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龍軌伝 異世界で龍に愛されるニート  作者: とみーと
第九章 偽オトシゴ 編
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蒼の放火魔

偽オトシゴ様を縛り上げ、トルトとルーシャが取り巻きに全てを説明した。

初めこそ信じる事が出来ず狼狽するばかりだったが、真剣に話す二人が嘘を言っているようにも見えなかったのだろう。偽オトシゴの手からまさに化けの皮が剥がれた事も踏まえて、俺の手を見せてやったところでようやく信じてくれる。


元々、取り巻きの四人は踊り子らしく旅をしながら国から国へ町から町へと流れていたそうだ。女四人で危ないとも思ったが、魔法もそれなりらしく案外大丈夫だと語っていた。


彼女らがこの偽物に騙されたのは、魔物に襲われた時に助けられイケメンだったから釣られたそうだ・・・羨ましい。他にも偽オトシゴの協力者がいるか確かめると、俺がぶっ飛ばしたヤツらと俺を捕まえたヤツ、後は本当に騙されたヤツだけらしい。偽物の仲間を速攻でぶっ飛ばして全部を吐かせたら、内容物も吐いてくれてたお陰で貰いゲロしそうになったのは言うまでもない。


「で?他に仲間は?どんなルート使ってた?」

「仲間はこれだけだ・・ルートなんて言うわけが無いだろう馬鹿が」

「お前さ、俺の名前を騙ってたんだぞ?」

「だからなんだ!」

「ここで再起不能になるまでボコッても文句言われねぇと思わないのか?」

「そんな事をしていいとでも思ってるのか?世間から後ろ指っさっぶっぁ!」

「うっせ黙れ!お前に心配されなくて問題ねぇんだよ、他人の評価とか知るかぼけ!元ヒキニート舐めんな!」


何やら怒りが湧き出てきた踊り子四人組みの目が据わっていて、ジリジリ偽オトシゴへ詰め寄る。騙されていたんだから言いたい事も山程あるだろう、その辺りの気持も汲んで俺は黙った。


「全部話せよ・・」

「おいおい、嫁にしてやるって約束しただろ!」

「何言ってるのコイツ・・」

「四人とも娶ってやるって言ってるんだ!」

「あたし、こいつにお尻触られまくってんだけど・・」

「別にいいだろ!嫁になるんだ!」

「しね・・・」


あっ・・・最後の子・・今・・ぽこにゃん蹴るどころか踏みつけたよ。

何故だろうか彼の表情は心なしか暖かいモノに包まれたかのような表情を浮かべているんだが。どいつもこいつも変態ばっかで痛み入る、俺のように健全な心を何故育めなかったんだろう。


「おい、変態!ギルドがなんだって?」

「ギルドと提携して船で送り出そうとしただけだ!」

「お前馬鹿だな・・・」

「はっ!」


トルトは港のギルドの関与がある以上そちらへも赴く必要があると言い出し、ルーシャは犯人共の護送云々言い出してやる事が山積みだ。三歩進んで二歩以上下がってる気がするのは勘違いだろうか?かと言ってじゃあ俺は行くから宜しくなんて言える筈も無いし。


この村をそのままにしたら野党共が住み着く可能性があるとか何とか、取り壊すから一日の足止めを喰らう羽目になる訳で。俺がぶっ潰すって言ったけど、オトシゴ様にそんなことさせられないから自分達でやるって聞かないし。これも旅の醍醐味なのか、目的地が逃げる訳でも無いしゆっくり気ままに行くしかないか。


子供から大人まで捕まっていた人達を一度集めて説明会をする訳で。

家族が居る者、居ない者それぞれで皆が不安を抱えている。

その人達にじゃあ頑張って帰ってね!とも言えない。

騙されていたヤツらの中には屈強な男達が居て、そのお陰でもろもろ解決出来たんだけど。


「オトシゴ様、俺達で送ります!」

「え?まじで?頼んでいいの?」

「騙されたって言っても罪は罪だからせめて何かさせて貰いたいんです!」


トルトとルーシャが話し合った結果、手を借りたいのが実際の所で有り難いとの事。ただ、中には身寄りの無い者もいてその人達にはヴォルマへと一緒に行って貰う運びで決定した。後は村を取り壊すのを待つだけで丸太に腰掛け眺めるだけの時間、暇なんだ・・。


俺の周りには何故か子供達が群がり視線の集中砲火を浴び続け落ち着かない。

ヒキニートだった俺からしたら人の視線には敏感で、しかもそれが無邪気で汚れを知らない無垢なものともなれば効果は絶大。しかもオトシゴだって説明されてるから微妙に距離があって、美術館に展示されている美術品のような感じで居心地が悪い。お巡りさんが視界に入るだけで何もしてないにも関わらず身が引き締まる、そんな感覚にも似た何かを感じるのだ。しかも小さな声で話しているつもりなんだろうけど全部聞こえててさ・・・。


「オトシゴ様だって」「剣じゃないんだね」「おめめ怪我したのかな?」

「手袋してるね」「うっかりしてたのかな?」「でもあの模様かっこいい」

「真似したら怒られるかな?」


言葉攻めでもされているような気分になってきて気が滅入る。

そんな俺の姿を見たトルトとルーシャが凄い速度で接近して子供達にも仕事を与えてくれ俺は解放された。


「オトシゴ様!申し訳御座いません!」

「あっぁ~うん大丈夫だから気にしないで、子供はアレで全員なの?」

「いえっ・・そのっ・・・」

「どうしたんだ?」

「ルーシャが言うには、もう一人子供が居たけど連れて行かれたって言うんです・・・」


トルト君、君はその子供が目の前で大きくなった事実を忘れてないかい?拷問を受けていたから曖昧なのかもしれんけど。終いにはルーシャは顔を覆って泣き出す始末、一人だけトテトテ戻って来た子供がいて俺に言うんだ。


「オトシゴ様、シンラ君がいないの!!!」

「どこに行ったんでしょうか!うっ・・」


この少女、檻の中で俺に御花を摘む方法を指南してくれた子でそれなりに心配してくれているらしい。ここでトルトが思い出したような顔を俺に向けてくれる。

俺が小さくなれる事実を思い出してくれた様だけど、オトシゴに関しての秘密か何かだと勘違いしてくれているらしく気不味い顔。


ちびっ子には悪いけど、シンラ君は割りと近くの村の子らしいから大丈夫だって嘘を付いてしまった・・・罪悪感。ルーシャもそれに喰い付いて安堵の表情をしていたけど何だか胸が苦しい。トルトがちびっ子を連れてその場を離れてくれたからルーシャには事実を伝えようと思う。


「あのな・・・実はシンラ君なんだけど・・」

「さっきのは嘘なんですね!!本当はもう・・・」

「いや違うんだ・・・」

「いいえ、オトシゴ様の優しい嘘なんですね」

「違うくて・・」

「あんなに脅えていたのに・・・無理矢理にでも抱きついて離さなければ良かったんですっうぅうう」

「・・・・」

「不安そうな顔をしていたんです!でも抱っこしてあげたら安心してくれたんです、なのにっ・・」

「すいませんした!!!」

「えっ!やめてください!オトシゴ様が悪いんじゃないんですから!どうか頭を上げて下さい!」

「本当にすませんしたぁ!!」


土下座をしていた。流れるような綺麗な土下座だと自分でも思う。

そんなに優しい心を持っている女性を泣かせてしまった自分が卑しい。

消えて無くなりたい・・・そして俺は・・・俺の姿は・・・。


「しっシンラ君!!」

「しゅいましぇんでちた」

「えっ・・なんで・・え・・」

「すいまちぇんしたぁああ」

「あのっ・・えぇっえ」

「オトシゴと僕は同じなんです・・」


一からちゃんと説明するもこちらも中々に信じてもらえずで、目の前で大きくなってみたら驚いて腰抜かしてしまった。手を引き立ち上がらせてから謝りました。怒られることこそなかったけど凄い泣かれてしまったよ。

再び戻って来たトルトがルーシャを連れて行ってくれるまで俺はおろおろしたままだったけどね。そしてまた暇な訳で、丸太とデートしてるみたいだよ。


「済まないな、いつも尻乗せてしまって」

「いいんです!私はあなた様に座って頂けるだけで幸せなんです!」

「まったくお前ってヤツは・・」


そんな高レベルな妄想に耽っていたら悲しくなってくるわけで、空を眺めて雲を見る。ぐにぃしたいなぁ・・・そんな時があるけど俺ならエアぐにぃ出来るから一人でそれをする。丸太に座った男が一人で手をぐにぐにしてる光景、痛々しくて気持ち悪いだろうけどそんなことは気にならない。だって気持良いんだもの。流れる雲にぐにぃを重ね気持を昇華させればそこには本物と変わらないぐにぃがね。


「やんっ!オトシゴ様ったら!」

「完全に揉んでる」

「んふっ・・・」

「えろい・・・」


意識が戻って両手の先を見れば本物のぐにぃがっあぁあ!両手にダブルのD級が・・・たまらんぜ。踊り子四人に囲まれてる・・ここは楽園なのか?

これがぐにぃランド!へへへへへ。


「あのさ・・・何してるの?」

「オトシゴ様が一人で寂しそうでしたから」

「何か揉んでいらっしゃったので・・」

「私達を本当に助けてくれたのがオトシゴ様だなんて運命です!」

「もみもみ」



両脇からぐにぃ、両脚ににもぐにぃが・・今までに経験したことの無い数のぐにぃが俺を攻め立ててくる。チンポジならぬケツポジを変えようと動いたら揺れる八つのぐにぃ、そしてわざとらしく声を上げる四人。すげーなこれ連動するぐにぃとかまじ半端無いんですけど、楽しくなってきたなぁあ!!


「や~んオトシゴ様のえっちぃ!」

「動いちゃダメですよぉ!」

「膝で突かないで下さいよぉ~」

「んっ・・それダメ」

「いや~ごめんごめん!あはははは!」


楽しいな~なんだろうな~これなんだろうなっ!!!!あははははは。

トルトとルーシャの二人と目が合ったところで、俺は何か大切なものをまた失ったような気がする。こんな状況だぞ?男の子だったら誰だって楽しんで当然だろうに分かってもらえない侘しさだけが虚しく残ったよ。ただね、このままだと良くないんだよ。だからせめて失った何かを取り戻す必要があるんだよね。


「はぁ~なんだかなぁ~」

「え~オトシゴ様行っちゃうんですかぁ!」

「少しぐらい手伝うさ」


そう言い残して俺は蒼煉華をぶっ放っぱした。虚しさも一緒に飛んでいけ~。

一発で村の半分が消し飛んで自分がした事ながらビックリしてしまった。

今まで敵にしか行使してこなかったから、目の前で物質を吹き飛ばすなんてしたことが無かったんだ。しいて言うならば、初めて蒼煉を地面撃った時とノヴィスで恥ずかしさ紛れに地面に撃った程度しか記憶に無い。これがあんまり良くなかった、人の有無はちゃんと確認してたけどね?木って燃えるんだよね。

メラメラ燃える元建物の木っ端が辺り散らかって・・・。

この事象を世間では火事って呼ぶんだよ。


「火事だぁ!!!!」

「きゃ~~~」

「消せ!消せぇえええ!!」

「水だ!!無いんだったら土かけろ!!」

「いや~~死にたくない!!!」


「・・・・・・」

「うわぁ~本当にオトシゴ様だったんですね!」

「凄い・・・」

「蒼色の炎だった」

「これがカオス・・」


火そのものは直ぐに鎮火されて幸い怪我人も出なかった奇跡に感謝したい、そう思いながら土下座した。


「オトシゴ様は何もしなくていいですって言いましたよね・・・」

「オトシゴ様だって皆が少しでも楽出来るようにってしてくれたんだから・・」

「すいませんでした・・手を煩わせてしまって、すいませんでした・・・」


「ルーシャ、村の方は今ので大方終わったから後は任せて置いて」

「でもトルトも体が・・」

「大丈夫!それよりオトシゴ様の相手でもしててよ」

「えっ!でもっ!そんな重大なこと・・・」

「いいからしてて!!!」


ルーシャの救いの手によって俺の行いは許された。本当に天使のような女性だよ。なんて言うかフェルのような母性愛に満ちていてとても甘えたい気分にさせられる。そして俺は三度小さくなるのだった・・・。


「ほんとうにごめんなさい・・」

「あのっもういいですから!頭を上げて下さい!!」

「皆さんのお仕事が終わるまでこうしているので勘弁して下さい!」

「こっ困ります!!こんな所をもしニーナ様にでも見られたら、怒られるどころか龍導院を追い出されてしまいますから!」

「多分、ニーナはこんな状況みたら絶対に笑うよ・・・」

「そっそんなことありません!ニーナ様は怒られますよ!」

「それは絶対に無い、絶対に・・」

「いいですから頭を上げて下さい!!」

「すいませんでした・・・」


立ち上がると体中、顔にも土が付いてておでこには小さい石がいくつもめり込んでいた。そんな俺の前に天使は膝を付いて体の土を払ってくれるんだ。

なんて慈悲深い女性だ、おでこの石も払えば一度で簡単に取れるのにオトシゴだから気を使ってくれているんだね。一粒ずつ取るなんて本来ならしなであろうことを平然とやってくれる。


この間、俺はずっと天使のぐにぃを観察していた。

別に屑だって言われてもいい、目の前でぐにぐにしてるぐにぃを見ない男なんて存在しないんだから。絶対に誰だってこんな状況なら見るんだから、じゃあ俺が見たっていいじゃないか!もう何が何だか分からん。そうして綺麗にして貰った俺は彼女に抱きついて感謝の言葉を丁寧に述べ続けるのだ。


「おねしゃん、あーとございます」

「えっ!!オトシゴ様・・・さっきより小さくなってませんか・・・」

「わかんない・・」

「ほっ本当に凄いですね・・あのっ・・一ついいですか?」

「あい、どうじょ」

「抱っこしてもいいですか」

「おねがいしましゅ」


狙ってましたなんて口が裂けても言えない。

だって最近がっつりぐにぃしてないんだもん!養分が足りてないんだ!だからおかしくなるんだよ!正常な俺をキープし続けるには定期的なぐにぃが必要なんだ!喰わねば人は死ぬ!それと同じなんだ!いい訳を繰り返しながら皆の仕事が終わるまで、文字通り彼女の胸の中に居た。とても気持ち良かった。


「ルーシャ!終わったよ・・・あれ?なんか凄く小さくなってない・・」

「うっうん。ずっと謝っておられて・・気がついたらこんなに小さくなって」

「気持良さそうに寝てる?」

「きっとお疲れになられていると思う」

「村の半分を一撃で破壊したんだもんね」

「今日はこのまま村に留まって港には明日の朝に出発しようか?」

「そうね、港のギルドを押さえたらヴォルマに戻りましょう」

「オトシゴ様、起こした方がいいかな・・・」

「良いんじゃない?ヴォルマだとこんな風に接する機会なんて無いんだし」

「そうだね、二回も助けて貰ったもんね」

「それにルーシャの胸が気持いいんでしょうし!」

「ちょっと!」

「オトシゴ様も殿方って言うことでしょ!」

「でもね!小さくなったら話方も年相応になってたんだよ」

「じゃあ、ルーシャに心許して甘えてくれたってことなんじゃない?」


俺は起きてましたけどね、こんな状態じゃ起きられないでしょ普通。

でもそんな事してたらホントに寝てしまっててね?次に目が覚めたら馬車の中で彼女に絡まって寝てたよ。オトシゴと言えどたくさん寝たら寝れなくなるんだよね・・・朝まで時間潰しましょうかね。

本話もお読みくださり有難う御座います。ブックマークにも感謝です。

本章は後二話で終了しますのでお付き合い下さい。

明日も投稿致しますので、次話以降も宜しくお願い致します。

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