天才必然偶然的少年の成果
床下に入る前に俺は物理室の扉に
鍵をつけそしてガスマスクをつけた後
床下へと入った。
床下は4人ではぎゅうぎゅう
詰めにもならなく
あと6には入れるそんな
大きいような小さいような
スペースだった。
そして案内されるまま
訳をついさっき聞いた大沢優歌と
来蘭優里、そして訳を端的に説明した
俺岸ヶ谷侑都は
神木康平の研究成果を見ることになった。
「そこで止まってください。
それ以上近付くと危ないので。」
「それどういう意味だ?」
「そのまんまです。
ではパッとHLDウィルスについて
語りましょうか。」
HLDウィルス
通称Heart Lose Death
心無症という症状を引き起こす
新型のウィルスである。
どこを媒介に生まれたかは
不明でそれについして
一つ分かってることは、
人間が作り上げた人工ウィルスであること。
感染率はその場所によって異なり
湿度80%以上の部屋もしくは
過密状態であれば
空気感染率が100%となる。
心無症は人間の五感である
視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚が
一つずつ必ず完全に無くなっていく
症状である。また
それによって自殺する可能性が高まる。
現在、そのウィルスの抗ウィルス薬は
無く開発は進められていない。
心無症を引き起こすと
激しい目眩、睡魔に襲われ
目が赤くなったり爪が剥がれやすくなる。
またそれはウィルスのもう一つの
効果であり、それは細胞一つ一つが
消滅していくためである。
さらにエボラウィルスのような
効果も出るとされている。
そして絶え間ない空腹感に
襲われることもある。
「………というのが心無症…つまり
僕が研究を進めているHLDウィルスの
現在進行形でのすべてです。」
と神木がひらひらと
手を振り言った。
「内容と規模が大きすぎるな。」
と俺も手を上げ言った。
「ねぇねぇ神木くん。
質問なんだけど………?」
するとそのとき優歌が
手を上げ質問する。
神木も嬉々として応答する。
「はい。」
「その………なんで自殺する
可能性が生まれるのかな?」
「あー………じゃあ想像してみて
ください。」
髪をいじり戸惑う神木。
それについして、
え?という優歌。
俺もえ?と疑問気に言う。
「視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚
が段々と薄まっていや、一つずつ
完全になくなります。
見えない。
聞こえない。
嗅げない。
触ることができない。
味わえない。
どうですか?
それでも生きたいですか?
抗ウィルス薬はないのに。」
「………そうだね…」
と唇をかみ苦虫を潰した感じに
表情を濁らせる優歌についして
神木はそして言った。
「あはは………
そんな顔しないでくださいよ。
ちゃんと研究しましたから~♪」
?
何を研究した?
てかなんで笑う?
「何を研究したの?」
と来蘭が神木に言った。
「え?HLD抗ウィルス薬について。」
「は?おまっ………それって………!!!!」
「そうですよ。
僕はここで、この学校で
世界ではじめての偉業を
成し遂げたのです(*^∀^*)ノ∠※。.:*:・'°☆
凄いですよね!」
「………凄いどころか…お前それだったら…」
俺は神木の盲点に気付いてしまった。
だってそれが出来たなら全身
血だらけで倒れ死んだ日向先輩を
助けられる。つまり………。
「日向先輩って………!」
「ああ。………彼はHLDウィルスで
死んだんですよ笑笑」
HLDウィルスはフィクションであり、
実在はしません。
ご了承ください。