変態VSレミナ
泉と樹がある場所に来て少しの時間が経過していた。たった少しの時間なのに泉は濁りが増しているように見える。樹も短時間で朽ちつつある。まるで映像を高速再生しているようだ。
大丈夫だの、任せとけだの、そんな雰囲気をかもし出していたが契約のやり方なんてよく分かってなかった。こんな時の為のソルナとルビネラだ!
俺だけが出来るある意味チート的な方法だが安全第一をもっとうに動いた方が得策だろう。ソルナかルビネラのどちらに連絡を取ろうかと悩んだけど、どうせ一緒にいるだろうから気にせずソルナを頼った。
「ぬぅ~ルビネラその手はずっこいのじゃ!」
「ソルナ様のちゅめが甘いんでつ」
「ぐぅ~ならガドボでスイスイするのじゃ!」
「ガミタでギュンポし返しましゅっ!」
「「ガドb「おい、ソルナ聞こえるかぁ~?」
「「ぬぁっ!「ふぇぁっ!」」
「おーい聞こえてるのか?間違ってるのか?」
「ぬいあああああ!なんじゃああああ!」
「ゲロ野朗!!折角勝てる試合だっにょにぃい!」
「なんだ聞こえてるならそう言えよまったく・・」
「邪魔しといて何を言っておるんじゃ!」
「いや、二人に聞きたい事があってさ」
何やら二人で勝負事でもしてたらしく横槍を入れてしまったようで機嫌が悪そうだ。でも、いつでも連絡して来いって感じで言ってたんだから俺は気にせずに続けた。
「俺が個人的に契約することって出来るのか?」
「いきなりどうしたんじゃ?」
「ぷぷぷ~ゲロが契約にゃんてぴゅーぴゅぴゅー」
「うっせぇーよ蒼ぱん」
「うっ・・・」
「ルビネラのパンツの色はどうでもいいのじゃ!」
「はぅ///」
恐らくルビネラの顔は真っ赤になっていることだろう。ざまぁみろ!!
「急にどうしたんじゃ?契約がどうしたんじゃ?」
現状を全てソルナに話していくと彼女は「主は色々引きつける男じゃな」そう呆れとも取れる声色が返ってきた。
「主の言によれば相当な魔力量なんじゃから器もそれに見合うモノで無くてはならんのじゃ」
「器に関してはギルドでブレスレットにルビネラが力を付加してくれてるからそれで大丈夫だと思う」
「ゲロ野朗が龍力を思い切り込めても壊れにゃいようにしたのでしゅ!」
「ならば後は契約を済ませるだけなのじゃ」
「それをどうしていいか分からないんだけど?てか出来るのか?」
「妾とルビネラが主と結んだ契約とは形が変わるんじゃがな。そのニンフはもうすぐ消えて無くなるのじゃがそのギリギリを見極めるのじゃ」
「死ぬ手前まで待つって事か・・」
「少しまちゅがってるぞゲロりん!ニンフは死にゅというより消えて無くなると言う方が正しゅい」
「言葉の通り消えるのじゃよ?流体になった瞬間に主の龍力を体に流しブレスレットへ導いてやればいいだけじゃ」
「毛細管現象みたいだな」
「「何いっとるんじゃ?」んだゲロりん?」
「なんでもない・・・理解はしたよありがとう」
「ん~またなのじゃー」
「もうガドバの邪魔しゅんなよ」
ガドバとは一体何なんだろう?何かしらのゲームだろうか?聞きたい事は全部聞けたし、後はその通りにやってみるだけだ。
「あっあの~飼い主様・・・体が・・・」
言葉に彼女を見ると光の粒が体の一部から出て来ている。そのヒトの特徴たらしめる場所から消えるのだと一発で理解した。何故なら光の粒が女のぐにぃの山頂からから放出されているからで。
「飼い主様っ!どっどうしたら!?それに私めは孕んでもないのにっ//」
このまま消した方が良いんじゃないか?そんな表情を見て取ったらしく
「助けて下さるのではないんでしょうかぁ~!」
ぐにぃから光を放出しながら涙を流す変態が助けを求めてきた。
「あ~もう少しだけ待った方がいいらしい・・もう少しそのままでいてくれ」
「そっそんなぁ//こんな羞恥に悶える私めの姿に欲情なされるのですね///」
「そんな趣味無いから勘弁してくれ」
「殿方なのですから別にお気になさらなくても良いのですよ?どうぞ満足なされるまで堪能して下さい///」
俺はもうこの女の言葉を聞くのを止めた。
この変態のペースに巻き込まれるととんでもない事になりそうだからだ。確かに魅力的な容姿ではあるけどもっと慎ましい女性が好みなんだよ。
初めて会った女が目の前で悶絶してるんだぜ?妄想や二次元なら喜んで見るだろう。実際に目の前でこんな展開が起こってしまうと意外と冷静になれるらしい。
「あっあの!飼い主様!!あのっ!!」
先ほどよりも一層の焦りを混ぜた声を聞くと変態がだんだん薄くなってる。
「うしっ!んじゃまぁ~やってみるか?初めてだけど上手く行くさ!多分」
「今!多分って言いましたのですよ!」
その言葉は無視して変態に近づいて頭に手を乗せた。「ひゃっ」ビックと動いた彼女に「動くなよ?」と釘を刺してから掌に龍力を集中して行く。
「はんっ・・・んっ・・あっん・・」
龍力を急に力強く流してしまった。でもそんな艶かしい声を出さなくたっていいじゃないか。
今度はゆっくりと針の穴に糸を流すようにして行く。一定感覚で通していくと変態の体が蒼色に発光している。
話せる余裕があったから
「大丈夫か?痛くないか?」
変態の調子を気遣ってやったのに「はぁん!飼い主様ったらこんなに激しなんっ//」うぜぇ~!もう気遣い無用とばかりに一気に力を流してやったのだった。完全に体を覆うように光が行き渡り、後はブレスレットに龍力で道を造って流し込むだけだ。
「じゃあ本番行ってみようか?」
「かっ飼い主様っ・・・」
「心配すんなってちゃんと上手く行くからさ?」
「飼い主様を信じまするのですよ」
「おう!信じてろ!」
ブレスレットには既に俺の龍力が込められているので、その込められている力をゆっくり引っ張るように引き出して行く。それから変態に込めた力も同様にして引っ張ると互いから出した力を結ぶように引っ付ける。
「かっ飼い主様っ?!なんだか引っ張られるような、吸い込まれるような感じがするのですよ~」
「へぇー凄いなー」
「何でそんなに感情が平坦なのですかぁ~!」
「力に逆らわずにむしろ自分から飛び込んでみたらいいんじゃないかな?多分」
「わがったのでじゅよぉ~」
おっ?おぉ?変態の姿が完全に光の粒になってる!いくつもの球体が円状に並んでブレスレットに吸い込まれてる!まるで鬼○者が敵倒した時のようだ!
おぉ~なんか感動するなぁ~!!どんどん吸い込まれてる!!時間にして十数秒で光の粒は全て吸い込まれてしまい、目の前にいた変態女の姿は完全に消えて無くなってしまっていた。うん!成功かな?うしっ!レミナを放置したままだし風邪を引いたら大変だし帰ろう。
「帰るぞドリドゲス~!」
「ヒ~ン」
レミナを回収して帰りはドリドゲスに乗馬して帰ることにした。にしてもなんだか大変だったなー。
「飼い主様!放置プレイはひどいのですよっ!!」
「はっ!誰だっ!一体どこから声がっ!!ドリドゲス気を付けろ!」
「ヒーン」
「酷いのですよ!私めことエルジュなのですよ!」
「なんだ空耳か・・・疲れてるのよシン・・・」
「無視は無しでお願いするのですよ~!!」
「助かっただろ?万事解決じゃないか!」
「むうぅうう!こうしたら行けそうなのですよ!」
叫声と同時にブレスレットが輝き光の塊が目の前に現出するとゆっくりその光源は明度を失った。目の前には変態が居た。勿論、全裸で登場した訳だが俺はあえて無視することにしようと思う。
「ドリドゲス?さっきの木のところまで頼むぞ?」
「ヒン」
「飼い主様!!!!!!!」
「あーもう五月蝿いなーなんだよ?」
「む~感謝しているのですよ!でも無視はしないで欲しいのですよ!」
「分かったからさ、せめて何か着ろよ・・・」
「はっ!飼い主様はやはり私めを見て欲情してしまうのですね!」
「さようなら。頑張って生きてください」
「じょっ冗談なのですよ!服なんて持ってないのですよ!そもそもニンフは服なんて着ないのですよ」
「裸族かよ・・」
「ラゾク?」
「お前見たいな裸で生活してるヤツらの総称だよ」
「あの私めはニンフなのですよ?」
「知ってるよっ!!」
どうしたものか?このまま連れて歩く訳にもいかんし、こんなの連れてたら俺が変態だと思われてしまう。思考しろ!良い選択肢が生まれるハズだ。
うーん?そもそもこれから一緒に旅をする訳でも無いしな・・・。
「仕方ないからこのブレスレットをお前にやるよ」
「そっそんな高価な物を・・・」
「お前が持っていたら自分で移動も出来るし楽だろ?まぁこれから色々と大変だと思うけど頑張れよ」
「はいなのですよ!!」
「じゃあな~」
さて、これで一件落着だ。ドリドゲスに指示を出してから少しだけ眠ろうか。
「まっ待つのですよぉ!!」
横っ腹に衝撃を受けると全裸が捕まっている。
どうしたんだろう?これで自由の身になれたのにまだ何かあるのか?
「飼い主様!私めも連れてって欲しいのですよっ」
「え?なんで?」
「今までずっと一緒だったのですよ!!これからは飼い主様の為に恩を返すのですよっ!!」
「えー?いいよそんなの気にすんなって!困った時はお互い様って言葉があるだろ?さぁ自由を堪能するといいさ」
「嫌なのですよ!エルジュもっ・・私めも連れて行って欲しいのですよ!」
「え?なんで?」
「なんでって・それは・・飼い主様のことが・・」
おぉう。残念美人だが美人は美人なんだぐっとくるぜ。
「うぅう飼い主様は私めのことが嫌いなのですか」
涙を貯めて上目使いだなんて。
泣かせてしもた・・・少しやり過ぎたか?
「でもお前は自由になれたんぞ?仲間だっているだろう?」
「普通ニンフは一度憑いた場所で一生を過ごすのですよ・・・・」
「いやでもさ・・・」
この先のことを思うとあまり人数を増やすのもどうかとか考えてしまうのだ。それに本当に自由になったんだからワザワザ俺達に付き合って危険に身を置くこともあるまいと俺は思っていた・・・ら。
「エルジュは連れて行けって言ってるんだよ?別にお前を困らせる気なんて無いんだ。それに魔力だってそれなりにあるんだから困らんだろ?」
なんで急に口調変わってるんだ・・?
え?やだ怖い!!!やだやだやだ!
「エルジュのこと無視すんなって?なんだったら夜の世話だってしてやる」
「なんで急に口調が変わってるんですか?」
「なんだか分かんないけど、体の中に熱いのが流れ込んで来て中身があっ・・」
緊急コール!緊急コール!!助けてソルナ先生!!
「「「ガドb」ソルナああああ助けて!!!!」
「また邪魔したのじゃ!!」
「なんだよゲロいい加減にしにょや!」
「うっうぅ~ルビネラぁ~助けてよぉ~」
「にゃっにゃにぃよ・・」
お二人の先生のお力を借りるしかないんだっ!!
「契約は上手く出来たんじゃな?」
「言われた通りにしたよっぐすっ・・」
「何で泣いとるんじゃ・・・」
「何があったんだよゲロ・・」
二人に事の顛末を説明して行くと二人共がそろって「「あ~・・・・」」と何か合点がいったらしい。
「それなんじゃがな?龍力の影響が出とるんじゃ」
「だってさっきまで普通だったんだもん・・・」
「いいかゲロ?元々ニンフは固定された肉体を持たない種族なんだ。言ってみれば膨大な魔力の塊みたいなモノなんだ」
「ルビネラ・・・全然噛まないな」
「にょっんなこと無い!黙って聞け!体が魔力そのモノで構成されてて、今回したのはシンの龍力を用いての体の再構成。つまり新たに生まれ変わるようなものなんだ」
「ルビネラの言っとる通りじゃ。主に魔力があればこんな事は起こらんかったのじゃがな~」
「どうしたらいいの・・・?ぐすんぐすん」
「シンが生まれ変わらせた以上はそのニンフはシンに付き従うだろうな」
「え・・・だって凄く怖いんだけど・・・」
「主従関係はっきりさせたら言いだけなのじゃ」
「龍力で脅すなりなんなりしろよ。ソルナ様と続きあるから邪魔しゅんなよ」
え・・・それだけ?メーデー!メーデー!!!
龍力で脅すって言われても困るんだけど・・・。
「おい?無視すんなよ?」
「えっ・・・あっひゃいっ!!」
「てめぇそれでもエルジュの飼い主か?こら?」
「ひっぃいいい」
足引っ張られて地面に落とされた。
痛い凄く痛い。心が。
「聞こえてますかぁ~?」
全裸でうんk座りしてるうう!見えてる!見えてる!駄目だよ!刺激が強いよぉ!!
「聞こえてますか?か・い・ぬ・し・さ・ま?」
「ひゃいっ!聞こえてましゅ!!」
「何びびってんだよ?あ?」
「びびってましぇん!」
「あ~?」
「痛い!痛いから止めてくだしゃい!勘弁してくだしゃい!!!」
顔近い!近いよ!顎をぐいっと上げられて身動きが取れないよっ!助けて!!!
このままじゃ殺されりゅ・・・。
誰かたすけ・・・・・。
「うるさいっ!!!」
轟音と共に変態女がぶっ飛んだ・・・・。
助かった・・?
「主様っ!眠れない!夜は静かになっ!」
ドリドゲスの背中から飛び蹴りを放ったレミナが綺麗に着地した。彼女の助けが無かったらどうなっていたことか、そんな助け舟を出してくれたレミナに抱きついた。
「うわ~んれみなぁ~」
「どうした!お腹痛いのか?食べ過ぎたか?」
「あの変態女がいじめるんだよぉ~」
「変態!?」
レミナがぶっ飛ばした変態は泉を滑るように進んで木に打ち付けられていた。それでも彼女は何のダメージも受けていない様子で何事も無かったかのように立ち上がり、レミナはその変態を見て俺に言葉を投げかけた。
「なんでアイツは服を着てない?」
「だから変態なんだよぉ~」
「服を持ってないのか?可哀想に・・・」
哀れみの表情を浮かべたレミナは変態をじぃーと見つめてある事に気が付いたようだ。俺と変態を交互に見てから匂いをクンクンしている。犬みたいなことするヤツだな。
「ちびっ子!エルジュは子供を痛めつける趣味なんてないんだ黙って寝てろ!」
「アレから主様の匂いするけど・・・なんか違う」
「俺の龍力流して助けてあげたんだよぉ」
「助けて貰ったのに主様をイジめるのか。主様は少しそこで座ってるといい」
「えっと何するつもりなんだ?」
「任せておくといい」
そう言い放ったレミナは一直線に急加速して変態に接近していった。変態はレミナがただの子供だと思っていたらしく彼女の急接近に対応し切れ無ない。体躯も小さいので間合いが取り難いようで再び木に激突したのだった。
木がバキバキッと撓りをあげて折れた状況を目の当たりにした俺は流石にこれはやり過ぎじゃないかと心配になる。変態はまたしても立ち上がるがその体には血どころか傷も出来ていないようで俺の思いは杞憂に終わった。しかし、レミナの一撃を貰っても怪我しないとかどんだけ頑丈なんだ?
俺の龍力のせいで肉体の強度も向上してるのか?
「子供すっこんでろって言ったんだけど?聞こえなかったのかな?」
「主様をイジめる悪いヤツにはおしおきが必要」
「エルジュは別にイジめてなんてないんだけど?」
「じゃあなんで主様は半分泣いてる!」
「うるさいなぁ・・・」
「うるさいのはお前!」
「うるさい!うるさい!うるさい!ウるさい!ウルさあぁああいいいい!!!」
え?また豹変してないあの変態・・・。
ピカピカ発光してるし力が外まで漏れてるんだけど、ん~少しマズいかもしれない。レミナを呼び戻そうとしたら変態が蹴りをレミナにぶちかました。詰めた分の距離を飛びレミナは空中でクルクル回転して俺の前に着地した。
「・・・・」
「レミナ大丈夫か?」
「・・・・」
「お~いレミナちゃ~ん?」
「・・・・」
反応が返ってこないから俺はレミナのワンピースをペロリと捲りあげてぱんつを堪能した。数秒経っても動かない彼女を覗き込もうとすると急に声を発した。
「だ~くえねるぎぃ~ふらっしゅうはりけえん!」
両手をビシッと前方に向けるとレミナの掌から橙色の炎が渦を巻きキラキラ煌きながら変態へと放たれてた。それを見た変態の表情は一瞬固まっていたが次には行動を起こした。「あっがっがあぎゃあああああ」言葉にならない言葉を捻り出すと変態は大きく開いた手で空を引っ掻く。
泉の水が噴出し五枚の刃となって放たれた。
双方が放った力の奔流は衝突すると轟音が響き渡り、レミナの炎が水を刃を急激に蒸発させたせいで辺りは一気に水蒸気で満たされる。視界が急激に閉ざされるが俺には双方の動きが見えている。煙がゆっくり晴れていくと、そこには傅いた状態で頭をレミナに踏まれた変態がいたのだ。
「レミナの勝ちだ」
「はぁはぁはぁ・・・」
「お前は主様に力を貰っただけ!弱い!」
「うっぐぅ・・はぁはぁはぁ」
勝敗は決したようなんだが・・・。
なんかすげーめんどくさい事にしかならないような気がする。だって頭を踏まれた変態の顔が完全に恍惚の表情になってるんだもの。元の変態性は変わらなかったのかもしれない。レミナが頭から足をどけると変態は立ち上がりスッと頭を下げている。
「エルジュ=レグルメントと申します!私めの完敗なのですよ!」
「レミナはレミナだ」
「はぅん!レミナお姉さまっ///」
「何を訳の分からんこと言う」
「お願い致します!お姉さまと呼ばせて下さい!」
「意味がわからん!」
「私めはお姉さまに完敗致しました!故にお姉さまに付いて行きたいのです!」
「・・・よく分からん。勝手にしろ!」
「はいっ!お姉さまっ///」
なにやら勝手に話が進んで完結したようだ。
二人が俺の元に歩いてくるとレミナがニコニコしながら俺に飛び込んできた。
「にゅふふ~主様!レミナの勝ち!」と勝ったことには相応の喜びを得たようだが、俺は心を鬼にしてレミナの頭を小突いた。
「にゃふっ!!なんで頭叩く!」
むっとしたレミナを諭すように俺は言う。
「ダークエネルギーフラッシュハリケーンは禁止しましたけど?」の言葉にレミナは一瞬で表情を硬化させて「主様・・違う・・レミナは確かに言ったけど違う!」何がどう違うのかを問いただそうとしたまさにその時、顔面に向けて蹴りが飛んできた。
「お姉さまを叩くとは許せないのですよ!」
咄嗟の動きだったがこの程度の速度は何てことも無く受け止めた。だがヤツは全裸だなのだ!そう全裸だ!見えてはいけない部分がこんにちわしている。一瞬同様したのだがレミナが変態に向かって怒った。
「エルジュ!主様にそんなことするのは駄目!」
「でっですがお姉さまに対してこのような暴挙は許しがたいのですよ!」
「エルジュはレミナより弱い!」
「はい!私めではお姉さまには勝てません!」
「レミナは主様に勝てない!」
そうレミナと出会ってから数回程だが手合わせをしたことがあったのだ。でも、レミナは俺に勝てることが一度たりとも無かった。彼女の攻撃の全てを捌き、技を潰し、負けを突きつけた。
出会った時から俺に対して親しみを覚えていてくれた彼女だったが、手合い以降はより一層のそれを受けることになったのだった。
「それにエルジュは主様に助けて貰ったのに!」
「でっですが・・・飼い主様は私めを連れて行ってはくれないと仰るので・・」
「主様?それ本当か?」
「あぁそうだよ」
「なんでだ?」
「俺達は目的のある旅をしている。出発したばかりだがこれから色々とあるかもしれんだろ?」
「なるほど~」
「お前はニンフでようやく自由になったんじゃないか?」
「うっ~ですが私めは飼い主様の御側に居たいのですよぉ~」
「エルジュは何で主様と居たい?」
「それは~その子に中からずっと飼い主様のことを見てていつも優しいくて強くて・・それで・・」
「エルジュはレミナより弱いけどそこそこ強い」
「だから?」
「連れて行くのは駄目?」
「私めからもお願いするのですよ!」
う~ん・・・まぁ確かに龍力を流す前と後では違い過ぎるほどの力があるもるしなぁ~あーもうめんどくさい!!
「分かったよ!これから色々と頼むなエルジュ」
「良かったな!」
エルジュを見ると彼女は全裸で三つ指をついて「命続く限り永久に貴方様に尽くします」と仰々しい態度で挨拶をしてくれたのだ。俺はこの時、全然気が付いていなかたのだ。彼女の顔は恍惚を纏いはぁはぁしていた事を・・・。
本話もお読み頂きまして有難う御座います。
ブックマークをして下さっている方にも感謝です。
ここからはシン、レミナ、変態の三人パーティで物語は進みます。
変態ことエルジュを宜しくお願いします。
次話以降もお願い致します。