御守りと罰
クラジョコラジュ、魔法の国、魔女の国。
王はヴォルマと同じシルキーの女性でクラジョ・コラジュ=リエラと言った。今の俺からみた彼女は人間圧殺機で頭がかなり切れる印象であった。
ジョコラに来てした事と言えば、リエラに会って、後は夕食まで魔法の特訓をしただけだ。
ジョコラに来て良かったと思ったのはこの景色を見れたこと。この世界に来てから元の世界に思いを馳せたり、考えたりする事はあったけど割りとあっさりと切り替えれた自分がいた。
自分自身がどんな事に対してもドライな人間だと思い込んでいて、そう決め付けていた節があったから。そういう意味でこの景色に心が動いたことに嬉しさを感じたのかもしれない。この景色を見ると懐かしい、そんな気持ちにさせるのだ。
夜の帳が下りるジョコラの街はあちこちで綺麗な色が輝いて美しい。自分が住んでいた世界の夜の景色とダブる、色んな色が輝いていてあの町並みを思い出す。リエラに耳たぶをふにふにされてそんな思いに手を振る。
「んぁ?」
「ジョコラの街は綺麗だろう?」
「うん。とっても綺麗だね」
「シンはジョコラを気に入ってくれたようだな」
「この明かりは全部魔法なんだよね?」
「そうとも魔法の国、魔女の国と呼ばれる所以だ」
彼女は夕食をこの町並みが見える場所で取ろうと提案してくれた。三侍女達も今日は客人として扱われ普段していることを取り上げられてそわそわする者、楽観的に笑う者、喜ぶ者の顔になっている。
ルナとリエラの間に座らされフェルと三侍女達が対面に座る形となっているが、全員が俺の横に座りたかったようで位置取りを勝負で決めていた。
料理が配膳されるとそのどれもが鮮やかな色彩を持っていて食欲を掻き立てる。ただ全部が肉料理じゃなかったら気持ちよく最後まで食べれたと思うんだ、ミートパイみたいなので俺の腹は限界に達した。なのに両サイドからほら!
あ~ん!の連続行動で口の周り油でギトギトになってるし勘弁して頂きたい。食後そんな俺の気持ちを微塵も察することなくリエラが話しを始めるのだ。
「ルナ達はいつまでコラジュに滞在するんだ?」
「本当ならゆっくり羽でも伸ばそうかと思ってたんだけど、今日の話を聞いたらそんな暇なさそうね」
「なら明日にはヴォルマに向かうのか?流石にそれはこちらが失礼になってしまうだろう」
「そんな体面気にするような王にいつからなったのかしら?」
「ぐむっ」
「それにアタシも王なのよ?他国との友好関係に尽力はするけど、自国にも及ぶかもしれないような問題が浮上してる以上はフラフラしてられないのよ」
「だが疲れもあるだろう?二泊ぐらいして行けばいいだろ?」
「二泊している時間があったらヴォルマに帰れるわよ。それに街の方へシンを連れて行って上げれないなら居ても仕方ないでしょ?」
「えーーーーいいじゃないかーー!!」
「しつこいわよ」
「ルナリア様ぁあ~」
「あんたに様付けで呼ばれたら余計イライラするからやめて頂戴!」
「シンもゆっくりして行きたいだろ?なぁ~?」
「僕に言われても困るよ?ルナが帰るって決めたんだから僕も帰る」
ルナが何故か勝ち誇った顔でリエラを見ずに「ふふ~ん」よ鼻を鳴らしている。リエラは凄い悔しそうに「ぐぬぬっ」ってルナを睨んでて喧嘩になりそうで間に座る俺としては勘弁願いたい状況が生まれた。
「リエラ?アタシ達は明日には出航するわ!」
「頼むよ~もう一泊だけしてけよ~」
「ダ・メ・よ!」
「なら出航許可出さないからなっ!」
「あんねぇ!どんだけ根性ひん曲がってんのよ!」
「ふ~ん知らんな!」
「いい加減にしなさい!話してる時はこっち向きなさいよ!」
「痛いじゃないか!肩をそんなに強く掴まなくてもいいだろう!」
そっぽ向いたリエラの肩をルナが掴んだのはいいんだけど、完全に俺の顔面右にぐにぃ来てるんですけど?ルナに肩を掴まれて彼女の方を向いたリエラのぐにぃが完全に俺の顔面左にぐにぃ来てるんですけど?
あーこれはぐにぃの夢の共演か?いや違う!
これはぐにぃ格闘戦だ!左右から違う感触が俺を挟撃して攻め立てる。
完全に俺挟まれたわ。これは良くない毎度の事だが呼吸が出来ない、だが今回は顔面がぐにぃに完全にロックされているが故に俺の頭がもげそうだ……首がっ。
「お二人共いい加減お止め下さい!」
「シンちゃんの頭取れるって!」
「いやあああ死んじゃうのぉおお!」
「流石にそろそろ解放して上げて下さい!」
三侍女達とフェルの声で我に返ったようだが……俺……もう無理……。
「きゃああああああシン!」
「ああああシン大丈夫か!」
俺はグロッキー状態で二人のぐにぃワールドから解放された。マーレとレスタによって瞬時に席から移動させられ今度は二人の間に座ることになった。
「お二人共、何をなさっているのですか!」
「えっあのこれはっちが!」
「まっマーレそのおちっついて」
「私はいたって冷静です!」
「流石に今のはシンちゃん可哀想だねぇ」
「二人で策謀してシンを殺そうとしたの!」
「狙いはシンの命でしたか!」
「「ちがうっ!」」
視界が白くなってたのは確かで意識がバンジーしかけてたよ紐のないヤツな。俺はぐにぃが最近怖いよ、俺が好きなのは優しいぐにぃなんだよ?
凶暴なのは嫌だな少し反省して頂こうかしら!
「マーレぇレスタぁ~息が出来なくて怖かったよ」
「もう大丈夫ですよ?怖かったですねぇ~」
「シンちゃんこっちは怖くないからねぇ~」
「初めからこっちに座ればよかったの!」
「首を痛めていませんか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
なんか四人のノリと息がピッタリ合ってるな楽しんでないか?二人の犯人の顔が蒼白で涙目だったから攻めるのはやめておこうなんか可哀想だわ。
四人が二人をジト目で見る光景はなかなか面白かったしな。
「もう止めてよね?」
「ごめんなさい」
「すまなかった」
「それでどうなさるんですかルナ様?」
「えっそのっ言ったことに変更はないわ!」
「明日の何時ごろに出航されますか?」
「そうねー早いほうがいいわよね」
「ルナ頼む!せめてせめて昼まで!昼まで!」
「あーもう分かったわよ。昼に出航よ」
「ありがとうルナ!」
リエラに譲歩する形で収まって解散となった。
俺は部屋に戻ろうとするとリエラが柱の影からこっちゃこいと手をぶんぶんするので仕方なく彼女の方へ向かう。
「さっきはすまなかった……ついつい」
「んーもういいよ?」
「そっそうか!良かった!」
「それでどうしたの?」
「これをシンにあげようと思ってな!」
「何これ?」
「お守りだよ。何もないと思うが持っていて損はしないぞ?」
「へぇ~でもいいの?高そうだよ?」
「謝罪も込めているから気にすることはない」
「もう謝って貰ったからいいのに」
「まぁそう言わずにな、後ろを向いてくれシン」
「うん」
俺が言われた通りにクルッと反転するとリエラが首飾りを付けてくれた。首飾りには何かの植物の蕾がぶら下がっていて、蕾のを包むように白い花びらのようなものが三枚張り付いている。
何これ呪いの道具かなんか?
「これはレムトだよ。シンを守ってくれる」
「お守り?」
「何かあった時にきっと助けてくれるはずだ」
「凄い大事なモノじゃないの?いいの貰っても?」
「構わない、そのレムトは相当なものだが俺には強固な結界があるからな」
「価値ってどれぐらい?」
「売るなよ?これを仮に買ったとしたら国が傾くかもしれんな」
「ええええええそんなのもらえないよおおおお」
「モノには価値が確かにあるけどなそんなもん他人が付けただけだろ?」
「いいよ!返すよ!!」
「だーーいいから貰っておけって!別に捕って喰ったりしないから!!」
「そのセリフを吐く人は怖いからダメ!トラウマなの!」
「そんなこと言うなって!シンの為に結界を施しただけのものだからなっ?」
「でも高いって言ったよ!」
「レムト自体が古いモノだからってだけだから気にしなくていいんだって!」
「いやでもー」
「これはきっと役に立つモノなんだ。君はオトシゴで俺の親友の元に流れ落ち元気に育っているが、悪い連中ってのは絶対にいるもんなんだ。本当にいらないなら捨ててくれて構わないから首から下げておいてくれ」
やり取りを続けているとふいにリエラが真顔で俺を見て真剣に言う。俺のことを心配して言ってくれてるようだったけど、会ったの今日じゃんかルナがあんな態度だから信用は出来るけどさ……。
「でも何でそこまでしてくれるの?」
「理由がないと不満か?」
「不満じゃないけど何でだろうってなるでしょ?」
「んー分かった!俺がシンを可愛いと思ってるからって理由でいいだろ!」
「えーなにそれ!」
「兎にも角にもだ、損しないか貰っておけ」
「うーん、分かった!ありがとうリエラ!」
「うん!初めからそれで良かったんだ!」
「じゃあ僕は部屋に帰るね!おやすみ!」
「あぁおやすみ」
「はぁー……」
「どうでしたか?」
「あーちゃんと渡せたし首にも俺自ら付けたぞ」
「そうでしたかそれは行幸に御座います。しかし、何故そんなにお疲れになっておられるのですか?」
「なかなか受け取ろうとしないからまいったわ」
「これで良いのですよね?」
「あぁこれでやるべき事はやったぞ」
「明日には発たれるのですね?」
「昼頃に出航だそうだ」
「では昼食はご一緒になさいますか?」
「いや明日はやめておこうか、ルナ達に船で食べる昼食は用意してやってくれ」
「かしこまりました」
にしてもアレがタツノオトシゴか髪も眼も真っ黒で不思議だったな。
良く分からんけど貰えるもんは貰っとけ精神で貰ったけど、本当にいいんだろうか?国傾くとか言ってたし恐ろしいな……でもこの白い花びらみたいなのつるつるしてて気持ちいいな。
俺は部屋でリエラから貰ったレムトを眺めていた。蕾を包む白い花びらがキラキラで美しく触るとつるつるしていて手触りが気持ち良い、もっと大きいサイズだったら顔面どころか体全体ですりすりしたくなる衝動に狩られる程だった。
そんなつるつるをスベスベしながら眠りについた。
三侍女部屋
「ターニャこんな時間にどこへ行くんですか?」
「トイレならウチもいく~」
「とっトイレぐらい一人でいってなの!」
マーレとレスタの眼がスゥーと細くなるのをターニャは見逃さなかった。二人の両目が三日月になり微笑を浮かべる瞬間、ターニャは全力でドアへ駆けたが時既に遅しレスタに捕縛された。
「なっなにするの!!」
「昨日はなんで部屋にいなかったのかなぁー」
「正直に言った方が身の為ですよターニャ??」
「べっ別に何も悪いことなんてしてないの!」
「良い悪いはウチらが決めることなんだよぉ?」
「シン様をお部屋へ連れて行ってからどこで何してたのですか?」
「ん~!!レスタ!揉まないでなの!!!」
「さー早くゲロっちゃいなよ~うりうり」
「さぁ言って御覧なさい?」
「シンを部屋まで運んでからは……そのまま寝ちゃったの」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「ターニャ!あなたという子は……」
「流石にそれはないね」
「なんでなの!」
「何時からそんなにはしたない子になってしまったのでしょうか」
「まぁーターニャもお年頃だしねぇー」
「ちっ違うの!別に何もしてないの!」
「ターニャ何を赤らめているのですか?」
「何を想像してんのかねターニャは」
「なっなにってなんなの!」
「違うの!べっ別に二人が思ってることなんて何もしてないの!」
「ウチらが何を思ってるっていうのかな?」
「言ってみて御覧なさい」
「だっだからそのえっえっ……ちなことなの……」
「ターニャ何を一人で妄想しているのですか?」
「あーターニャのスケベ!」
「うぅ。何にもしてないの……」
「そんな事は分かっています」
「はー何言ってるんだかねー」
「ふぇ?」
「ウチらはターニャがシンちゃんの部屋で寝てたことなんて知ってるんだよ?」
「ルナリア様のお世話担当はターニャでした」
「あっ!」
「なのにさーシンちゃんの部屋で一緒に寝ちゃうなんてねぇー」
「サボるなどと言語道断です」
「ごめんなさいなの。シンの側に付いてたら寝ちゃったの……」
「今度からは気を付けるのですよ?」
「二度目は無いよターニャ!うりうり」
「うっぅぅごめんなさいなのぉ」
「それで?何をしたんですか?」
「そうそう!」
「だから何もしてないの!」
「本当ですか?」
「本当かなぁ?」
「しっしてないのっ!」
「嘘はいけませんよ?」
「嘘言う時って耳がピクピクするんだよ?」
「ほっぺにちゅーなんてしてないの!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「なんと言うことを……」
「ターニャずるいーシンちゃんにちゅーしたい!」
「なっなんなの!?」
「それはターニャから無理矢理したのですか?事と場合によっては……」
「あー無理矢理はマズいよねー」
「無理やりなんかじゃないの!」
「ではシン様がして欲しいと仰られたのですか?」
「おぱーい大好きなシンちゃんがそんなこと言うかなぁ?」
「シンが寝てる隙に……少しだけなの」
「まぁ!寝ていることを口実にしたのですか!」
「ターニャもやる時はやるんだねぇ」
「うぅ、シンを見てたら可愛くてなの」
「今後はそのようなことはしてはいけませんよ?」
「シンちゃんが求めたらいいんだけどねー」
「分かったの……ごめんなさいなの」
「じゃあ今日はウチがシンちゃんと寝よう!」
「レスタ何を勝手なことを言っているのですか!」
「いいじゃーん。捕って喰う訳じゃないんだし」
「そっそんな破廉恥なこと言ってはいけません!」
「二人も同じなの」
「じゃあマーレとウチとシンちゃんで寝よう!」
「それがいいですね!行きましょう!」
「ちょっちょっと待つの!!」
「昨日は独り占めしたんだから今日はダメだよ?」
「昨日さぼった分は今日してくださいね?」
「んん!」
スヤスヤ眠るシンには与り知らぬ所であった。
息苦しさで眼が覚めるが真っ暗で何も見えない。
なんでだ?起き上がろうにも重い何かに前後を挟まれてる間隔だけが俺に伝わってくる。何だこれ?重いぞ?取り合えず前を押してから離脱しないとな、押したら押した分の圧力が返ってくるけどなんだこれ?後頭部にも何か?これは……まさかっ!
ぐにぃ~ぐにぃ~
「んっふ」
「ん~ん」
俺は理解した!こっこれはぐにぃだ!
しかもサンドイッチされてる!前に居るのはマーレで後ろはレスタか!手と後頭部の感触だけで俺には分かる!伊達にぐにぃバンクの司書をしてないんだぜ!!しかしこれは飽きないな。
しばらくマーレのぐにぃでぐにぃしてたらマーレが眼を覚ましたから俺は一瞬でフリーズ。たとえ一瞬でもぐにぃしている以上は迂闊に手を引いてはダメだ!逆に開き直って軽くぐにぃっとしてやるのが自然なんだぜ?
「んっん~もう朝ですか……」
―昨日はあれからシン様の部屋でレスタと寝たのでしたね。んっ?胸に何かが?シン様をレスタと挟んで寝たのでシン様でしょうか?私は布団を少しだけ捲るとシン様の手がそこにありました。ふふっ十三歳になられても昔とあまり変わりませんね。
昔、龍玉からシン様が生まれて以降、何度も添い寝をしましたが私が起きると何時も手がここにありますね。大きくなられてもこれは変わらないままで少しだけ嬉しくもあります。レスタにこの話しをした時は、自分が添い寝した時にはそんな風になったこと一度も無いと言ってましたし私だけと言うのが嬉しいのでしょうか?
シン様の髪は黒くて本当に綺麗でサラサラで何度触っても飽きません。それにしてもターニャはシン様の頬に接吻したようですが……レスタもまだ寝ていますね。シン様、一度だけお許しくださいませ。
私が頬に接吻しましたらシン様は寝ぼけていらっしゃるのでしょうか?私に抱きついて来てくれました。寝言で私の名前を呼んで下さるなんてどんな夢を見ているのでしょうね。ふふっ、小さい頃はよく抱っこをしましたが今はもう出来ませんね。私はもう一度シン様の頭を撫でて仕事へ向かいますがレスタはもう少しだけ寝かせておいて上げましょう。―
あらららら先日のターニャに続いてマーレにもちゅーされたで!あードキドキした!!嬉しくてつい抱きついてもうたで!マーレも嬉しかったのかな?
頭ずっと撫でてたし、おっちゃんな嬉しさのあまり意識飛ぶとこやったで!
なんていつも通りのテンションだったけどホント俺は幸せ者で贅沢者だなとつくづく感じるな。今も後頭部に幸せを感じてるしな。ヴェルさんのお陰だわな。
もっと色んな事を吸収してあの頃の俺とは決別するんだ。もう俺はあの頃の惨めな俺じゃない、嶺辰一じゃなくシンなんだ。後悔だけはしたくない。
コラジュに来て二日目の昼
既に俺達はヴォルマへ向かう船上で出航を待っているが、着いた翌日に帰ることになるとは思いもしなかった。コラジュに着いて、リエラに会って食事してレムトとかいう首飾り貰っただけなんだけど。変事件のこともあるから仕方ないとはいっても早すぎだな。
「会えたのは嬉しいけど御免なさいね?」
「あ~もういいよ。気を付けて帰ってくれ」
「何よその態度は」
「別に?」
「拗ねてるのかしら?」
「俺は王だぞ?」
「なら王らしい態度で送りなさいよ!」
「次はもっとゆっくり出来るようにしておくよ」
「お互いにね」
「昼食はこちらで用意させたから皆で食べてくれ」
「そうさせて貰うわ」
「何か分かれば使者を送る」
「今回もそうして貰えたら良かったんじゃなくて?」
「シンに会えないじゃないか!」
「ではまたねリエラ」
「ああまたなルナ」
リエラが三侍女とフェルに挨拶を済ませるとそそくさと俺の方へ近寄ってきた。
出来ればぎゅーは勘弁してもらいたいが。
「シンにも悪かったな昨日の今日では疲れも取れなかっただろう?」
「ううん。大丈夫だよ」
「レムトは肌身離さず首から下げておくんだぞ?」
「分かった!」
「ではまた遊びに来い!」
「うん!」
ぎゅーされると身構えて居たのがバレていたのか彼女は笑顔だけを寄こして船を後にした。なんか期待してたみたいでハズいな……だけど次にコラジュに来るときはもっと色々と見学したいもんだな。そんな思いを抱きつつ船は出港し穏やかな水面を進んでいく、行きはよいよい帰りもよいよいだった。
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本当にありがとうございます。既に三章の執筆を開始いております。
もうしばし龍軌伝二章にお付き合い下さい!
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