」


いいなぁ~俺もしてぇなぁ~でも人妻だし、流石にそこはちゃんと線引きしとかないと!自分がされたら嫌な事はしない!かといってその娘は・・・う~ん。出来ない事はないだろうけど仮にやったらぶっ飛ばされるだろうし。我慢かなぁ~。


そんなことに思いを馳せていればべらべらと爺は話す。フェアリーは体にダメージを受けても持ち前の癒しの力を持って瞬時に回復する事が出来る。それでも弱点が無い訳では無く、外部からその根源たる力を奪われてしまえば体は消えてそこで初めて死に至るらしい。その状態のフェアリーは例え同属であろうとも視認できず探し出すことは不可能で逆からも同じとのこと。でも、何故俺には見えたんだとそういう話になる訳だ。


「シンには見えたことが不思議ね」

「小僧はワシの声を聞いて近くまで来たんだったな?」

「そんなっ!今の今まで見えなかったし感じませんでしたよ!」


女王が俺に視線をくれる中、彼女が呼んだ彼らが到着を果たした。

「「オトシゴ様!!」」


ニゴスとキソロの二人が涙を流しながら俺に抱き付いてくる。男に抱かれる趣味は無いけど心配してくれていたようだ。二人は俺が消えてしまってから随分と探し回ってくれていたようで、俺を捕獲しようとしていた妖精達から話を聞いて国へ駆けつけ情報を上に通したらしい。オトシゴだと言う事は隠していたようだけど、開口一番でオトシゴ様なんて呼べばそれも意味を成さないだろうに・・・。


「シンがオトシゴ・・・」

「だからワシが見えたのか?」

「でもあなた?いかにオトシゴと言えど消えそうなフェアリーは私でも見えないのですよ?」

「ボレンツのガキでもそんな事は出来ないだろうな!小僧は凄い小僧だなっ!ハッハッハ!」

「なのに声も聞けて姿も見えていた・・・この糞に・・・」


汚い言葉使いをしたリノリスにカッと睨み付ける女王の威厳は凄まじくあっと言う間に頭を垂れる。ニゴスとキソロに礼を言えば、「どちらかが残るべきだったんです!」「こんなことになるなんて!」後悔と懺悔の言葉を吐き出す製造機と化していた。


「小僧!何故ワシが見えた?」

「知らんがな・・気持ち悪い呻き声の方向に進んだらアンタが倒れてた以外何もしてねぇよ」

「初めから見えていたのか?」

「どこからが初めから分からんけど、薄暗い中でも見えてたぞ?」

「シンはヴォルマから来たと言いましたね?」

「そっそうだ!お前は一体何をしに来たんだ!」


三度睨まれ頭を垂れる彼女を横目に、俺は本来の目的と自分なりに考えて出した答えを口にする。


「俺がオトシゴなのは間違いは無いよ、あんたを見れたのは龍の力だってことしか思いつかない」

「龍の力だとっ!?」

「俺はヴォルマのソルナ、ジョコラのルビネラ、ノヴィスの双子と契約してて力を行使出来るんだよ」

「そんなことが信じられるか!お前、嘘も大概にしとけよっ!」

「リノリス?いい加減にしないと母は怒りますよ?」

「へぅっ・・」


「女王様!このニゴスはオトシゴ様が蒼き炎を出す所を見ております!」

「自分もですっ!それにオトシゴ様に助けられたんです!!」


二人の話を聞きながらそれが真実で嘘では無いと判断をした女王は深く頭を下げた。爺も同様だけど、それはオトシゴである俺にではなく命を救ってくれた恩人に対しての礼だって事はちゃんと察した。

リノリスも不服そうではあるものの父を助けて貰ったと言う事実は嘘でないと理解し同様にしていたのだ。そこで俺はニーナに貰ったピンキーリングを出して改めて話を切り出す。



「それは!ニーナに贈った指輪ですね?」

「分かるんですか?」

「お~ニーナか懐かしい名前だ!彼女はこの国の英雄だぞ?」

「お前はニーナ様を知ってるのかっ!」

「ニーナはヴォルマのソルナ龍殿で長をしてて、彼女の提案もあって俺はこの国を目指したんだよ」


「彼女は元気ですか?辛い目に合いながらもこの国を救ってくれたのですよ」

「言葉を返せば二倍で返すぐらいに元気にしてますよ」

「そうかニーナも良い女だったからなぁ~たまらんぜ!」

「あなた?」

「でも好きなのはグラディーだけさ!愛しきグラディーよっ!!」


「ちちくり合うのはよそでやってくれよ・・・」

「父上様を救ってくれた恩はあれど!さっきからその態度は・・・」

「いいんだリノリス!小僧は命の恩人でオトシゴなのだからな!」

「リノリスこそ先ほどからオトシゴに対してその態度はなんです?」

「ですが・・母上様・・」


話がずっと進まなくて困った表情の俺を見たニゴスとキソロが勇敢にも口を挟みチャンスをくれる。

「女王様、聞きたいことがあるんです」

「あなたの問いに答えを持っているなら全てを話しましょう」

「おう!言え!言え!」

「女王様には龍や竜の知り合い、もしくは存在している場所を知りませんか?俺はどうしても会わなければならないリュウがいるんです」

「その問いには答える事が出来ますね」

「二人ぐらいか?」

「シンが探すリュウの特徴は分かりますか?」


直接見れば俺自身で判断できるけど特徴なんてのは分からない。分かりようが無いんだ、会ったことも見たことも無いんだから。どうすれば良いか言葉に詰まる俺に女王は手を差し伸べてくれた。


「私は嘘を見抜く事が出来ます、それにある程度なら記憶そのものを見ることも出来ますがそれをシンに対して勝手にするのは気が引けます」

「お願いします!色々探してはみたんですけど答えには近づけなくて・・・」

「ならまずはグラディーに小僧の力を見せてみるんだ」


俺は眼帯を外して体に龍の力を纏わせて見せた。


「これはっ・・」

「その目の紋が契約の証か・・力の凄まじさが滲み出てるぞ・・」

「あっ・・あっああ・・・ああ父上様・・こっあっ」


リノリスがやたらと脅えているのは何でか分からんけど、女王を真っ直ぐに見つめる。女王も何故か一歩後ろへ下がり恐れるように俺の目を見ていた。

ニゴスとキソロは不思議な顔をしてたけど何だろうか?


「フェアリーにはちゃんと小僧の力の奔流が見えてるんだ・・ワシも正直こうして話すので精一杯なんだぞ?」

「そんなに凄いのか?自分じゃよく分からないんだけど・・・」

「私が今まで見た事のある力を持った者の誰よりもシンには力があります」

「はぁ・・・」

「シン?今からあなたの記憶を見ますが良いのですね?」

「答えが出ようがどうだろうが何かあるなら知りたいです!」


そうして女王が俺の額にちゅーするのだ。

少しだけ前屈みになった時に見えるぐにぃがぐにぃしている光景を俺は記憶に焼き付けた。二度と拝むことが出来ないかもしれないし、こんなにも素敵なぐにぃを忘れたくなんて無かったんだ。


額から唇を離した後、女王は俺の顔を両手で包んでじっと目を見ていた。心なしか頬が赤く染まっているのは気のせいだ!きっとそうに違いない!

時折、えっ!そんな!?なんて驚きを見せていたけど途中から平坦になって解放された。


「シンはオトシゴの中でも特別中の特別。いえ、私がこのような事を口するのは憚られますけど・・」

「どうしたグラディー?」


「シン、あなたは人の身でありながら龍なんですね・・それも圧倒的な力を持った龍です」

「え?そうなんですかね?」

「あなたの根源をどうしても知ることが出来なかったのが証拠になりますね」

「母上様でも見る事ができないって・・・」

「小僧・・いやシン!お前凄いぞ!」

「「オトシゴ様!ばんざーい」」


「シンに一つお願いがあります」

「俺に答えることが出来る範囲であるならば」

「リノリス、それに二人と衛兵はしばらく席を外してください」


何かを悟ったからこその判断だろう、俺が気を使って話せないかもしれないと記憶を探った中で感じてくれたようだ。ニゴスとキソロは従順に命に従い衛兵と共に立ち去るが、リノリスは最後まで足掻いていた。


オトシゴと判明しても汚い言葉を幾度か投げられて女王が怒った・・。女王が彼女を捕獲しドレスを捲りあげお尻ぺんぺんする光景をしばらく観察するのだった。

リノリスはぐにぃこそ小さかったけど、尻に秘めたモノは完璧で太ももから尻のラインが白磁の如くの美しさで綺麗で大きな尻をしていた。俺と爺はそれを黙ってじっと観察していたらリノリスが猛抗議するのだが無視。


「なぁ~あんた娘が尻叩かれてる所を俺なんかに見られてどうなんだよ」

「な~に構わん、ワシも堪能してるから。良い尻になったと関心してるんだ」

「爺さん・・・あんたまさか自分の娘に欲情してんの?」

「バインだ」

「ボイン?」

「それはグラディーだバイン=ゾルドだ」

「爺さんの方が呼びやすい」

「ゾルドでも良いぞ?」

「ゾルド爺・・ゾルじーさん」

「まぁいいだろう」


「父上様!見ないでぇ!!」

「気にするな美しくなったリノリスよ」

「お前も見るなっ!!」

「気にすんなよ緑のパンツちゃん」

「あなたはまたお前なんて言い方をして!」

「母上様!ごめんなさい!もう許して下さい!」

「いいえ!今日という今日は許しません!」


「ほら見ろ!綺麗に赤くなってきたぞ?」

「染まるもんだな」

「本当に良い尻だ」

「まったくだな」


スパーンと綺麗な音を聞き終えた後、リノリスは泣きながら俺に謝罪するも目には怒りが見て取れる。そんな怖い目で見ないで欲しいと頼んでみれば女王が手を叩き音を発する。敏感に反応したリノリスは懇願するように謝りながら走り去っていった・・・良い尻を有難う。

本話もお読み頂きまして有難う御座います。

ブックマークにも感謝です。


十章は後七話程度で終了を予定しております。

とは言っても、十一章へと続く章になりますのでしばらくは「妖精の国」のお話が続きますので宜しくお願い致します。

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