60話 わざと擦る
コース詳細はこちら{https://maps.app.goo.gl/jWqqjRHa6WnbdGBv6}
カーブ28地点、S2000のドリフトをじっくりと高穂は観察した。
(ドリフトは普通だな……でも入る時にフェイントを入れている……フェイントを入れながらか?)
86もフェイントを入れ、そしてドリフトでヘアピンを曲がっていった。
(おおっ、スピードはそれなりに速くても曲がれるのか)
高穂はいろは坂のヘアピンの攻略法に気が付き、次のヘアピンで近づくようにアクセルを踏み込んだ。
「ってヘアピンの間隔が速いし多いし本当に何なんだよ!」
いろは坂は28のヘアピンコーナーがあり、津軽岩木スカイラインよりかはだいぶましだ。そしてカーブ29地点、86は先ほどと同じようにフェイントを入れドリフトをしていった。
(なんだこれ……S2000との差が広がっていくような気がする)
S2000と86との差がわずかに開いているがどこがいけないのかと見つけようと思い、次のカーブ30地点のヘアピンに差し掛かり、S2000の動きをじっくりと見るとヘアピン出口でわざとガードレールに擦っているように見えた。
(わざと擦ってるのか!?でもこのコーナーに溝が見えたはず……)
86はインを突き、地面とアスファルトの間にできた溝にタイヤを引っかけ、立ち上がり重視で駆け抜けていった。
(少しだけ差が縮まったな、後7メートルぐらいか)
直線の伸びで差は4メートルに縮まった。
(この直線、少し長かった気がするけど差が縮まったんだよな)
カーブ31地点、S2000はフェイントを入れてドリフトで駆け下りていき、86も同じようにフェイントを入れて駆け下りていった。
(多分だけどこの後、とても直線が短いような気がするな……)
高穂は嫌な予感をしていたがその嫌な予感は本当になるのか。そして軽いS字カーブを駆け抜けていった。
(次のコーナーは32か……ん?インに溝が無い……けど縁石がある!)
S2000はフェイントを入れてドリフトをしていたが86は明らかにINを突こうとしてスピードが乗りに乗っていた。
(オーバースピードだけどこれで曲がる!)
高穂は思いっきりインにある縁石にタイヤを引っかけ、そしてオーバースピードのままヘアピンを曲がっていった。
「ってどこを走ってんだァ!!!」
S2000のドライバーはインを走っている86を見てふと思ったことが口に出たらしい。そして86はS2000の前に出ると加速力で前に出た。
(一体さっきの86は一体何なんだ!?青の86……まさか!!!)
S2000のドライバーは86のドライバーの正体がうすうす分かってきていた。
(だがあの走行ラインは俺の想定外だ!!外にぶつけてからはさすがに遅いか……)
そしてカーブ33地点、急勾配の中、86はフェイントをして曲がっていったがS2000はとある場所からヘアピンに入って行った。
「これが俺のタイムカットだ!」
S2000はガードレールのスレスレで崖から飛びたった。
「これはラリーでもあり得るジャンプだ!」
高穂はバックミラーで上から現れるS2000に驚いていた。
(どこから降ってきたんだ!?)
そしてカーブ34地点、86はフェイントを入れてドリフトで駆け抜けていき、S2000も同じくドリフトで駆け抜けていった。そして2台は残りヘアピンが13つ残っていて差は僅差、勝利の女神がどっちに微笑むのか!
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