現在状況
「ああ。……彼はHLDウィルスで
死んだんですよ笑笑」
時が止まった。
神木の言葉で一瞬にして。
なにもかもが。
交差していた気持ちが。
考えが。
粉砕した。
「神木っ…おまえっ………!」
「でも勘違いしないでください。」
と降り下ろした拳をすっと
手で止められそして
「僕がそれを作ったからといって………
僕が犯人になると思いましたか?
いやいや。僕は犯人でも
HLDウィルスをばらまいた本人でもない。」
とずっとケラケラと笑っていた
神木は一瞬にして真顔になり
「最初にHLDウィルスは人工ウイルス
といいました。
それを作った本人の名前は神木玄道
僕の愚父です。」
僕はそんな愚父が嫌いで
その反抗のため抗ウィルス薬を
作ったまで。
それに抗ウィルス薬を作る場所は
ここくらいしかない。
何故なら家では親に
見つかってしまう。
親は怪しい組織や人物に
関わっているから唯一その関わり
からも経つことのできる場所で
それを行わなくてはならない。
よってここを選んだ。
そのために物理部に入った。
「………別にここじゃなくても
つくる場所はあったんですよ。
それに………僕は抗ウィルス薬のない
ウィルスをばらまくそんな
馬鹿なことはしない。
それにこの薬だってまだ試験的に
作ったまでだから副作用が
起こるかもしれない。
わかりましたか?」
「………なにがだ?」
「僕が犯人でもばらまいた本人でも
ないことです。」
………。
「…納得は出来ない。」
そう。
まだ。
なにかが決定的に足りない。
「一つ言わせてくれ。
なんでそれを俺たちに教えた?」
そうだ。
教えたその、
動機だ。
「………話が分かるかと。
帰った人達は全員楽な部活として
ここを選んでますしね。
ちゃんと自分の研究に没頭して
なにかを見つけたり発見できたり
することが、できない人には
この話が分からないと思ったからです。」
………
「そうか。
もう一つ教えてくれ。
HLDウィルスがもしこの学校にあるとしたら
俺達はどうすれば良い?」
「教えた限りでは
僕は死なせないと思ってます。
だから………明日またここに来てください。
それまでここにいる人物の分
抗ウィルス薬は用意します。
あと………」
最後に神木は言った。
「もうこの街にもウィルス広がってると
思います。犠牲者は増える。
心配ならこの街から離れたほうがいい。
……と僕はおもいますよ。」
と神木は苦笑した。