多少のいざこざ
どうしてそうなるんだ!?
怒鳴り声が聞こえる。
貴様、この国の為などと吐かしておるが、実際はどうなのだ!
やっていることは真逆ではないか!!!
ダン!!
何かが思いっきり叩かれる音がする。
「はぁ、見張ってる俺らの気分にもなって欲しいもんだよ・・・」
「そうだよなぁ・・・」
ただの見張りである俺らはそう呟く。
しかし、ただの見張りだからこそそう扱われるのだろう。
「毎日こんなんだぜ?戦争になったらどうするよ?」
「戦争?何言ってるんだよお前は。戦争なんてもう80年は起きてないんだぜ?なら向こう20年は安泰さ。」
”百年平和”という言葉が王国にはある。
百年平和が続けば、その後は必ず戦争が起きるからだ。過去の大戦は、すべて約百年の平和が保たれてから起きる事が多い為である。
そう、多少の小競り合いはあるが、戦争と言える戦闘はもうないのだ。
少々の魔物と戦うくらいだ。
「でも・・・何か嫌な予感がするんだよなぁ・・・」
「お前はちょっとネガティブになりすぎだって!よし、夜は呑もうか!」
隣の男がそう誘う。
そう・・・だな・・・
「じゃあ、お前の奢りな?」
せめて明るく振舞っておこう。
嵐が起きる前くらい、いい思いしたっていいだろ?
ある兵士の憂鬱と称して一般兵の視点から書きました。
ただの一般兵ばかりではないと思っているので、こういう勘のいい人間が居ても、問題はないと思います。