表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍軌伝 異世界で龍に愛されるニート  作者: とみーと
第四章 クラジョ・コラジュ編
37/217

二度目の契約

ギルドを後に龍殿にある例の空間でルビネラと向かい合う。結局やんのかよ、全然気分が乗らないし正直やりたくないのが本音なんだけど。

ルビネラがニコニコ笑顔でこっちを見ている以上はもう逃げられない。ゴネタ所で彼女の気分が変わることなんてないから俺としても覚悟してやるだけだ。人差し指をちょいちょいしてとっとと来いよなんて挑発して来る辺り相当楽しんでいる。


息を吸い気持ちを整えて一気に加速。

左手の手刀を袈裟切りに振り落としていく。

ルビネラは右手で俺の二の腕を掴み勢いを殺しに来ると同時に左足からの蹴りを放った。


俺はそれを右手の掌底打ちで止めて、膂力を生かして掴まれた左手を軸に回転し右手の裏拳を放った。ルビネラが俺の腕を掴んでいる以上これを止めることは出来ないハズだったが。体勢を崩しながら咄嗟に掴んでいた腕を放し、彼女も俺の掌底打ちで返された足の勢いを殺さずに回し蹴りを裏拳に当てたのだった。


互いに一度距離を取ったが俺達からするとこの距離に殆ど意味が無い。龍の力で強化した肉体にとって少し離れた程度では零距離と同義で一瞬でその距離を詰めることなんて雑作も無い事なのだ。


次に動きを見せた彼女は助走も無いにも関わらず、まるで後ろから車に衝突され吹き飛ぶが如くの勢いで左足の飛び蹴りで肉迫する。腕をクロスさせて蹴りを止めると空中で横回転し右足の蹴りを脇腹に貰ってしまう。強化しているにも関わらずズシンとくる重みに耐え切れず横方向にスライドするかのように飛ばされてしまう。飛ばされるがギリギリの所で彼女を掴み勢いのままに投げようとした。


「はにゅっ!!」の声に彼女を見た。

完全に掴んでいたのだ、俺はキャッチしていた。

だがこのビックウェーブに乗るしか手は無い!

掴んだそれを俺はぐにぐにぃと数回だけ揉んでやった!凄く気持ちがいいです。服の上からでも手に吸い付くぐにぃが至高のモノだと俺に訴えている。仕方あるまい俺も男なんだ!続けて数度高速でぐににににににににぃと揉みしだいてから飛んだ。

この間、約五秒。傍から見たら何が起こったかなんて見えない。


着地して彼女を見るとぺたんと力無く女の子座りしていた。正直に言おう!ルビネラのこういうレアな仕草が非常に俺の何かを擽るんだ!

もっと!もっと!もみた・・ぐにぃしたい!


「ティガトよ今何が起こったか全部見えたか?」

「恥ずかしながら・・数度打ち合っただけとしか」

「だろうな。俺も同じ様なもんだからな」

「主様はルビネラのぐにぃを十回もぐにぃしてた」


「レミナ殿ぐにぃしてたとは何だ?」

「俺達に分かるように説明して貰えんか?」

「主様の個人的欲求を話す訳にはいかない」


二人には理解出来なかったようで助かったがルビネラは未だに座ったままで動かない。彼女に近づいて肩をぽんぽんするとクワッ!とこちら睨んでくるが動かれる前に動いた。「ルビネラ!ありがとう!最高だぜ!」と笑顔とサムズアップで返答してみたら、顔を赤く染めいつもの調子ではなく俯いて「びゃかゲロリン」などと言ってる。彼女が立ち上がると一瞬だけ身構えがどうやら終了のようでホッと胸を撫で下ろして警戒を解いた。


「シン・・・」

ルビネラからそう呼ばれることが殆ど記憶に無い。

少し戸惑うが彼女の方を見るとなにやらモジモシしていてまるでで告白される男子の気持ちだよ。告白なんてされたこと無かったけど。「ルビネラ?」

名前を呼ぶとビクッと肩を動かす仕草がいかにも女子らしい雰囲気を醸しているが龍だ!


「ったくゲロのくせにまだまだ甘いんにゃよ!」

「ゲロは酸っぱいって知ってるか?」

既に転生して数回は吐いてるがこの世界でも吐くと口の中は酸っぱいのは変わらない。

「うっしゃっいつずふぎゃっ!」

今のは本気で噛んだ時のヤツだ、とても痛そうにしてるけど何も出来ないから取りあえず凝視しておこう。「ぐっ~」両手で口を押さえながら俺をみると次いで話を再会した。


「眼帯取れよゲロクチャ」

そう言うとズイっと一歩踏み込んで凄んでくるので一歩下がる。とまた一歩踏み込んでくる。

「どっどうされました?ルビネラ様?」

丁寧に話かけると彼女は俺に飛び掛って来て押し倒されたのだ。

「いいからとりぇえええ!!」

「やっやめて!らめえぇええええええ!!」

抵抗も無なしく眼帯を取り上げられてしまう。


「ゲロだけぢょ目だけは本当に綺麗だから褒めてやりゅ!」

顔が近い!近いよルビネラちゃん!!

チューされそうだよ!はっ!まさかっ!

俺は彼女の気持ちに答えるように唇をちゅーの形にして目を閉じた。さぁ、いつでもおいでルビネラ!俺の準備は出来てるよ?


「目を瞑んなっ!!あけりょ!!」

龍紋のある方の目蓋をこじ開けようとしてくる!

何故だ!ちゅーだろうが!!

「なんで!チューしたいんだろ!俺の準備は出来てるぜえええ!」

絶叫に近い声で叫ぶと「ねにゅえ!」どうやって声だしたか分からない音で答えが来る。彼女の顔がこれほど赤くなったのを見たことがあるだろうか?

答えは否。


「かっ勘違いしゅんなや!ルビネラしゃまが契約してやると言ってんぢゃ!」

赤らめた顔にうるうるした目でそんな事言われたら告白されているみたいでドキドキしちゃうよ。俺って以外とウブなんだぜ?

「はっ初めからそう言えって!」

「言われなくても気が付くでぃぁろ!」


押し倒された俺の上に跨り座るこんな状況じゃあ互いに気まずいので俺はそうそうに目を開いた。

ルビネラの顔が近くてビクついてしまうのけど真面目な顔をしているのでおちゃらけは無しで続ける。


「綺麗な紋。ルビの紋は流麗で美しいけどランザール様の紋もカッチリしてて見惚れる」

「龍が故の美的感覚なのか?」

龍的な感覚は残念ながら俺には無くて、元々そんな美意識も無いんだけど・・。

「そう、合わさってるけど相乗効果でより綺麗。ここに紋を入れてもいいのかと正直迷う」


いつも毒を吐いたり噛んだりするのが当たり前になってるからこそ素の彼女と話すと新鮮だと思う。

毒抑え目でこれだったら最高なのに残念美人枠だからな。

「よく分からんけどルビネラの紋が入っても綺麗なままだと思う」正直に思ったことを言葉して彼女に伝えると彼女は微笑した。


「ソルナ様は仮契約になっているけど、これはしっかりした契約になるから」

「どんな違いが出るんだ?ルビネラに何か悪い事とか起こらないよな?」

「悪い事なんて起こらない。この契約でシンが得るのは龍としての力ただそれのみ。シンの魂は龍のそれだけど体は龍じゃないから制限はあると思う」

「ルビネラの力をある程度で再現できるのか?」

「力の話で言うなら前以上に龍法による身体強化能力が向上するだろう。ルビは龍法による強化とブレスが主体だから」


「俺にはブレスは吐けないもんな・・・」

龍のように口からブレスを吐くことは練習してみたけど再現が出来なかったモノの一つだったのだ。

「でもシンには龍法でドンパチするような戦い方より強化による接近戦とソルナ様に頂いたドラシャールフェルチェで戦う方が良いと思う」


ここに来てソルナに貰った鈍器鎌の銘を初めて知ることになるが凄い銘だな。

「ヴェルさんの紋の力ならソルナの時みたいに呼び出せたりするかな?」

「ソルナ様の例で言うなら可能だと思うが出来る限るは控えた方が良いと思う」

「体に負担掛けてた?」


俺にとって彼女達を呼べれば助かる場面は多いと思うけど、それで彼女らに負担が掛かるなら止めて置いた方が懸命だろう。彼女は頭を横に振る。

「それは無い、ソルナ様は体験した事の無い感覚だと喜ばれていたから」

「じゃあなんで?」当然の疑問をぶつけると「シンはこれからも多種多様な龍達と逢うかもしれない。龍がいる場所は少なくともその龍に関わりがある可能性が高い」

「行き成り違う土地にいる龍が出ればどうなるか分からないって事だな?」

「ヴォルマやジョコラでソルナ様とルビを呼ぶのは構わないけどね」

「ルビネラって自分の事をルビって言うんだな」

「シンの前では言った事はなかったかもね」

「実は大して口悪くないのかな?」

「ふふっ。どうかしらね?」

「噛むのは演技だと分かるけどな」

「んふふっ。長い時を生きると色々あるものよ」

「いつか教えてくれる?」

「そんな時が来たらね」


噛む事はかなりの大根だが素の口が悪いのは演技なのか?色々あるって言うしここで詮索し過ぎるのも野暮な話だ。いずれ聞けることがあったらそれで良い。今はそう思える。「じゃあ契約するね」

言った彼女は瞳にキスをして目に熱さを得て彼女と繋がりが出来た事を確信した。

「紋は綺麗になったか?」

そう訊ねるとはにかんだ笑顔で「自分で綺麗と言うのは憚られるけれど汚くはなって無いわね」

「なら良かった」


彼女は俺を手を引っ張り上げると眼帯をしてくれたのだった。一頻り事が終了するとルビネラが「ソルナ様が暇をしているだろうからそろそろかえりゅ~」いつもの感じと雰囲気を纏いなおして皆に告げた。


前回のソルナの時と同様にして送り返す間際、おもいっきりスカートをベロン!と捲りあげて蒼パンを堪能した。「おい!ゲロ野朗ふざけたこ・・・」

うん!ちゃんと出来たよ俺!!ガッツポーズをして完全勝利を捥ぎ取ることに成功した。


振り返るとタンテと目が合い若干引いたような目で俺を見ている。彼女もまたスカートなのだが俺がそこに目をやると「ひっ」なんて声を出して押さえているんだけど。そこまで俺は節操無しなんかじゃないんだから!そうそう簡単にしないんだから!目で訴えてみたけど通じることは無い。


「シン、ルビネラ様は我がジョコラにとって大切な方なんだからあまりそういうのは良くないぞ?」

リエラの正確で正し過ぎる言葉に何も言い返せないけどあえて言う。

「ルビネラはあれで喜ぶんだ・・・俺だってやりたくなんてなかったよ」

遠い目でそう告げたら二人共納得してしまう。

心の中で一応は彼女に対して謝罪をしたけどまたやりたいという思いの方が強いらしい。


その後は早かった。

準備という準備の殆どはリエラ達が用意していてくれたおかげで特に何もする事もなかった。暇つぶしにとルビネラの紋の力で身体強化をしてみると驚くほどに違いが現れて吐いた。俺は後何度吐けばいいんだろうか?身体強化というから今までより高くジャンプ出来るとかそんなことを想像していたんだけどまったく違う形で現れた。


まずは目、動体視力が半端無く上がっている点。

本気で打ち込んで来いとレミナに言うと、何の躊躇いも無く顔面に拳が飛んで来たが完全に目で追いきれたり。カメラの望遠レンズのように遠くのものが近くに見えたりとズーム機能が搭載されていたのだが調子に乗って使っていて吐くという結果に至った。


次いで違いが出たのは耳で、単純に音を拾える範囲が広がっている点と音を絞れる点にある。聞こえる範囲が広くなると中々に気持ちが悪くて本来聞こえるハズの無い音等が聞こえるとどうにも落ち着かなかった。音が絞れるのは使いどころによってはかなりの利点なると思う。雑踏の中であってもココと決めた場所をピンポイントで絞れるからだ。この二つが顕著で元々の身体強化に関しては前より幾分か良くなったというのが感想だ。


後は徐々に慣らして行くだけだ問題ないだろう。

明日からはレミナとドリドゲスとの旅路だし楽しみでもあるが道程は長そうだ。


本話もお読み頂きまして有難う御座います。

ブックマークをして下さっている方々にも感謝致します。

作品の評価もして頂いていたみたいで励みになります。


次話以降から新章に入る予定にしておりますので次話以降もどうか宜しくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ