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龍軌伝 異世界で龍に愛されるニート  作者: とみーと
第六章 神の山 編 
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混ぜこぜエルジュ

ジュネーヴェの街に船が着港したのはヴィルポルトを出航してから二日後。海の状況次第では十時間単位で着港が遅くなるらしく、今回は半日程度の遅れが出たようだった。ただ俺達からすれば朝方に到着してくれる方が有り難かったのでその辺りは海に感謝か。季節は空皇から地桐へと移り変わる間だが気温は低く少しばかり寒さを感じた。


現在の俺達はヴェーネ大雪山の麓まで辿り着きこれから本格的に雪山へと入山するといった所だ。ドリドゲスには雪山辛いかと思ったのだが、この場所に至るまでの雪道でも難なく進む辺りやはり凄い馬である事を思い知らされる。この先からは積もった雪量も多いことからレミナと荷物だけをドリドゲスに積み込み俺とエルジュは徒歩で行く。

出来れば早く入山したいが休憩出来る内にしておくことに越した事はない。天の光が丁度真上に来ており天候も悪くは無いが俺は何度か着た道を確かめるように見るのだ。確かめる理由それはジュネーヴェの街での一件。



「主様!あれが雪か?」

「この場所でも既に雪が積もってるのか・・・」

「飼い主様?どうかされたのですよ~?」

「ヴェーネ大雪山の近くから雪道だろうと踏んでたんだよ」

「主様!主様!雪食べれるか?」

「ぽんぽん痛くなるかもしれないから止めとけ」

「そうか・・おいしそうななのにな」


火種になるものは俺が出せるが食料に関しては日持ちする物を購入せねばならない。船からドリドゲスが降りて来るのを二人に待ってもらい俺は一人で街へくり出した。街へ向かうと朝も早いのに色々な店から煙が立ち昇っていて香ばしい匂いが立ち込めている。朝ご飯もついでに買うか?なんて考えながら店を見て周ると旅人に必要となる物だけを扱っている店が並ぶ通りに出た。他の通りよりも人が多いのでここら辺りで購入するのが良さそうで一回りしてみた。


結果、三軒の店で食料やら鉄で出来たコップ等を購入した。店のおっちゃんにヴェーネ大雪山について色々と聞いて情報収集をしたが、この時季に山へ入ることは止した方がいいと助言された。


「あんちゃんよ、悪い事は言わねぇから時季を少しずらした方が得策だぜぇ?」

「何かあんのか?」

「この時季は単に道が悪いだけじゃねぇんだ。そもそもこの土地は年がら年中雪が積もってる」

「山楼とか海輝だとそこまでじゃないだろ?」

「あんちゃんみたいな旅人はそう思うがな?確かに空皇やら地桐に比べたら雪量はマシだぜ?だが基本は雪の土地だ」

「成る程・・・」

「それに言っちゃなんだが・・・」


少し顔を曇らせたおっちゃんが口にしようか悩んでいる雰囲気だったから背中を押すように話を促すと言い難い様子だったが口を開いた。

「あのなぁあんちゃん、ヴェーネ大雪山にはこの土地を守る神様がいるってのがこの土地に住まう者達が信じてることなんだ」

「神様?」

「俺も長いことこの土地で商いをしているが確かに雪山を登るヤツらはいるが」

「歯切れ悪いな言いたい事は言ってくれよ」

「じゃあ言わせて貰うがな?山の中腹までだったらある程度の冒険者なら上れるがそれ以上になると難しいと思うぜ?」

「何かあんのか?」

「あの山には多くのモンスターが生息してる、無事に頂上まで登れるヤツらは先ずいねぇよ聞いた事もねぇんだよ。中腹まで登ってから山を回るようにして行くしかねぇんだ」

「流石にそれは言い過ぎじゃないのか?」

「確かに登ったと言い張るヤツらはいるが、そいつらも歯切れが悪いんだ」

「あ?」

「気が付いたら中腹に居たって声揃えて言うんだ」

「モンスターが強くてどうのって話じゃあないみたいだな?」

「山に住む神様に化かされてるってのが土地に住むヤツらの考えだ。俺もそれを信じてる」

「それは気になるな・・・」

「まぁ噂だとノヴィス王国の王族なら頂上まで行けるとか風の噂程度で聞いたぐらいだな」


おっちゃんから情報を仕入れる事が出来たが最後まで止めとけと言われた。

だが、「そうですか止めときます」とはコチラも言えないが一応おっちゃんには感謝して自重するとだけ言い残して店を後にしたのだった。


十中八九、神様と呼ばれる存在はリュウだろうと思う。龍殿に祭られるリュウだけがリュウではないのだが、ネヴィス王国の王族が山頂まで問題なく行けるのは何故か?噂だから尾ひれ羽ひれが付きまとうもんだが本質を考えればある程度の答えに辿りつく。


王国とリュウには関係があるから登れる。

あるいは他の者達とは違い登れる術がある。

リュウから生贄でも出せなんて言われてるとか?

流石にそれは無いとは言い切れないか。


ただ俺には仮にその神様と呼ばれる存在がリュウでレミナの母体となる者なら悪いヤツじゃあ無いと確信している。だってレミナだぜ?悪いヤツからあんなトンチキなのが生まれ出るハズないだろうと言うのが俺の答えだ。まぁ、行けば分かるさ。仮に敵対行動を取られたら戦うだけ、あのう●k竜の時よりマシに戦えるさ・・・。


一度ノヴィス王国に行こうかとも考えたがここからだと一週間以上は掛かる、大雪山の表側から俺達は登るならネヴィス王国はその裏側にあるのだ。

麓から周って一週間、それなら山を突っ切る方が早いだろう、それに突っ切るなら山頂目指して行く方が王国目指すより遥かに楽だろう。


色々考えながらも二人と一頭がいるであろう場所まで戻と・・・はい。

人だかりが出来てるんだけど、しかもどう見ても怪しいオーラしか漂ってないし。嫌だな・・・近づきたくないな・・・出来るだけゆっくり接近して様子を見るのだった。


「どこに行くんだよ?女だと危ないからおじさん達が連れて行ってあげるよ?」

「そうそう。雪道だし道中は大変だからさぁ?」


数名のどう見ても野党ですありがとうござます。

面倒に巻き込まれる因果にでもあるんだろうか?

レミナの件があるから大丈夫だと思うけどさ。


「お前誰だ!あっち行け!」

レミナが指をビシッと刺した方角の直線上に俺がジャストで立っている奇跡。

「あっ!飼い主様~ドリちゃん来たのですよ~」

ぶんぶん手を振りこちらを見ているが野朗達は揺れるぐにぃを凝視しているのだ。俺は野朗で出来た人垣の脇を通り合流を果たしたすのだが、いきなり現れた俺の存在を疎むように睨み付けてくる視線が辛い。


「必要な物は買い揃えてきたからそろそろ出発しようか・・・」

「お~」「はいなのですよ~!」

呼吸が綺麗に揃いいざ出発とは行かなかった。


野朗の一人が俺の肩を掴み

「おいおい、にぃちゃん?てめぇ何勝手なことしてんの?」

なんて言ってステイさせられる。

取り巻きが「あのさぁ~悪いんだけど俺達さお話中なの見て分からないの?」

こいつらが何を言いたいのか分かるが相手にする必要も無い。

面倒くさいことこの上無い状況にあるけど、ドリドゲスの手綱を掴むと半ば強引に歩き出そうとした。進もうとした先に恐らくこの野朗共の頭らしい筋肉の塊が道を塞いだのだった。


「何もそんなに急ぐ必要なんて無いだろう?」

俺が逃げるように映ったようで右の犬歯が見えようにニタニタ笑う。

「なんかようか?」

相手にせずこの場を脱出することが困難と判断して目の前の男に言葉を投げるように発した。そうすると後方も男の壁で詰められて完全にこちらの動きを封じられたのだった。汚い笑い声がケタケタと聴こえてくるのが不快だ。

「俺はそこのお姉ちゃんと飯でも食いたいんだよぉ~なぁ~お前ら?」

手下らしきヤツらに促すように言葉を飛ばし、それに答えるように一層笑い声が強くなる。どうしたものか?


①どうにか話し合いで解決

②殴り倒す

③渦中のエルジュに話しを投げる

答えは③当の本人に話しを投げてみる。

今の所は俺達以外とはコミュニケーションを取ったことが無いエルジュがどんな反応をするのか?単純な興味本位でエルジュに投げかけてみた。

話をこじらせて騒ぎにしたくは無いけど野朗共のさらに外から遠目に見ている人々を表情はまたか。と言った具合なのだから大丈夫かな?

なんて楽観的にもなるものだ。


「・・・・」

はい?俺がエルジュに話しを投げたのに完全に無視を決め込んでいて当の本人は海を眺めているのだ。おい、なんで華麗にスルーしてんだよってエルジュに向かって話をしたところで俺を見たのだった。

「飼い主様?早く出発したいのですよ~?」

周りにいる野朗共には何の反応もせずに俺を見てニコニコしている。

「だそうだ、悪いけどそう言うことだから・・・」

と話はここでお終いですといった雰囲気で出発しようと試みるが・・・。


頭は明らかに不機嫌な顔で俺を睨むと顎をしゃくり手下に何か指示を出す。

後方の野朗がエルジュの腕を掴み無理矢理に引っ張ると近くまで来た彼女のぐにぃを鼻を伸ばして覗きだしたのだった。

「悪いな彼女は俺達と遊びたいそうだぜ?」

話を進めて自分達の思い通りにしたいらしいが俺も面倒くさくなってきた。


「離して欲しいのですよ~?」

なんて自分が置かれている状況を理解していないエルジュはいつも通りにふわふわした様子だし。

「なんだよ、少しぐらいいいじゃね~か。そんな体して男誘ってんだろ」

下種とはまさにコレのことを言うのだろう。

エルジュが離れようとした時に男が後ろから抱き着こうとしたのだ。


面倒だ、俺は鈍器鎌ことドラシャールフェルチェの石突で下種男の顔面を刺した。鼻から血を噴出してぶっ倒れエルジュは解放されたのだが周りの野朗達のヤル気スイッチを入れてしまったようだ。

「何のつもりだ?痛い目見たいんだな?おい!」

促すと横から拳が飛んできたのだったが直後に絶叫が響く。


俺に向けられた拳はエルジュによって阻まれ、キャッチされると拳が潰れて折れる鈍い音だけが残った。「ぎゃあぁああああっがああ!!」

叫ぶ声に周囲の目が動く、ある者は咄嗟に構えたがもう遅いらしい・・・。エルジュはそのまま拳を潰した男の顔面にパンチを入れるとそれだけで後ろにいた数人を巻き込み数メートルほど飛んだ。


「飼い主様に何しようとしてるのかな?ん?」

まるで汚物を見るように顎をクッと上げて睨んでいる彼女の豹変に周りは動けずにいた。動けずにいる者達の中に俺も入るんだけどね・・。

あの泉のある場所で連れて行く事を拒んだ時にもこんな感じになっていたけど何?二重人格なの?俺はこのままだと良くないだろうと思い切ってエルジュに話かける。


「あの・・エルジュさん・・大丈夫??」

何が大丈夫なのか、拳を潰された挙句ぶっ飛ばされたヤツの方が大丈夫では無いのに。そんな俺の言葉に反応したエルジュはこちらに振り返るとまさに見返り美人で妖艶という言葉がぴしゃりと当てはまる。


「飼い主様?お怪我はありませんでしたか?」

前回の時は若干ながらの幼さ混じりで話していたのに今回はまるでマーレとフェルを混ぜたように話す、そう考えると前回はターニャとレスタを足して二で割ったような感じだったと気が付く。


俺の龍力が体に馴染んだ結果なのか?

俺に密接に関係している女性の雰囲気をコピーしている様にも見えるんだけど。そう考えると後残っているのはルナか?リエラも有り得るのだろうか・・どうしていいか分からんが俺に害が無ければ別に良いんだけど。


「俺は大丈夫だけどエルジュは大丈夫なのか?」

「私めは特に何もありませんのでご心配の必要ありません」

「そっそうなんだ・・ならいいんだけどねっ・・」


うん、やっぱり混ざってると確信した瞬間だった。

なぜ俺が確信したのかというとだ、マーレもフェルもぐにぃが大きいのだが特にマーレの話になる。

彼女はぐにぃが大きいので動くと服がぐにぃの谷に挟まる!その時に無意識に鳩尾辺りの生地を引っ張って元に戻した後ぐにポジを確認するように肩を動かすのだ!何度もみた光景だが俺はその所作が好きなのだよ!だが現在目の前にいるのはエルジュで彼女はぐにぃを守る装備を装着していない。

すなわち例の所作をした時に彼女のぐにぃは服に潰されるようにぐにぃいいとなる訳だよ。たまらんねぇ~。


「てめぇこのアマぁ!舐めやがってぇええ!!!」

怒号が頭と思しき男から発せられ急だったこともあり俺はビックっとなってしまい恥ずかしい。それを隠すかのように男と相対しようと構える。

流石にもうこれはやるしか解決出来そうにもなかったのだ。

腰を少し落として一撃で沈めてやると意気込む俺の少し上を何かが飛んだのだった。頭らしい男の「ぶげらぁっがぁあああ」を最後に彼はそのまま地面に倒れると後頭部を強打したらしく動かなくなる。顔面の真上にレミナがバランスを取るようにして立っていたのだ。


「朝からうるさい。黙るといい」

その場面を見た周りの野朗共は一歩引いたがもう諦めろと諭してやりたかった。エルジュは一人でドゴンとかバゴンとか重低音を奏でながら一人また一人とぶっ飛ばして行っている。レミナなら何とか倒せると思ったらしい男が安そうな剣を振り上げるのだがそれはやらせない。俺は鈍器鎌ことドラシャールを薙ぐように振るうと野朗をジャストミートして数人を巻き込んで飛ばしてあげた。


一分も経っていなかっただろう、野朗共は全員が地面に熱いキスを交わし意識を飛ばしていた。俺達を中心点として扇状にバタバタ倒れる野朗達をどうしていいのか分からずにいると、警備兵の格好をした男が数人こちらに駆け寄って来た。

これは面倒になると覚悟していたのだが、周りで見ていた人達からの援護射撃と普段の野朗共の素行からお咎め無しとなり解放されたのだった。


これ以上ここにいるとまた面倒に巻き込まれるかもしれないと急ぎ港から離れヴェーネ大雪山へと向けて出発したのが今朝起こった一件だ。

エルジュはというと野朗共をボコボコにした後に話しかけてみるといつもの彼女に戻っていて一安心した。何がトリガーになってあんなことになっているのか?感情に左右されているのだと当たりを付けたが本人はケロンとしているから暫くは様子見だ。


「飼い主様~これからお山を登るのですよ?」

「道が悪いから十分気をつけて歩くんだぞ?」

「分かったのですよ~」

「主様っ!!レミナも歩く!!!」

「レミナはドリドゲスに乗ってていいんだぞ?」

「歩きたい!!」

「雪の上をだな・・・」

「そうだ!!」


さてこれから山頂目指して登山だ。

どれぐらい時間が掛かるか分からんがレミナもエルジュも強いからどうにでもなるだろうと楽観視して登山を開始する。

「さぁ~頂上目指して出発するぞ!」

「お~~!!」

「はいなのですよ~!!」

本話もお読み頂きまして有難う御座います。

ブックマークも感謝します。


次話から雪山登山の話へと進みます。

次話以降もどうぞ宜しくお願い致します!

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