第一話「幻想入り」
廻る廻る、運命は廻る。 だがここに、その運命から逸脱した■人の人がいた…
この物語はとある人が、破滅の運命をたどる世界を救うまでのたった一つの物語…
とある世界の森の奥深く
一人の少女が気を失って倒れていた。
少女の体の近くで時間や空間を切り裂くような音とともに謎の裂け目が出現し、そこから青白い光が少女の体に入った。
しばらくして、少女が目を覚ます。
少女「ん…ここ…森…?」
(さっきまで何してたんだっけ…)
そんなことを考えながら少女は立ち上がり周りを見渡す。
少女「住んでる所の近くにこんな森あったっけ…?」
(……)
「そもそも、どこに住んでたっけ?」
「思い出せない。これが記憶喪失ってやつ?」
「今、わかることは…」
そういうと少女は自分の服のポケットに手を入れる、体を触るなど、自分から得られる情報を探す。
少女「ヘアピン?」
(赤と黄のヘアピン…こんなの買うよな趣味してたっけ…?)
「それはいいとして…」
(このヘアピンはなぜか絶対に無くしてはならない…そんな気がする…)
ヘアピンをしまい、次に周りを見渡し、歩く。
少女「歩いても森が終わらないな…結構奥に居るみたい…近くに人が住んでいるといいんだけど…」
(記憶を失って、突然森の奥に居て、どうしたらいいんだろう…)
少女の表情が曇る。
そのまま歩いていると急に辺りが暗くなる。
少女「あれ?さっきまで昼だったよね…?」
そうすると少女の前に金髪に赤いリボンのようなものを付けた少女が暗闇から姿を現す。
リボンの少女(やっと迷い込んだ食料…おいしそう…」)
(いつまた”巫女”や”魔法使い”が来るかわからないし早く食べちゃおっと♪)
少女「あれ?人?」
(こんな子供がいるってことは近くに人がいるかも…!案内してもらえないかな?)
「ねえ、そこの君。」
リボンの少女「どうしたの?」
少女「えっと、近くに町とか無いかな?少し…いや、かなり迷っちゃって…」
「案内してもらえると嬉しいんだけど…」
リボンの少女「うーん、嫌だ…かな」
少女「え、えっと、困るんだけど…どうして?」
リボンの少女「だって…私が君を…」
「――食べちゃうから♡」
少女「!!」
(これは"死ぬ"と、本能が告げてる。)
(すぐに逃げないと。)
少女はすぐに逃げ出す。
だが、辺りは暗闇。足元すらよく見えず、すぐに転んでしまった。
リボンの少女「ねえ、君は食べてもいい人間?」
少女「誰か…た、助けて…」
リボンの少女「無駄だよ。こんな森の奥深く。誰も助けてくれない…」
「それじゃあ、いただきまーす…♡」
少女(あっ、死んだ…)
そう少女が覚悟すると、奥から魔法使いの格好をした金髪の少女が現れる。
魔法使い?「おい、ルーミア。何してるんだ?」
ルーミア「げ、魔理沙…」
魔理沙「人がいる…」
「ルーミア、あまり人は襲うなって霊夢から言われてるよな?」
ルーミア「うー…でも、生きるためには仕方ないでしょ?」
魔理沙「ああ。まあそうだが…」
「妖怪に殺されそうな人がいたら助ける…霊夢はそういう奴だろ?」
ルーミア「仕方ない…今回はあきらめるよ…」
ルーミアはそう言い残すと暗闇に包まれ、姿を消す。
それと同時に辺りを覆っていた暗闇が晴れる。
魔理沙「おい、アンタ、ケガとかしてないか?」
少女「えっと、魔理沙…さん?大丈夫です。ありがとうございます…」
少女は転んだときに着いた土を払いながら立ち上がる。
それと同時に魔理沙は転んだときに着いたであろう傷に気が付く。
魔理沙「あれ、オマエ転んだのか?膝から血が出てるぞ。」
シュウ「ほ、ホントだ。気づかなかった…」
魔理沙「うーん…そうだな…少し遠いけど近くに私の家に絆創膏とかがあるから後ろに乗ってくれ。」
そう言うと魔理沙はどこからか箒を取り出す。
少女「これに乗るんですか…?」
魔理沙「ああ。でもまあ最初は怖いよな…」
「どうするか…」
(私の家は近いし、時間はかかるけど歩いていくか…)
「じゃあ、家も近いし歩いていくか。」
「聞きたいこともあるし、色々聞かせてくれよな。」
二人は歩き出す。
少女「はい…」
(これなら家に帰れそうかな…)
魔理沙「そんな畏まるなって。敬語とか面倒だし、楽にしろよ。見た感じ年齢は近いだろ?」
少女「あ…うん。ありがとう…」
魔理沙「まずは自己紹介からだよな…」
「さっきの奴との会話で知ってるかもだが、改めて…」
「私の名前は霧雨 魔理沙。」
「見て分かる通り、普通の魔法使いさ。」
少女(魔法使い…?)
魔理沙「アンタはなんて言うんだ?」
少女「ああ、私は…」
「……」
(名前が…出てこない…?)
魔理沙「どうした?」
少女「えっと…思い出せなくて…」
「そういえば家も思い出せなかったな…」
魔理沙(まさか記憶喪失か…?)
(外来人の可能性もある…)
(こんな時、霊夢はどうする…?)
「とりあえず仮にでも名前をつけないとな!」
(こういうのは周りになるもので決めるってのがお約束だよな!)
魔理沙が周りを見渡すと、柊が生い茂っている。
魔理沙「それじゃあ、木偏に冬って書いて…」
(ヒイラギって名前は呼びにくいよな…)
「シュウだ!」
シュウ「…!」
「なんか、しっくりくるよ!ありがとう、魔理沙!」
魔理沙「おう、よろしくな、柊」
そう話しているとやがて二人は魔理沙の家へとたどり着いた。
悲しいことに時間ができたのでこれからたくさん描けたらなっておもってたり




