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Street Runner   作者: 猫こんた
act.2 協和と調和
57/70

57話 就職先

数分後、愛花が高穂の部屋に入ってきた。

「高穂、すまない」

「ここで居候することにしました~」

「親はどう思うのかが知らないが……」

「それは大丈夫だ、高校卒業と同時に家を追い出されたらしく、戸籍が無かったらしい、もちろん河川敷で住んでいたらしい」

「それって……ホームレス!?」

「ああ、とんでもない仕事をよこしてきやがって……後でZの清掃手伝え」

「なんでだよ!?」

「……就職先紹介のボーナスだ」

そう言って海人は部屋のドアを閉めた。

「どうしてこんなことになったんだよ」

「へぇ、この部屋は広いのね」

「この部屋はって……他の部屋が小さいとでも言いたいのか?」

「だって他の部屋はポリタンクやら何かの機械があったもの」

「僕は外に出るよ」

高穂は今日一日が濃すぎてもはや某F1ドライバーのトラフィックパラダイスと同じ脳内だった。

「おう、さっそく洗うぞ」

そう言って海人は掃除道具一式を仕事場の中から引っ張り出してきた。

「それでどうしてボーナスって?僕からしてみればペナルティなんだけど」

「どうしてだ?」

「だって体が汚れるし」

「車は体が汚れてこその車だろう、人車一体だ」

「どこが人車一体だよ」

そう言ってエンジンルームを清掃し始めた、すると見知らぬ部品やらが詰まっていた。

「ほらな、食いついただろう」

「これって……どういう部品がついてるんだ?」

「これはな、本気を出せば300km/hを叩きだせるが抑制してある、公道で300km/hオーバーはスモーキー永田のように捕まるからな」

「そりゃ速度違反すぎるからね、捕まるよ」

「だからそのリミットが外れないために、定期的なメンテがいるんだよ」

「そうなんだ……このスイッチは何?」

「それか?公道用かレース用かを切り替えできる奴だ」

「僕の車にない物いっぱいだ……」

「そうか」

そう言って海人は黙々と清掃をしているが高穂は部品に興味を持っていた。

「掃除の方も忘れるんじゃないぞ」

「あっ、そうだった」

高穂は掃除という仕事を放棄してパーツを眺めていたが海人に言われたので手が届く範囲で掃除をしていった。

「それで、愛花はどうだ?」

「どうだって、天真爛漫だなって」

「そうか」

「親父、聞いておいてそれはないと思うけど」

「そうか」

「……親父は車と女に関しては弱いんだな」

「そうじゃない、興味がないから軽く答えてるだけだ」

そして数時間清掃し、Zは綺麗になった。

「よし、後片付けは頼む」

「分かったけどどうして僕がやらないといけないんだよ」

そんな愚痴を言うと海人の目つきが変わった。

「なら86は返してもらうぞ」

「はいはい、片づけますよっと」

もし86が返却となるとリアキャリアで配達になると知っていた高穂は文句を垂れながら後片付けをしていった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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