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ノウェリス平地-5

グロ方面入ります。

苦手な方はご注意を。

ガキン!ガン!

剣や矛の交わる音が響く。


普段はその緑の大地を惜しげもなく通る人々に見せつけるノウェリス平地。


しかし戦時の今は赤色の大地を見せつける。

所々に赤黒いナニかも飛び散っている。


「ガッ!・・・ぐああ!!」

グチャッ

と、潰れる音がまた一つ。


また血で汚れた。


それを、最前線で奮闘しつつも眺めるアルマ・レビル。


その才能は若くして大将軍となった者足りえる素晴らしい用兵術である。



―――SIDE-レビル―――


「また勇敢な兵が減ったか・・・仲間を弔え!遠慮はいらん!」


「ウオオーッ!!!」

俺が叫べば我が軍からは怒号とも取れる掛け声が返ってくる。


しかし、状況は芳しくない。

一言で言ってしまえば帝国とまともにやりあえる戦力ではない。


しかし、我が軍には最終兵器とも取れる部隊が居る。

サバイバルを生き抜いた68名の野戦兵だ。


彼らの身のこなしは素晴らしく、重たい重装歩兵の攻撃をいとも簡単に避ける。

更には軽装騎兵や軽装歩兵の槍や剣すらも避けるのだ。

ある一人は、直感です。と言う。

しかし、どうみても予知の類にしか見えなくもない動きである。


「野性とは恐ろしいのかもしれないな。」

野性に目覚めた。

なんて言う兵士もいるのだ。これくらいは当然なのかもしれない。


「ヒャァ!こえぇからお前が死ね!」

シュッ

ガチッグチュッ

「アガッ・・・」


おどけた風で攻撃を避け、カウンターを入れる野戦兵。

躊躇しないソレはサバイバルから学んだ結果なのだろう。


「グアッ!ガフッ・・・」

そう思考しつつ俺は眼前に迫った敵を屠った。

敵とはいえ、意識ある状態で長時間苦しみを与えるのは忍びない。

だから一思いに殺す。


優しさをプレゼントしている。付属品が死だ。


戦況は徐々に優勢になっている。


「今だ!魔法兵、一斉射撃!」


「「炎よ」」「「水よ」」「「風よ」」「「土よ」」


単純な呪文より発生する四色の球体。

それぞれのイメージ色と対応している。

偉人達はこれを球体から取って「○○ボール」と名付けたらしい。

安直だが、なるほど、確かにそうだ。

などと歴史の勉強を頭の中で行う。必要ないのだが。


ドン!ドゴン!

パァン!ガッ!


「ぎゃあああああ!!!」


帝国兵の断末魔が聞こえる。

焼死、圧死、惨死、圧死とどんどん死体が生産される。


闇属性の者が居ればこの状況を嬉々として利用し、グールやゾンビ、スケルトンを作っていただろう。


もう少しで我らが勝利する。




『うてぇー!!!』


瞬間、相手方から何かが飛んでくる。


ドン!ドドン!

ズゥン・・・


石だ。


「馬鹿な!?」


石だと!?なぜ扱える!?



『ハハハハ!!!敵は怯んだぞ!反撃せよ!』


「っ!怯むな!迎撃しろ!」


即座に我にかえり、命令を下す。

しかし、混乱は既に大きく、収拾に時間がかかってしまう。


ザグッ!

「ぎゃあ!」

グシャッ!

「いてぇ!いてぇよぉ!!」

ゴキャッ!

「アグァ・・・」


立て続けに帝国が攻撃を重ねる。

波状攻撃だ。


「後退しろ!敵に背を向けるな!ゆっくり下がれ!」

ザンッ!

「ガァ・・・」

兵士の息の根を止めつつ退却命令を出す。


「クッ、敵指揮官はレツィオ・トニーノと言ったか・・・」


こんな敗戦。

無様に逃げたままで終われるか!!!


「首を洗って待っていろレツィオ・トニーノ!!!


貴様に敗戦の屈辱を存分に味あわせてやる!!」


恨み言の様にそう吐き捨て、自らも退却をする。

完敗だ。

石という、虚を突くような攻撃にはしてやられた。


土魔法を凝縮して石の様にしたのではないか、と推測しつつ、トニーノの戦略に舌打ちをする。


なるほど、中々えぐい事を考えるじゃないか。

今までは拡散、単発、連発などの魔法は多く存在し、それが当たり前だった。

しかし、凝縮という観点からの魔法などは少なく、制御も難しいモノとされていた。


敵兵はそれをやってのけた。


練度は確実に向こうが上である以上、不思議ではないが、どうしてそこまで予見出来た・・・?


我らが怯むと、何故予測した・・・?


伊達に帝国の常勝将軍を名乗っている訳ではない・・・というだけで納得できるはずがない。


情報だとすれば、石ないし、凝縮魔法の研究を始め、民間まで知れ渡っている我が国では意味を成さないと踏むはずだ。


では何故・・・?


技術力を見せつけるためか?

それだけでいいのか・・・?


常勝の名をモノにしている人物がそれだけの為に使うのか・・・?



考えても結果は出てこない。


大人しく退こう。




―――SIDE-END―――





【帝国側報告書】

レツィオ・トニーノ‐健在


 重装歩兵‐ 664名 (-134名)

 軽装歩兵‐1024名 (-233名)

 重装騎兵‐ 301名 (- 99名)

 軽装騎兵‐ 437名 (-258名)

 魔法部隊‐ 143名 (- 7名)


戦闘前総兵力‐3300名

残兵力‐2569名

死者‐731名


備考‐

  完勝とは行かず。しかし、大打撃を与える事に成功。王国の動揺を誘う事に成功し、一気に攻勢に出た。死者も多数出たものの、事実上の勝利を獲得。


捕虜‐王国兵士9名


【王国側報告書】

アルマ・レビル‐健在


 重装歩兵‐322名 (-358名)

 軽装歩兵‐816名 (-384名)

 重装騎兵‐413名 (-157名)

 軽装騎兵‐528名 (-322名)

 魔法部隊‐145名 (- 55名)


戦闘前総兵力‐3500名

残兵力‐2224名

死者‐1276名


備考‐

  敵将、レツィオ・トニーノの奇策により混乱。それにより壊滅的とは行かないまでも大打撃を受ける。アルマ将軍は兵士の士気を察知し、素早く退却命令を下す。それにより兵士の損失を減らす事が出来た。

報告書ってあったほうがいいでしょうか?

個人的には合ったほうがいいかなと思って書いてます。


そして今更ながら350アクセス、ユニーク130人も突破していた・・・

読んでくれている方は本当にありがとうございます。


これからも頑張りたいと思います。


さて、次回から新しい戦場となりますので、纏めて投稿出来ちゃうように色々練って、纏めて投稿出来るようにします!

ではこれにて。

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