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龍軌伝 異世界で龍に愛されるニート  作者: とみーと
第五章 ドリドゲス 編
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港町とギルド

潮香る港町ヴィルポルト。

三人と一頭の旅は特に何の問題も無く順調で街に至るまでに二日を要した程度。道中、大所帯の野党達に襲われるもエルジュが良い所を見せたいとかで一人で全員ボコボコにしたぐらいか?


この歩く変態ことエルジュの魔法は結構エグイものが多かった。幻惑の魔法を使役し仲間同士で殺し合いをさせたり、魔法で作り出した植物の種を爆発させて頭を吹き飛ばしたり。終わってみれば辺り一面は血の海になっていたのだ。何よりそんな光景を見ていても笑顔のままでクスクス笑いながらバッタバタなぎ倒したりする光景には流石に引いた。


エルジュの言によれば元々、魔法自体は得意だけど接近戦は苦手中の苦手だそうだ。苦手と言った割りには動きは流れるように美しくフェルを連想させるぐらいに強いと感想を持った程だった。

俺の力の影響が出ているのだろうか?でも俺はこんなスプラッターなのは好きじゃないんだけどなぁ。エルジュも自分が接近戦を難なくこなしていることに不思議そうだったが戦力が増えることに越した事は無い。



街の中に入ると誰しもがエルジュを振り返り見ていた。美人だけど中身は唯の変態だというのに、俺が逆の立場なら同じ様にしていただろうと思うけど。港付近で目的地へ向かう船を探し出すと夕刻には出航するらしく、まだ午後になったばかりで時間だけが余っていた。三人と一頭で船に乗船するとなるとそこそこの出費になってしまうのが少し痛手か?

そこである決定をする。


「船に乗っている間、エルジュにはブレスレットに入って貰うことします!」

咄嗟に出た言葉にエルジュは断固拒否の姿勢だ。

両手に握り拳を作りブンブンさせながら「飼い主様!私めもお船に乗りたいのですよ!!」と訴えてくるのだが船賃が一人分浮くことを考えると許可出来るハズないのだ。名案が思いついたらしくエルジュは「では!お船に乗ったら出ても」と言いかけて「駄目」だと一言で遮った。


「お船に乗った後なら大丈夫なのですよ・・・」

「船に乗る時に居なかったヤツが船に乗ってたら密航とか疑われるだろうが」

「でも乗ってみたいのですよ~お願いなのですぅ~ほら!揉んでいいのですよ」


なぜ後半からはぁはぁしながら言うんだよ、船に乗りたい気持ちより揉んで欲しい気持ちが勝ってるだろう?その後、レミナからの支援攻撃もあり俺が折れて三人と一頭で乗船することになってしまった。俺には船賃を浮かせる手がまだ残っているのだからここで言い合いしても進まないし、この前の怖いエルジュがまた出たら嫌だしね?


船賃を浮かす手段。

それは俺が子供の姿をとり子供料金で船に乗るそれだけだ。二人にはこの場で待つように言ってから物陰に入り龍力を体に込めるとあっという間に出来上がり!レミナに合わせて小さくなる予定だったが勢い余って五歳時の姿になってしまうが問題はあるまい。むしろ、五歳ならタダになる可能性だってあるんだから。二人の元へと近づくと城で何度かこの姿を見ているレミナは無反応だったが過剰反応した変態がいたのだ。


「船から下りるまではレミナが姉ちゃんだな」

「おぉ~レミナが主様の姉ちゃんかっ!」

「・・・・はぁ・・・はぁ・・・・飼い主様?」

「エルジュが長女って所か?なんてな~」


レミナはノリノリ笑顔で既に姉らしい雰囲気を出そうとしていて微笑ましいが冗談なんて言わなければよかった。エルジュは間に受けて俺を抱きかかえたのだ。顔こそ真面目だったと思う、でも心は正直。やっぱりこれぐらいの歳の頃で対面するぐにぃこそ至高だぜ!相手は変態のエルジュと言えどもやはりぐにぃは最高だ!子供の姿をとるとどうにも思考に若干の浅はかさが生まれるのは仕様なんだろうか?そんな気持ちを投げ捨ててぐにぃを堪能したのだった・・・。


「はぁ・・はぁ・・・飼い主様の子供姿・・・なんて可愛らしいのですよっ!このまま抱っこしてたいのですよっ!!!」

「エルジュにはお金を渡しておくから乗船する時に支払ってくれ。流石にガキの俺が出すのはどうかと思うし」

「主様!レミナが渡す!レミナに任せるといい!」


姉ちゃんスイッチが入ったらしく姉らしいことがしたいようだったから支払いはレミナに頼むことにして、少し早いけどご飯を食べることとなった。

ご飯といっても店で食べるなんてことは無くて、露店で売られている魚介類の品々を何品か買い三人で分けて食べることに。焼き魚に焼き貝、魚介類の入ったスープに黒パンを購入し港付近にある桟橋に並んで座り食事となった。


魚を口へ運んだレミナはその美味さに「主様!この魚美味すぎて驚いた!」と驚いたり、食べたことの無い貝を殻ごと喰らったエルジュが「かなりジャリジャリするのですよ!」引く光景をまざまざと見せつけられた。俺は貝の入ったスープが個人的に一番でドリドゲスにも与えてみると気に入ったようで何よりだ。出航時間まで数時間を潰すには食事程度では消化出来るハズも無く、港でそのまま数時間を潰すことになる。


「レミナは何かしたいことでもあるか?」

「お腹いっぱい。動きたくない」

「おっさん的な思考だな・・・」


レミナはドリドゲスの近くまで移動して「ヒンヒンヒン!」などと話かけ「ヒンヒン!」とドリドゲスも返答し二人の世界で遊びを展開し始めた。

俺はといえばエルジュに捕獲され膝の上に座らされているのだが、最高級クッションを背中と後頭部に感じならがリラックスしていた。普通なら逃れたり嫌がるのだが、どうにも子供の姿だと受け入れてしまう傾向にある。


「エルジュは何か無いのか?」

「はぁ・・・はぁ・・・私めは飼い主様をこうして抱いているだけで至福なのですよっはぁはぁ///」

「何?変態なの?おかしいの?」

「はうっ・・もっと罵って欲しいのですよっふっ」

「エルジュは何でそんな風になったんだ?」

「ひゃふっ・・はぁ~ん//」

「いや今のは罵ったんじゃなくて質問なんだけど」


普通に聞いただけだからそこまで反応しなくても良いだろうに。振り返りエルジュに対して残念そうな顔を向けるとさらに反応しビクビクし始めて、「そういうのいいから」と釘を刺すと俺をぎゅっと抱いて消沈した。

ぐにぃから受ける圧力が半端ないが苦しいどころかむしろ心地良いせいで俺はコクリコクリと眠りへ落ちそうになったがエルジュから脱出した。

完全に忘れてた事を思い出した。


「はい!注目!忘れてたことを思い出しました!」の声に反応した二人と一頭が俺を見つめている。「せっかくべネラに手紙を貰ったのだからヴィルポルトのギルドに顔を出しておいた方が良いだろう。人の良心を無碍にしては悪いし、腹ごなしのつもりでギルドへと行くから付いて来い」


レミナは這うようにドリドゲスに絡みつき器用に背に昇り、エルジュは隙を付いたつもりなのか後ろから俺を強襲し抱きかかえる事に成功したのだった。

俺は抱きかかえられたままギルドを探す羽目となったが定期的にくるぐにぃの衝撃は何物にも変えがたい至福の時間であった。


ヴィルポルトのギルドは木造の平屋建てで港の一角を囲う様に建てられていた。広く長い建築物の所々には装飾がなされており格式高い様相を呈している。ここが本当にギルドかよと思うぐらいで少し躊躇してしまうが俺には手紙があるのだ!気にせず入ればいいさ!とは行かなくてエルジュから抜け出すとドリドゲスの影に入り元のサイズへと変貌させておく。ガキの姿で入れば信用されないだろうし舐められても困るのだよ。


入り口の門から中へ入ると厩舎が備えられており一先ずドリドゲスを預けるためそちらへと向かう。向かった先にはギルドで働いているであろう女性がこちらに気づき頭を下げてくれている。

「御用でしたら、こちらで馬を預かりますよ?」

礼を言ってドリドゲスの手綱を渡すと女性は一瞬驚いた顔をしてドリドゲスを凝視している。そこらの馬より遥かに大きい体躯をしているのだから驚くのも無理はないだろうと思いながら苦笑してしまう。


ドリドゲスを預けてから建物内へと足を進めると室内はギルドそのもので安心した。男に女、多種に渡るヒト達が飲み物片手に椅子へ腰掛け談笑してはゴクゴク飲み食いし居酒屋のようにも見えた。奥に受付が四つありそれぞれ係りの者が並んでいるヒト達の対応している。一番左にある受付にだけは誰も並んでおらず俺は手紙を片手にその受付へと近づいた。なにやら多くの視線を感じたけど恐らくエルジュを見ているのだろうな視線を無視して受付の男性に話しかけた。


「申し訳ありませんがコチラの受付は燦のランク以上で無いとご利用出来ませんのであちらへ御並び下さい」言葉こそ丁寧ではあったがその表情、仕草からはどこか小馬鹿にしたような印象を深く受けた。

元いた世界でもこういった対応はあったよなぁ、店員の勝手な先入観と決め付けで煩わされたりしたなぁ~懐かしんでいると少し怪訝そうな顔で睨まれた。

背後からはクスクスと笑い声に「新参の田舎者かよ」「ぷっ!気持ちは一人前かよっ」「馬鹿じゃね~の」「でもあの女は良い乳してんな」「抱かせろよっ」なんて声が聞こえる。そんな事を言う輩は好きにはなれないけど関わり合いが無い相手にやきもきしても意味は無いのだ、言い聞かせ手紙をテーブルの上へ置いた。


「申し訳ない、このギルドへ来たのは初めてなもので。この手紙をギルド長へ渡してもらっていいでしょうか?」腕に付けたブレスレットが見えるようにしたのが良かったのかもしれない。ブレスレットの輝きにクラスを表す文字が刻印されたそれを見た係の者の態度が豹変したのだ。

「たっ、大変申し訳ありませんでした!少々お待ちください!!」

そう言いながら深く体を折ったかと思いきや凄い速さで奥へと消えた。


後ろでごちゃごちゃ言っていた輩達も受付の態度から何かを察したようで辺りは静まり返る。周囲から投げられた声に何の反応もせずレミナは未だ腹が膨れているせいかぼけーとしているし、エルジュに至っては俺の横でニコニコして立ったまま。少しの時間が過ぎた頃、走って消えた係りの者は走って戻って来た。

「おっ、お待たせして申し訳ありません!」

息が途切れて苦しそうでなんだか申し訳ない。

ギルド長が居るであろう場所が遠いのだろうな、平屋建てで広いギルドが故の弊害だろうな。


「現在我がギルド長は多忙で御座いまして、本来ならば直接御会いすべきなのですが・・・」

「いえ、こちらは手紙を渡すことが目的でしたから構いません」

「ギルド長は次に会う機会があれば埋め合わせはするとのことです!後これをお持ちください」

「これは・・・何かの札ですか?」


渡された札を手に持つと「船に乗船される際に船員にこれをお渡しください」そう言われて頭の中には「?」しか生まれてこない。そんな俺の顔から察したらしく「この札を渡して頂ければ船の特別船室に無料で乗船頂けますよ」の言葉に心の中で歓喜した。船賃が全て浮いたのだ!せこい手を使ってケチろうとした船賃が全て無料でしかもvipルーム付きだ!喜びしか生まれないだろう。ただ、目の前で喜ぶのは憚られたので顔はポーカーフェイスを貫き通す。ギルド長にお礼を言っておいて下さいとテンプレ的な感謝の言葉を伝えてギルドを後にした。


入り口へと向かう時には、野次を飛ばしていた者達は黙り込んでいたけどその目はエルジュのぐにぃ~をがん見していたのだけは分かった。

その気持ちは凄く分かる!俺が逆でも同じ事してるからな!でもコイツは変態だ。じとぉ~とした目でエルジュを見ると目が合って数秒足らずで「うっ、はぁ~はっ」などと呻きだす始末。呆れ顔のまま進むと別の係りに声を掛けられた。


「これから船に乗船されるのですか?」

恐らく俺達の会話を聞いていたらしい。

乗船までまだ数時間あるからギルドの休憩室を使っていいとのことで特にやることも無かった俺達はその提案に乗った。


「船賃全部浮いたのはありがたい」

「主様!早く小さい主様になるといい!」

「さぁ飼い主様!小さな飼い主様になるのですよ」


「あの・・今のちゃんと聞いてた?船賃払わなくていいんだよ?」

「それがどうした主様?」

「・・・・はっ!まさか飼い主様っ!?」


「払う必要無いんだ、小さくなる必要はもうない」

「主様、ならないのか?」

「ご無体なのですよ~!!」


レミナからの軽い抗議、エルジュからは猛抗議を受け続けること数十分。エルジュがごちゃごちゃ言い続けてくるのは無視で構わない、でもレミナが自発的に俺に何かをして欲しいと言ってきたことは無かった。

エルジュの猛抗議よりレミナの抗議の方が心にくるものがあって俺はしぶしぶ小さい体へと容姿を変貌させた。レミナの欲求を満たす為だ。

決してエルジュのぐにぃを小さきこの身で堪能したいからでは無い。絶対に。小さい体になったからと言ってレミナが何かをしてくる訳でも無くただニコニコしているだけだった。自分より小さいのがいることが嬉しいらしい。レミナが喜んでるならそれでいいかな?なんて思いは言うまでもなくヤツのぐにぃホールドによって潰されるんだがな。

「はぁ・・はぁっふ・・ふきゅ~ふひぃ」と変態に拍車が掛かった変態の膝の上に捕縛されて足掻くことを止めた。堪能なんてしてないからな!気持ちよくて眠り落ちたなんて恥ずかしくて言えない。



定期的なリズムが心地よく響き意識がまどろみ、そして覚醒へと進んだ。

「お姉さま~飼い主様が起きられたのですよ~」

頭の上からエルジュの声が聞こえて下からは

「主様凄い寝てた!」とレミナの声がした。

「もしかして船に乗り遅れたか?」

「これからお船に乗るところなのですよ?ギルドの人間が教えに来てくれたのですよ~」

「レミナがドリドゲスを連れてきた!」

「ありがふぉぅ~ドリドォゲスも待たせてたな」

「ヒヒヒ~ン」

「飼い主様のお寝ぼけ顔が!はぅん~」


にしてもこのぐにぃは魔性のぐにぃだな・・・。

今まで俺は様々なぐにぃを相手にしてきたが認めるしかないようだ。エルジュのぐにぃは暫定で一位の地位を確保してしまっている。ルナとマーレにレスタやリエラのぐにぃは個々に良さがあるがエルジュのぐにぃはその全てを併せ持ってしまっているのだよ。

認めたくは無いが俺の心がもう決めてしまった以上は逆らえない。後は頼むと言い残し再びエルジュのぐにぃへと頭を落とす。最後に聞こえたのは変態の何かを我慢する吐息だった・・・・。


「主様、寝たか?」

「はいっ!飼い主様は完全に寝てしまわれてるのですよ~あふっん」

「なんでブルブル震えてる?う●k行き・・っ!主様に叩かれる!」

「私めは今まで排泄行為なんてしたことがないのですよ?」

「えっ!?」

「ニンフなのですよ~」

「ニンフはしないのか?」


可愛らしい子供と美人がう●kの話をしてる状況は外から見たら異様だろう。それでもそんな会話に興奮する変態なる者達もまた存在しているのだ。

彼女らは問題なく船に乗船しドリドゲスを預けると指定された部屋へと向かい船内に消えていった。

幾人かの下卑た男達のにやけ顔だけがその場に残った事なぞ知らずに。

本話もお読みいただき感謝します。

ブックマークをして下さっている方達にも重ねて感謝致します。


本話でこの章は終わって次話から新章に入りますので宜しくお願い致します!

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